(原 光訳 2000年、沖積舎) ダンテの「神曲 地獄」編 第15歌(カッコ内は筆子、その4)
◯わたしらを熟視し、老いた仕立屋が針の穴を覗くやうに、わたしらに向つて眼を鋭くした。
わたしはこの一族にそのやうに凝視されてゐたが、その一人がわたしを見分け、わたしの裾を掴んで叫んだ、「なんと愕くべきことだ! 」
そのものの腕がわたしの方へ伸ばされたとき、わたしはそのものの焼けた顔に目を凝らしたが、(前回ここまで)
◯その焼け焦げもわたしがそのものを見分けるのを妨げなかつた。わたしは片手をそのものの顔の方へ下げて答へた、「あなたが、ここに、セル・ブルネット?」(ブルネットは高名な学者、「セル」はその尊称)、
すると答へた、「おお、わが息子よ、ブルネット・ラティノがそなたとともに少し後戻りして、この縦列を先に行かせても、不快に思はないでほしい。」(ブルネット・ラティノは千二百十年頃フィレンツェに出生)
わたしは言つた、「出来るかぎり、さうして下さい。あなたとともに坐れと言われれば、わたしの道連れが許ししだいさうしましせう。」
(つづく)
◯本日、2016年11月20日は第四十七主日となる。日聖協「聖書愛読こよみ」は「感謝せよ」という主題。聖書はコロサイ2章6~7節その7節、「キリストに根を下ろして造り上げられ、教えられたとおりの信仰をしっかり守って、あふれる
ばかりに感謝しなさい。」という。「あふれるばかりに感謝」とは、キリスト信仰をもつ者の基本であり、言葉であろうと行いであろうと、その心を神に向けるときに起こる。
◯写真は、先週11月13日、沖縄伝道所に、宜野湾の人々四人が合して、まず問安の辞を述べられました。この後の昼食会です。