陽だまりのねごと

♪~思いつきひらめき直感~ただのねこのねごとでございますにゃごにゃご~♪

トウキョウソナタ

2009-01-26 05:53:51 | 映画(DVD)
トウキョウソナタ - goo 映画

黒沢清監督作品『トウキョウソナタ』ある視点部門で審査員賞受賞!

新聞の小さな小さな記事を見つけて、息子が喜んだ。
息子はずっと黒沢清監督ファン。

以前、母にも黒沢明でない「清」を観て欲しいと一緒に↓観た。
ドッペルゲンガー [DVD]

アミューズソフトエンタテインメント

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はっきり言って自分ではセレクトしない分野。
ぼこぼこ殴ったり血が流れるシーンは好きでないが
奇妙なおもしろさがあった。
これっきり私は監督の作を観ていない。

同じ役所浩司とグーグーの小泉今日子が出演。

息子は清監督の絵の撮り方が好きだと言う。
そういうんでなるほどと息子の目になって観てきた。
息子は人ゴミがダメなので映画館に入れない。
DVDになってから観ると言う。

暗さは内包して表面的には淡々とユーモアで軽く流れる日常が
ドッペルゲンガーに似た映像で繰り広げられた。
ラストのピアノは柔らかで子供の手で弾かれた音色ではなかった。
そう言えば、あの子は小学生にしては大人だった。
いばっているオヤジが一番ガキっぽかった。

言いたいことは言わず表面の穏やかさで暮らす仮面家族。
案外、そこここにあるのかも?

息子が観たい映画を代わりに観に行く母親って私もヘンだ。


グーグーだって猫である

2008-11-27 07:29:15 | 映画(DVD)
グーグーだって猫である

観た人が
「別にどうってことないストーリーだけど猫がかわいかった」
と感想を漏らしていたけど、猫好きとしては観ないと話に加われない。
無職はレディス・デイに観ると決めたら、なんだかんだと水曜日が空かない。
短期間だったみたいで気がついたら終わっていた。
ガックリしてたらもっとも近い映画館にやってきた。
このチャンスを逃す手はない。
カレンダーに大きな○を書いて絶対空けておいて観に行った。
今週末には終わってしまう。ギリギリセーフ。
確かに
待ちに待ったわりに何と言うことはない映画だった。
キョンキョンも中年になったなぁ~と言う感想。それだけ自分も歳取ったってこと。はぁあ~
猫への思い入れとガンの扱いがちょっとクサイ。
ガンだと言えば即死。治療の副作用で鬱って美しすぎてうそっぽい。
吐き気やら脱毛やら夫に付き添っていたから
副作用はそんなもんじゃないって突っ込みいれつつ観てしまった。

妹が今、子宮摘出術後でどうも鬱っぽい。
訊ねても家中にカギかけドアホーンにも答えない。
電話にも出ない。
ようやく開けてもらったらまだパジャマで過ごしていた。
開腹手術でなはなかったから傷の痛みは少ないはず。
まったく外にも出ないでただ寝ているらしい。
どよ~んと暗い。
病人の自分に酔っていると言うのは意地悪いだろうか?
パジャマくらい脱いで普通っぽい人で居てもいいんじゃないかと思うわけ。
本当の鬱?本当に病気?
分からないんで本人に何にも言えず協力はするけれど、こう言う助っ人の存在が甘やかしにも通じるワケで。
なんともかんともこっちまで憂鬱。

全編に読んだ人は元気をもらうという漫画作者の性格の暗さが流れていて
妹とついついオーバーラップ。
デイサービスでない日中は母を預かることにした。
あっちこっちにやられる母も可哀想だけど、あの陰気虫と一緒に過ごす時間よりウチで過ごした方がマシだろう。

話はズレたが、あの挿入マンガがイマイチ理解不能だった。
あれで元気もらう?
漫画が最近読めない。絵と吹き出しを追うのが面倒くさい。
なぜかハイテンションで出演している楳図かずおの
「ヘビ女」も「まことくん」もちゃんと週刊漫画で読んできた時代もあったのに。

