標高330mのモノローグ

富士山の10分の1、東京23区最高峰の10倍の山間に暮らして20年。地域の自然や思いを綴ります。

70年まえの「BC級戦犯の獄中記」より学ぶべき、”自分で考える”ということ。

2018-08-19 20:04:03 | 日記
今朝のNHKニュース「おはよう日本」の中で「BC級戦犯の獄中記、日本人への戒め」と題して、獄中記を語っていた。

第2次世界大戦で、陸軍主計大尉が米軍のB29爆撃機のパイロットら4名の処刑をしたとして、BC級戦犯として、死刑を宣告され、巣鴨プリズンに収監されていた。その後、朝鮮戦争の際、恩赦で終身刑となり、10年の刑をへて釈放されたとのこと。この獄中記が今年5月に発見されたという。

この元大尉が、獄中で戦争の悲惨さや、自らが犯した罪への反省などを、後世に残そうとして書いたと思われる記述の中で次のような、日本人への戒めを述べていたという。
「日本人は自分の頭で考えなければならない」。

戦争による憎しみのため、敵の将兵を殺害した。これら兵士達にも、祖国には身を案ずる家族がいたであろう。自らの成したことを後悔した。そして事の良し悪し、善悪を「自分自身で判断しなければならない」「日本人には自分で考えることができない」と。

戦後日本人の心理について、自らの判断でなく、他人に依存しがちな心理的傾向があるとして、「甘えの構造」(土居健郎著:精神科医、精神分析学者)が出版されたのは1971年である。
評論などによると、日本人の心性・人間関係の基本を「『他人依存』的『自分』」「受身的愛情希求」「『幼児的』なもの」としている。また、「これを非論理的・閉鎖的とする観点」もあるという。

元大尉の獄中記では、土井健郎氏の論文よりも、20年も前に日本人の甘えの心性を見出している。そして、自分で考えなさいと警鐘を鳴らしている。
英語では、甘えの構造を「The Anatomy of Dependence」とう。"甘え"つまり"依存"である。

そして、現代でもこの依存性が日本人の心性として、多く残っていると思われる。
例えば、今の与党・自民党にみられる。9月に行われる総裁選挙。今のところ、立候補の意思を表明しているのは、一人だけである。立候補が取りざたされていた人が、立候補しないと表明したり、現総裁もまだ明らかにしていない。様子見のようだ。相互依存が強すぎる。もっと若い人たちなど、多くの人たちの議論があってよいのではないか。それが政党を活発化させるし、強いては国民の政治への関心も高まる。

決して悪いことではないが、「夏休みを取ってゴルフを行う」ことが、話題に上がるのではなく、外交による世界の変化への対応、内政においても、収賄・改ざん・パワハラなど度重なる組織の荒廃、災害による被災地域への支援。喫緊の事案がいっぱいある。政治家は虚言が通用する世界に甘んじるのではなく、国民のための堅実な施策を打ち出してほしい。
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