地方で綿々と受け継がれてきた祭りは今、存亡の危機にあるといっても過言でもない。
人口減少、少子化により、全国的に地方の祭りの維持が難しくなってきているからだ。
世界遺産に登録された博多祇園山笠も、ひと昔前は担ぎ手不足で山笠をかき終えるのに時間がかかった時代があった。
地域の伝統を守り続けることは、ある意味閉鎖的で祭り参加者に町内以外のいわゆるよそ者を受け入れないところがみられた。
時代は変わり、今や博多山笠は一度でも参加したら、その魅力とりつかれた多くのかき手で溢れている。
呼子町の隣には原発が稼働している。
地域祭にその大企業が手を差し伸べることは、メセナの考え方からも積極的であるべきである。
財布乃中身と人手は足りるものが、それを必要とするものに手を差し伸べる事を是とする。
海を渡る山笠はそれ自体が珍しく、いわゆるインスタ映えする祭りである。
もちろん男の祭りには、多くの女性の黄色い掛け声がが似合っている。
現状は山笠を担ぐ男たちより、それにレンズを向けるシニアカメラマンの方が多い。
来年は呼子の旅館でヤリイカを食べ、朝市でショッピングをしてこの祭りを見学するツアーができるといい。
座して待つと小さな祭りは途絶え、やがて地域の文化も消滅していくことになる。