ラストシーンの玄関に猫お出迎え。かわいいの分かるわ~
ウチの場合は「餌くれ にゃん」
腹へって待ってたよの意志表示で
すでになんでもないのに玄関まで動くパワーがない老猫だけど。
猫は人間の何倍もスピードで歳を取るってホント。
1年で20歳の大人。後は1年で人間の7歳分だそう。
元気いっぱいの井の頭公園お散歩シーンが一番の見どころだったかも。
元気猫もいつか老いる。
生老病死はペットも人間おんなじってことよねぇ~


おくりびと

2008-10-23 00:28:16 | 映画(DVD)
市の一般病院での健康検診期限が10月末まで。もう少しで忘れるところだった。
今日は暑くなく日差しなく予定なく、いつもの病院まで朝ごはん抜きで歩いて検診を受けに行くことにした。

途中で白い飼い猫に会い、その飼い主に会い無駄話に花が咲き、
またシェットランドの散歩犬に会い、その飼い主と無駄話に花が咲き、
予定よりぐんと遅れて病院へ辿りついたら
げんなりするほど朝早いご老人が予想どおり待合室に溢れていた。
待って待って待ってる間に
話題の
蟹工船・党生活者 (新潮文庫)
小林 多喜二
新潮社

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が読めた。
貧しいの度合が違う。人が人扱いされていない。長い人間の歴史のほんのちょっと前の話。
医師だって今は
『お待たせしました』。聴診器で内診する時は『失礼します』。
一昔前の尊大なセンセとはかなり違う。

健康診断に今年からメタボチェックも入ったらしく身長体重にお腹回りまで測られた。
問診票には週に何度くらい1時間以上歩いているかと言う項目もあった。
おりしもレディスデイではないですか
よし!映画館までもう30分歩いてみようと決心。家と反対方向に歩きだした。
暑くなく日差しなく~♪
山歩きの翌日は足軽やか~♪

おくりびとを観ることに。
やっと本日の本題。長い長い前置き、すみません

納棺師って夫が死んだ時どうっだったっけ?
病院でも拭き清めてもらって病衣から私物寝巻きに着替えさせて貰って
たしか霊柩車で自宅へ帰っていつもの布団に寝かせた。
次の日、そうそう
納棺まえに死出の旅支度には女性がふたり来て白装束に着替えさせて頭に三角形布を被せたのを覚えている。
布団に寝ている人からいきな死人になった感じで特に頭の三角がイヤで
和服が好きで絶対にお正月には着る人だったから一番のお気に入りの着物に着替えさせてもらった。
映画で家族が納棺師に逆上するシーンが何回も出てきたけど
考えたらワタシ超わがままを言っている。
片身がそがれるような別れが現実とも思えず、尋常でない精神状態なのだ。
許して下され…

納棺の儀なんて、夫の時にはなかったように思うけれど
みんなが見守る中で肌見せないように労り持ってきれいに着替え顔を整える
納棺師の無駄のない茶道のお手前のような動きに見惚れた。
祭壇に飾られてお経をあげられる焼香をするあのセレモニーより
一番あったかいお見送り場面にも思えた。作り手の思惑にピッタンコハマっている。

誰にでもある生老病死。
必ず誰かのお世話が要る。

介護保険よりう~~んと前に介護の仕事に就こうとしたら
ハローワーク窓口の人に『そんな汚い仕事をしなくても』と止められた。
納棺師と言う職業が忌み嫌われるのを見てそれを思い出した。
助産婦の仕事が尊いありがたい様に納棺師だって重要な仕事だろう?

