
お寺なども含めて、道徳を学ぶ中で人間性を養っていくというのは、
失われつつある大切な日本の風習だと思います。

国によって宗教観は違いますが、
「バチがあたるからしない」というのは、
これからたくさんのことを学んでゆく子供達には有功であって、
大人になっても、「怒られるからしない」では、
「(悪いことを)する」より良いでしょうが、
「見つからなければ何をしても良い」ということで、
それで良いと思うのは間違いです。
「褒められるからする」というのも、
実は、私も好きですけれども(笑)見返りを求める行為で、
成長するにつれ、
宗教的に言うと「無償の愛」へと進んでいかないといけないのかなと思います。

禅のお話で、
毎日、読経より、朝から晩までお寺のお掃除を心を込めてしている僧侶と、
毎日、朝から晩まで読経して、
周辺の僧侶らが音をたてると修行の邪魔になるといって、
いつもイライラして怒る僧侶がいたそうです。
自分はとてもよく修行し、徳を積んでいるに違いない、
と、
修行をしていないお掃除僧侶を馬鹿にしていたそうです。
住職さんは、そんな2人をよく見ていて、
どちらの生き方が仏の道を歩んでいるかというと、
それは見返りを求めず、掃除に没頭するお掃除僧侶の方だと言ったそうです。

私はこの話が好きです。
ついつい損得で動きがちだし、
日常生活の中だと、だいたい損得で物事を判断することが多いのですが、
「徳を積む」というのは、見返りを求めて何かをする
そういうことではないんですね。
こんなこと常に考える必要はないと思いますが、
日々の生活の中で自然と身に付けていくものなんでしょう。