創作童話です。趣味で書いています。
読んでいただけると嬉しいです!
…
ある雨の日、かたつむりが紫陽花の葉っぱにいると、小さな男の子が友達を連れてやってきました。可愛いねー、とかたつむりを嬉しそうに眺めています。
ナメクジも褒めてもらいたくて、皆んなの前に姿を現しました。
すると、女の子が、きゃー、気持ち悪いと叫びます。
ナメクジは、男の子に傘で突かれそうになりました。
葉っぱから落ちてしまいましたが、幸い怪我もなく、隠れる事ができたので、命は助かりました。
かたつむりが次の日ナメクジに会いました。
おーい、お前はなんて醜いんだよ。おれのこの背中の殻、かっこいいだろう?皆んな、俺様をみて、褒めてたよな。殻があると無いのでは、こうも見た目に違いが出てくるのかねぇ。哀れな姿だねぇ、おまえは。
ナメクジは、そう言われても、その通りだと自分も思ったのでいい返す事ができません。
すると、そんな2匹の背後に、大きなカエルが出てきました。
カエルはナメクジもかたつむりも大好物です。
危ない逃げないと!
岩と岩の小さな隙間にナメクジはスルッとはいりました。かたつむりは、大きな殻が岩と岩の隙間に引っかかって、逃げて隠れる場所がありません。
かたつむりは自分の殻に閉じこもり、ブルブル震えます。
カエルはそんなかたつむりにもお構いなし、パクリと食べてしまいました。
カエルは、まだお腹が空いていました。逃げたナメクジを探しています。岩と岩の隙間に隠れたナメクジを今か今かと待っています。
オマエさんが隠れたのは、わかっとるわい。と言わんばかりにカエルは穴を塞ぎます。ナメクジはブルブル震えます。
すると、急に、穴から光がみえました。カエルの姿はありません、
カエルは背後からやってきた蛇に食べられていました。ナメクジはびっくりしました。自分も、地を這って生きてきたけれど、こんなに大きな恐ろしい眼をした生き物がいたとは。
自分をいじめ、醜いと馬鹿にしたかたつむり。それを食べたカエル。2匹とも、この蛇のお腹にいると思うと怖くて怖くて、次は一番弱くて醜い自分が食べられる番だと思いました。
カエルを食べた蛇は、まだお腹が空いていました。ナメクジは、岩と岩の隙間でブルブルふるえています。気づかれないようにと、祈るしかありません。蛇ならこの隙間にもきっとはいってくる。
ぼくも、食べられる運命なんだとブルブル震えていました。
すると、岩と岩の隙間に何かいるのを蛇はとうとう見つけてしまいました。
ゆっくりと、ナメクジのいるところに蛇が近寄ってきました。
もうだめだ、食べられる!とナメクジは思いました。
すると、蛇は、岩の隙間に入ろうとした時に、急に苦しみはじめました。どうやら、ナメクジが冷や汗をかきながらにげた汗の道が、蛇を苦しめているようです。
ナメクジは、びっくりしました。
自分の辛い時に身体からでた汗が蛇には毒となり、自分を守ってくれているのが初めてわかりました。蛇は岩の隙間に入ってくる前に、なくなってしまいました。
自分が蛇に勝つなんて、自分はなんて凄いんだ、最強なんだとナメクジは思いました。自分を馬鹿にしたかたつむり、それを食べたカエル、またそのカエルを食べた蛇より、自分は偉いんだ。そう思ったら、自分は無敵さと、偉そうに地上で振る舞いはじめました。
そうこうしていると、なくなった蛇がいるのに気づき、お腹をすかせたカラスがやってきました。
ナメクジは、地上では、自分が一番エライんだと偉そうにしていました。蛇を食べ終わったカラスはナメクジをチラッとみました。
ナメクジは、カラスには気付かず偉そうにしています。しかし、そうしているのも束の間、鋭いくちばしをつきつけられてしまいました。
その時にナメクジは、
誰も傷つけていない時の自分が一番、何かに守られていたんだなと悟りました。
しかし、時すでに遅し。カラスは、そのナメクジをパクリと食べてしまいました。
カラスは、地を這う生き物はどれもこれも同じような味で美味しくないなぁといった面持ちで、他に美味しいものはないかとまた、餌を探しに飛んでいきました。
おわり
苦手な生き物が沢山でたかもしれません。スミマセン。ハッピーエンドでもないですし。
嫌なニュースに、世界情勢の不の連鎖が無くなるといいなと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!