コメディタッチなシーンとチェロの音色が
親子や死の重苦しいテーマを芳潤なものに変えている。
音楽は宮崎アニメの久石譲。さすが予想を裏切らない。

ただちょっと、広末涼子の妻が甘すぎ幼すぎ。私が単にキライってことだけかも

名脇役の笹野高史さんがもくもくとウォーキングをしたことなど思い
主人公もっくんの父親役で場面は遺体と言う峰岸徹が65歳の若さで最近亡くなったことなど思い
生老病死、生老病死とリズムをつけて歩いて、1時間強の自宅へ道のりは思ったより楽だった。
ここ2日間。ワタシ、健康おたくぽいかも?





最後の初恋

2008-10-08 19:37:32 | 映画(DVD)
何を観ると決めずにレディス・デイの時間つぶし。
おくりびと』と『最後の初恋』とどちらにしようか迷って
リチャード・ギアにふらふらと誘われた。
原作が「君に読む物語」の人だと言うのにも惹かれた。

髪を振り乱して
日常に追いまくられて自分を省みる時間もない中年はちょっと前の自分と重なる。
独り身のさみしい男と女ですこしづつ本音もらし合いながら
切ないセリフがぽろぽろこぼれ出てキュンとする。

  ひとりで食事はしたくない。

  君は誰が支えるの?

支えなど自分以外のつっかえ棒以外にないわ。
つっぱってつっぱってぎりぎりでも踏ん張って、倒れるわけにはいかないのだから。

いまどき
連絡手段は手紙だけ。
触れ合ったのは一夜だけ。

大人のおとぎ話に2時間現実を忘れる。
出来たらハッピーエンドで終わって欲しかった。
終演のドアを出たら「おくりびと」の方がからっと気持ちが晴れたか知らん?と観ない方が良く思えた。
おとぎ話はめでたしめでたしでなくっちゃ。
これか観る人のために結末は書かずにおこう。



崖の上のポニョ

2008-07-24 06:54:24 | 映画(DVD)
観てきました。
昼間の席空き状況を調べたらほぼ満席。
きっと夏休みの子供たちであふれかえっている感じ。
ひとりはかふたりは可愛いけれど集団はちょっと苦手。
むかしむかし保育園につとめていたとは思えない自分。

息子が
また花火大会前のチラシ配りバイトに出て夜遅い帰宅になるから
夕方の上映観ることにした。

休日はうれしいなぁ~と散々動き回ったツケが来て
シートに座ったとたん
上の瞼と下の瞼がくっついてきた。
映画前の何本もの予告が全部子供向け。
ウルトラマンやらなんとか戦士やらパンダやら…
このまま本編中眠ってたらヤバイなぁ~と思ってもシートに身が沈む。

なんでポニョが生まれたか辺りは意識がない。
ソウスケとポニョが出会うあたりからパチっとスイッチが入った。
なんと無邪気な。
海の盛り上がりが透明で意志があって暑い夏向きの清涼感。

ソウスケが通う保育園と
母のリサが働くデイサービスがミケ抜け穴で隣り合っている。
お父さんはコウイチ。小さな船の船長さん。
家は崖の上に立つ。真下が海。
こう言うところに住みたいといっつも思ってるそんな感じの家。

どうも人魚姫が下敷きになっている話らしい。
アンデルセン人魚姫は
足と引き換えに声を失ったり、歩くたびにナイフで刺す激痛が走り
やがて王子が他の人と結婚してしまうので海の泡になってしまうと言う
悲劇だけど、この映画には微塵も暗さがない。

足があるっていいね。走れるっていいね。と
車いすになったデイサービスのおばぁさんたちが言う。
さかなのポニョも足を欲しがった。
この前、車いすの自走がすごく上手な高齢者を受け持っているけれど
昔みたいに足で自由に走り回りたいと言われた。
当たり前みたいに使っている足。大事な足。

そうすけは父母を名前で呼ぶ。
リサとコウイチ。
実は我が家も名前で3歳まで呼んでいたけれど
ババさま方からクレームがあってかぁさん、とうさんになった。
名で呼び合って結婚して子供ができてもお互いを名で呼んでいれば
その子供も名前で呼びはじめるのは自然な流れだと思う。
ポニョでは名前が大事に扱われている感じがした。

