平地の桜は見ごろを終え新緑がわずかばかりに残った花びらの間から、せめぎあうように緑の色を主張し始めている。
少しばかり標高が高いので、まだ見れるかもしれないと考えて宝珠山駅に向かった。
無人駅の改札口を抜けてホームに出ると、かなりの数の鉄撮りカメラマンが三脚を据えていた。
線路脇にいた人にもう電車が来るのですかと尋ねると、そろそろ来ますよと教えてくれた。
ものの2,3分待つと、日田彦山線を走るキハ140系の電車がホームに入ってきた。
全体的にくすみ始めた春の花々が、最後の力を振り絞って電車を見送っていた。