五、「教会とわたしたち」(312)
4.近代の教会の夜明け
―宗教改革―スコットランド
(語り終えると感謝して、静かに彼らを引き取らせた。集まった者らは心に大いなる感動で満たされ熱心に祈った後、少数の残った者らに、とくに聖アンドルーズの知事に忠告し、敵対するメアリー女王の徒党に対して、一層結束してこれに当たり、改革教会のために戦うべきことを勧めた。やがて神の審判が女王一味の上に下されるであろうとも言って励ました。 その後時々刻々と彼自身は、自分の死が近づいていることを知った。四日後、十一月二一日(金)彼は自分の棺の製作を依頼した。(ここまで前回)
そののち彼はしばしば自分のために祈ったといわれている。たとえば、「主よ、来たりませ。わたしの身体も魂も御手にゆだねさせてください」という類の祈りである。そして教会のための祈りは、たとえば、「主よ。あなたのお贖いになったあなたの教会と、悩みのうちにある市民がいつも信仰による平和を回復し、確信することができるように、その恵みを祈る」という祈り、また「あなたのみ心によって、あなたの教会を守る教職者を起こしてください」という祈りであった。そして側にいる人々に対しては「死は恐ろしいものではありません。神の独り子は死の力の限界をご存知です。死はむしろ祝福であり神聖である」と語ることを欠かさなかったといわれる。(つづく)