ソウスケがちゃんとおばぁちゃんを○○さんと
年配の方への礼儀があるのも感じが良かった。
働くお母さんがそう呼ぶから身についた事に思えた。
ちゃん付けが横行して改まらない我が事業所と大違い。
ウチもヘルパーさんの子が平気で母の仕事が終わるのを待っているけれど
ただゲーム機であそんだりと利用者さんと接している風は見えない。
お母さんの自然な利用者さんへの尊厳を大事にする仕事ぶりから
おさないソウスケにそんな気持ちがちゃんと芽生えているもの良い感じ。

ポニョはうまれぱなしの天然の無邪気さと
あったかな気持ちを持った元気いっぱいの子。
ソウスケは小さくてもきっちり責任感のある子。

人は偏見を持たずに生まれてくるに違いない。

   ポニョが好き。
   魚でも半魚人でも人間でも

ポニョがぷくぷくまんまるおなかの女の子なのも
昔なつかしいちょうちんブルマーっぽいパンツがスカートからはみ出しているのも
健康そものの感じがした。


映画が終わったら客席から小さい手のパチパチが聞こえてきた。
子供っていいなぁ~思わず笑顔になる。
映画館を出る時
やっぱりこのフレーズが頭をめぐってた。

  ♪~ぽーにょ  ぽーにょ  ぽにょ さかなの子~♪

ぽにょ  はひらがなの方が似合う感じ。

『誰でもよかった』殺人が続く今、
なんともほんわりした世界がここにあった。




最高の人生の見つけ方

2008-05-15 05:02:05 | 映画(DVD)
仕事をしている時に
ものすごくうらやましかったレディス・デイの恩恵にまだ預かってなかった。

最高の人生の見つけ方

副題が良かった。
『余命6か月、一生分笑う』
それに惹かれて出かけることに。

まるで違う人生を歩んできた余命6か月のがん患者が同室となる。
皮肉にもひとりはその病院のオーナーで
自説が
『病院はホテルではない。治療のためだから1部屋2人』

普通ではありえない大富豪が車の修理工と相部屋となる。
一代で財をなした大富豪はハチャメチャで品位のない性格で
恋に落ちた女性の妊娠で大学生活を自分の夢を断念し、
46年間家族を守るためだけに働いてきた実直で常識人の男。
彼がわずか通学した大学の哲学の授業で
棺桶に入るまでの人生でやりたいこと、見たいことの
‘棺桶リスト’を書いたことを思い出して
死を待つ病院ベッドでふただびリストを
メモしはじめたところから話は始まる。

もう生きている時間が少ない。
棺桶リストは
金はたんまりある大富豪なら、
動ける体力があれば全部実現可能に見え
ふたりで病院治療を止めて世界旅行へ出てしまう。

金で実現可能な事は終わってしまえば空しいが、
同病相哀れむ以上の友情や家族愛や納まるところへ納まって話は終わる。

大富豪の雇われ人である秘書が
ポーカーフェイスを保ちつつ
ちょっとコミカルでシニカルなセリフを吐く。
この脇役スパイスが効いていた。

死を扱っているのに重苦しさなし。
ユーモアたっぷり、スピードの娯楽性ありで退屈しなかった。

大富豪の金の使い方も
貧民の私には一生実現不可能なワケで痛快。

免疫力には笑いと言う説もあるが、
『おもいっきり笑う』事には相手が居る。
映画なんで
一人で観にいっても充分笑える。

これは『みんなで笑う』に成るのかな?


