(原 光訳 2000年、沖積舎) ダンテの「神曲 地獄」編 第15歌(カッコ内は筆子、その12)
◯いまわたしをいたく悲しませるからです、わたしがあれをどんなに尊重してゐるか、わたしが生きてゐるかぎり、わたしの言葉でそれを見分けられるやうにせねばなりません。
わたしの行末について話されたことをわたしは肝に銘じて、そばに着いたら真実を知つてゐる婦人に説き明してもらふために、他の言葉とともに貯へておきませう。
これだけはあなたにきつぱり言つておきたい、わたしは良心の呵責を感ぜぬかぎり、どんな運命にも屈せずにゐられます。(前回ここまで)
◯そのやうな予言はわたしの耳には新しくない、だから運命は好きなやうに車輪を回すがいいのです、農夫が鍬を振り回すやうに。」
そのとき師は右頬の方から後を振向き、わたしを見詰めて、それから言つた、「肝に銘じるものは良い聴き手だ。」
それでも同じやうにセル・ブルネットと話しつづけて歩き、わたしは訊いた、もつとも名高く、もつとも卓越した仲間は誰か、と。 (つづく)
◯本日、2017年1月15日の日本聖書協会「聖書愛読こよみ」の主題は「信徒の成長」という。聖書の箇所はⅡペトロ3章14~18節である。その18節、「わたしたちの主、救い主イエス・キリストの恵みと知識において、成長しなさい。」
という。この「成長しなさい」を口語訳聖書では、その意味を汲み取ってであろうか「豊かになりなさい」と意訳した。心が広く、考えるようになるのであろうと思われる。
◯写真は、1月12日(水)初週祈祷会を祝すような元気な生け花である。初めて初週祈祷会に出席されたひとりの求道者を祝福するかのように窓から入る太陽の光によって、輝きの光を発つていた。