五、「教会とわたしたち」(311)
4.近代の教会の夜明け
―宗教改革―スコットランド
(「わたしの最期の日は近づきつつあります。~わたしはこれによって、その重いつとめを終え、わたしの様々な苦しみと悲しみから解き放たれて、主キリストの御許に行くことを望んでいます。しかしわたしの心から願いは、~神の言葉の真実とその教養のほか何をも語るまいと願っていました。多くの会衆のうちにはわたしの説教の難しさに不満を抱いた人々があったようですが、わたしはそうした人々を疎み嫌ったことはなく、そうした人々を導いて、神の秘められた御言葉の真理を悟らせるように骨折っていたことは神の知っておられるところです。~わたしの良心も証します。~神の権威を拒む人々、また真理を捨て去った人々を警戒しなさい。これ以上語ることは健康が許しません。」と。(ここまで前回)
語り終えると感謝して、静かに彼らを引き取らせた。集まった者らは心に大いなる感動で満たされ熱心に祈った後、少数の残った者らに、とくに聖アンドルーズの知事に忠告し、敵対するメアリー女王の徒党に対して、一層結束してこれに当たり、改革教会のために戦うべきことを勧めた。やがて神の審判が女王一味の上に下されるであろうとも言って励ました。 その後時々刻々と彼自身は、自分の死が近づいていることを知った。四日後、十一月二一日(金)彼は自分の棺の製作を依頼した。(つづく)