北辰斜めにさすところ

2008-05-11 06:19:51 | 映画(DVD)
北辰斜めにさすところ 神山征二郎監督  

旧制七校(鹿児島)の寮歌の歌いだしが映画の題名となっている。
舞台は昭和11年入寮から現代へとシンクロしつつ
破帽破衣のバンカラで自由な気風を懐かしみ
また戦争へと駆り立てられた時代背景へと思いが至る。

当時のバンカラについては
ワタシがうんと昔、高校生だった頃
大好きだった北杜夫の↓
どくとるマンボウ青春記 (新潮文庫)
北 杜夫
新潮社

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を思い出しつつ観た。

『天才的な馬鹿になれ 馬鹿の天才なれ』
薩摩武士の流れをくむ七校の理念であるそうな。

破衣破帽やシンプルな思考行動形態はASである息子が
悩まなくて過ごせそうに思えた。
もっとも当時、裕福で優秀な人材しか入学できなかったらしいから
我が家では無縁の可能性が大きいが。

映像からは当時の旧制高校生が
今の同世代の若者の数倍も大人でパワフルに感じれた。
時代的には今よりもうんと窮屈なはずなのに自由なおおらかさがある。
教授が学生に死刑廃止論をどう思うかと
まもなく戦争に突入す時代に問うシーンにも驚く。

要介護高齢者に関わってきて、どんなに体が不自由でも
家をきれいに保つ努力をし、
庭にでさえ野菜を植え育てている人に何人にも出会った。
体を動かす事を厭わない習い性には頭が下がる。

現在、後期高齢者である彼らの我々戦後生まれにない強靭さは
生きてきた時代背景が培ったものかもしれない。
あるいは
文明の進化が人間を退化させているのかも?

また、青春のど真ん中で体験された戦争を
骨身にしみて味わったまま
記憶から消すことの出来ない世代でもある。

南方のジャングル野戦救護所で
偶然にも重症負傷兵と軍医という立場で出会った寮の先輩後輩。
敵の砲弾が迫り負傷兵の先輩を置き去りにした話は実話であると言う。
鹿児島から南方の海を臨んで三國のセリフが耳に残る。

 「この海のむこうに 帰ってこれない者がいっぱいいるんだ」


映画は因縁の五校(熊本)との野球の試合や
孫が100週年記念試合で同じマウンドに立つなどストーリーも面白く
三國連太郎、緒方直人などの名優の出演で最後まで退屈しなかった。

観終わって当分の間
『北辰斜めにさすところ 』のストームのバンカラ歌声が
頭の中を回っていて
玄関で靴を脱ぎながら歌っている自分に苦笑した。

きみに読む物語

2008-04-25 22:26:02 | 映画(DVD)
きみに読む物語 スタンダード・エディション

ハピネット・ピクチャーズ

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友達がシニアなんたらと言う自主映画上映みたいな前売りチケット持っていた。

 800円!
 わぁ!観たい。

と、言うことで身軽な今、暇つぶしに出かけた。
映画が始まって数分後にラストシーンが頭に浮かんできた。
なんの事はない以前に映画館で観ていたのだ。
おそろしい…

認知症の妻に自分たちの恋物語を語って
自分が夫であること、愛し合っていた二人であることを思い出させようと
何度も何度も同じ話を読み聞かせる忍耐の妻を愛してやまない美しいお話。

ストッキングに真珠のネックレス、スーツ姿。化粧にマニキュア。
日本では考えられない介護施設の様子にも驚いた。

しかし、
確か前回はレイトショーで観て、途中寝ており…
今回は日中にも関わらず、
庭いじりや散歩の肉体疲労の後の心地良い睡魔に襲われ…
でも
2回観たんでちゃんと全部話がつながった。
めでたし。めでたし?

全体におだやかなトーンの画面と場内の暗さが睡魔の元かも?
これも老化現象か?

