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あらためての記-血管肉腫と心タンポナーデ(4)

口に鮭でもくわえていそうな…

獣チックな空組兄ちゃん

 

2012年5月12日(土)/病気の発覚②

家に帰っても落ち着かない状態で、ただただ時間を待ちました。午後3時半、病院に行くと、アルファがエリザベスカラーをして診察室から出て来ました。『今、点滴を終えました』と看護士さんは言いましたが、その言葉は上の空で、それよりも私を見たアルファの顔がぱっと明るくなったことにどれほど安堵したことか。持っていたスマホでカシャ。アルファ、大丈夫だよ~と家で待っている主人に写真を送信しました。これから大変な結果を聞くことになるというのに…

 準備が整ってやっとCTの検査です。この病院は県内屈指の設備を誇っていて、CTも3Dで断層撮影が出来ます。きっと簡単にアルファの身体の異変の原因を突き止めてくれる、そして、なんだ~、アルファ、こんなことだったんだ、と後で笑い話になる、とまだそんな希望的観測を抱いていました。例えば、散歩の時にでも何か悪いモノを食べて、最悪手術で取り除く~みたいなことを想像していたのです。

 アルファを検査室に見送って、待合室でぽつねんと座っていましたが、20分ほど経った頃、看護士さんが呼びに来ました。中に入ると、アルファが背中を見せて診察台にぐったりと横たわっています。院長先生は、『アルファ君は失神しています。人間でいうと意識不明の重体です。今、心臓に貯まった血液を抜いていますが、非常に危ないです』と言いました。私は言われたことの意味が分からず呆然と立ち尽くしていました。

 院長先生初め、担当医や看護師さん、その他研修医やスタッフが各々厳しい言葉を交わしていましたが、私はまだ状況がよく飲み込めない。CTの検査なのに一体これは何?そんな私に院長先生は大きく息を吸って、ゆっくりと説明をし始めました。

 アルファが、心タンポナーデを起こし生死の境をさ迷っていること。その原因は心臓に出来た腫瘍からの出血で、今、心臓の膜に針を刺し、そこから心膜に貯まった血液を取り除いていること、そして、その施術を目の前でしているが、麻酔の必要もなく、それほどアルファが重体であること。貯まっている血液は大量で300㏄以上にもなることなど。少しづつ理解はしていきましたが、院長先生が指し示す3Dの断層映像を見ながら、頭が真っ白になるとはこういうことを言うのか、と次元の違うところで、思考回路が妙に冷静になっていくのを感じていました。

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