あな、おそろしや。
私には認知症になっても看取ってくれる人がいない。

結婚しようよ

2008-02-03 09:44:16 | 映画(DVD)
昨日の朝刊に映画評が載っていていた。
全編に吉田拓郎の曲が20数曲とある。
もうそれだけでリフレッシュになりそう。

近くのシネコンの上映時間を観たら
今から行けばちょうどOK。
土曜ではあるし、
シニア夫婦割の人が多いのだろうと
ボツイチの身はちょっとためらった。
田舎の事ゆえ、
シネコンでばったり知り合い夫婦に会うことも多い。
「仲がおよろしいこと」
なんて社交辞令を言うのもうっとうしいが、
そんな事言っててはこの地で暮らしていけないんで
ぱぁ~と着替えて出かけた。
観終わって帰ったらやっと起きただろう息子を
カウンセリングと受診に連れてゆくのにちょうど良い時間になる。

映画は
いきなり新小金井駅の路上ライブで
若きミュージシャンが『洛陽』を歌っているシーン。
会社帰りで駅から出てきたサラリーマンにはまり役の三宅祐司が
足を止めて一緒に思わず熱唱からはじまった。
『家族揃って夕食』という家のマイルールを
固辞する頑固なところもあるオヤジと言う設定。
妻と大学生の娘2人と言う平均的4人家族。
家は同じような家が並ぶ新興住宅地一戸建て。
妻は韓国に伝わるパッチワークを趣味とする専業主婦。
絵に描いたような平均家庭像で、
多少親への反抗や反発をしつつも、芯のところで父、母思いと言う
これまた出来過ぎた子供たち。

ラストシーンは
2006つま恋のかぐや姫と拓郎のコンサート会場の
熱狂する中年たちの中に抵抗なく存在する夫婦と言う構図。
そして
一昨年秋の本物ステージの映像。
歌い終わって感激の中にある拓郎のアップ。

発売五分で完売したと言うコンサートチケットは
新婚旅行やりなおしとして娘たちから送られたもの。
どうやって手に入れたの?
何もかも出来過ぎのご都合展開なのと
あまりに中年像がステレオタイプなのには
ちょっとしらけた。

平平凡凡にもいろいろな歴史あり出来事ありと
涙を誘い、パッピイエンドであったかな思いをさせてくれ
なにより懐かしい気分を満喫させてくれたからヨシとしよう。

昨日、封切りで
今朝のテレビではさっそくに映画のワンシーンが
なんとか記念指輪のコマーシャルに使われていた。
『これで夫婦の絆を確かめましょうね』
と安っぽい関連商法。
世の中、こう言う商魂で回っているのか?

まんまとチョコレート屋の陰謀に
乗せられてバレンタインはもうすぐ。

そころで
拓郎は去年晩秋に体調を崩してコンサートツアーが中止になった。
つま恋前にはガンの手術も受けたとか聞いていたけれど
今、現在の体調はどうなのか?
元気な姿がそう遠くないモノだけに気になった。

中高年の明日は本当に見とおしが効かない。
昨夜もガンと告知されたと言う知らせと
ちょっと前までお元気な人の訃報が届いた。
生も死もまた自然なものではあるけれど…



恋空

2007-12-21 08:19:03 | 映画(DVD)
恋空はケイタイ小説から映画になったとか。
主人公が高校生で
おばさん向けではないけれど『家族愛』とも書かれていたし
上映時間がお暇時間にぴったんこ。
本日1000円にも惹かれれてふらふら入館。

げっ!ちょっとかなりストーリー展開が甘い。
画面はほとんどパステルカラー。乙女チック。
甘くて甘くて涙がダダもれ。
泣くことは脳解放してストレスの解消になるとか。
その意味ではよき時間の使い方だったかも。

ガン死の話は私にはダブーだった。
知ってたら絶対観なかった。

主人公の女の子みたいに
不要になったふたり分の結婚指輪をチェーンに通して
時に身につけていたけど
映画を観ちゃったんでこっ恥かしくって
当分、中止。
世の中が忘れるまで引き出しに厳重に仕舞っておこう。

帰ってテレビを付けたら
定期健診なしの飛び込みお産をやっていた。
産褥受診のせず、入院費未払いから産院で生み捨てドロンまでの
安直な妊娠のご時世な特集。

15歳同士で子供をつくんなよ。

『男が守る。女が守られる。』
なんて恋愛法則が
今どきもまかり通っているのはちょっと驚き。
白馬の王子さま願望は今の根強いのかな?
そう言えばなんたら王子が流行っているわ。

男と女。
きっちり自立した関係で
恋愛してお子様はお作り下さいな。
と、おばさんは説教を垂れたくなった。

それからね。
人の死はそんなにキレイキレイじゃないから。
残されて生きてゆくってもっとキレイごとじゃないし。

もう一つ
熟年親の離婚問題が絡めてあったけど
親の気持ちなんか無視した子の身勝手を親に押し付けていたし
母親は家事、父親は仕事ってなんかパターン化していない?
家事をまるで手伝わない家族思いって
そんなの自己愛だけでしょうが





自虐の詩

2007-11-19 06:15:36 | 映画(DVD)
自虐の詩
あのトリックのとぼけた味の上田教授こと安部寛が
おもいっきりちゃぶ台をひっくり返す
パンチパーマの予告を観て気になっていた。

良かったと映画通からメールがきたんで
よっしゃと観に行く気になった。
時間を調べたらもう上映は今週でおしまい。

めがね』を観た数時間後なんで
ぎゃ~ものすごいギャップとスピード感。
向こうがさわやか系なら、こっちはコテコテ。
大阪が舞台になるとなぜこう色濃くこっけい味が増すんだろう。

主人公サチエの東北のあったか系お里言葉と
オチが入る大阪弁と東京言葉と
セリフの使い分けがなかなか良かった。
原作が漫画と言うことで、劇画チックな撮り方も
観る側を捉えて離さない。

「しあわせになりてぇ~」と思う不幸のどん底みたいな日々から
しあわせの基準もふしあわせの基準もどうでもいいわと思える
ラストシーンが海だった。
どこの海だろう?
遠浅で少し寒々としてしている。
日本海か?
ほんと海の前では人間の幸、不幸なんてゴミカスに見える。

しっかり波瀾万丈楽しんで
ちょっぴり目に涙で胸を熱くさせて館内を後にする。
ばっちり料金が惜しくない感じの映画だった。

こう言うのが明日への活力になるって感じかな?
私は2時間の現実逃避に
近場の映画館へ足を運んでいるようなところが
ないこともないこともない…



めがね

2007-11-19 05:31:33 | 映画(DVD)
めがねがようやく田舎の我が町で封切りになった。
荻上直子 (オギガミナオコ)監督脚本の前作かもめ食堂が良かったから期待して待っていた。
キャストも小林聡美 、もたいまさことおんなじ。

場所はゆったりした南の島で日本に移っているけれど
フィンランドが舞台のかもめ食堂と同じく
『食』がその人に人間性を取り戻させると言うコンセプトは同じっぽかった。

『たそがれている』『たそかれ方の才能』『たそがれ方がうまい』
と言うせりふがやたら出てきた。

『たそがれる』を広辞苑で引いてみると

  夕方になる。
  たそがれを動詞化したもの

では『たそがれ』は?

  比喩的に、物事が終わりに近づき、衰えの見える頃

映画では
ものごとにとらわれないで
時間にとらわれないで
それが有機的であるか否かすらも問わないで
自分の思いに正直な自由な時の過ごし方を言っているようだった。

途中で睡魔に襲われるくらいゆるゆると気持ちがほどけたのは
映画の『たそがれる』に触発されてのことか?

ロケ場所はヨロン島だったらしい。
海の澄み方はたった1度出かけたことのある沖縄の色に似ていた。

ゆるゆる系の女性の衣装は良い感じだった。
ゆったりスカートにスニーカーだったり
これ欲しいなぁと思わせるバックだったり。
力の入らない風ファッションは私好み。

もたいまさこさんが演じるさくらさんの
丸襟の木綿か麻っぽいワンピースに
ちょっと凝ったレースの換え襟などにくい。

のんびり系の犬、ヤギ、ちょっとだけど三毛猫も登場した。
夏になる前の涼しい海辺のデッキチェアーで
日がな一日、編み物をするなど
やってみたい私の気持ちが覗きこまれたような。

しかし後はとるところなし。

かもめ食堂の二番煎じの感じが濃く
はっきりしたストーリー展開がなく
ただ美しくゆるやかで
途中で数度、寝てしまった。

きっと良さが分からないワタシは
『たそがれ』下手なんだろう。
あくせく生きてますもの。




ALWAYS続・三丁目の夕日

2007-11-10 11:41:20 | 映画(DVD)
観客にはシニア夫婦割引のカップルも目立っていて
なんだかレイトショー割引を狙って
会社でのむしゃくしゃも晴らしたい思いで
夜更けのシネマ館へひとり向かって
夫婦割より200円多めに払ったのにも
むかっ腹が立ち入館。

ALWAYS続・三丁目の夕日はいきなりゴジラ出現から始まった。
朝、『君の名は』でも有名な当時の高速道路が上を通らない数寄屋橋を
どう撮っているかと言う裏話をTVで見ていたから
特撮の苦労など推測しながら、
むかしのゴジラよりもうんとリアルなゴジラ襲撃場面を楽しめた。
貧乏な売れない茶川さんの小説の中の話だったのねって
なぞとき場面から
3丁目のあたたかな人情劇へと誘われた。

  人と人との利害を超えた、ほんとうに人らしい交流
  野放しな猫、犬、子供たちが居る風景
  大人も子供も働くことが当たり前な生活

あれから50年どこを切っても残っていない事ばかり。
あったかい話に
これが人の暮らしだよと意を強くする。

拝金まみれの自分本位の
人としての大事な部分がかけらも感じられない会社に
退職願いを出して
なお、退職までの
今の自分をとりまく環境にムカついている自分がここに居る。

映画のあったかなラストに涙を流しつつの
『くそくらえ!』と
今を
かっ飛ばしたような
蹴っ飛ばしたような
痛快さが映画館を出る胸にみちみちていた。
1200円が惜しくない。

そう言えば映画に出てきた
あの薄緑色の背の低い扇風機は
亡夫が宝物にみたいにして
何軒も引っ越しをして捨てなかった扇風機と同じだった。
椅子の生活になじまない低さなのでワゴンに乗っけて使っていた。
電気コードに夫が足をひっかけて自ら壊してゴミとなった。

それからまなしに夫は病院へ入り帰ることなく昇天。
扇風機と夫の命となんだか同じだったように思った過去があった。

昭和33年が前作で今回は34年の設定。
亡夫は昭和21年生まれだったから、
ベイゴマや水汲みの手伝いや
彼の口から聞いた生活が目に浮かぶようで
一緒に観たかったなと言う思いがしきり。


前作を見てないけどレンタルしてみよっと。

ヒトラー~最期の12日間~

2007-10-21 07:42:07 | 映画(DVD)
ヒトラー~最期の12日間~スタンダード・エディション

日活

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息子と並んで3時間。最後まで観た。
テレビはドラマでも映画でも大抵、途中でうたたねモードとなり
中盤が記憶から消えていることが多いが
珍しく完全におめめぱっちり。
寒かった所為かな?
途中からエアコンの存在に気がついて、この秋初めて暖房をつけた。
画面のベルリンの早春はもっと寒そうに見えた。

ヒットラー56歳。ヒットラー役が実によく似ている。
だんだん戦局が悪くなると猫背が一段と丸まって自信なさげな様子がうまい。
追い詰められた地下宮廷で、
最後まで自分のことしか考えていない小心者の姿は実像だったのだろうか?
このわがまま者に忠誠を誓ったことにがんじがらめで最後を迎える側近たちの
それぞれの心の揺れと行動の現れ方の違いも興味深かった。
また、日本の場合と対比しながらも見入った。

ヒットラーの口から出た言葉に盲従して
死んでいった膨大な人の数に唖然とする。
どうやって人心を引きつけたのか
どうやって大きな権力になっていった?

権力に盲従して
自分自身のなくなる人たちは
これだけの国家権力ではないにしろ
小さなことなら身の回りに転がっている。

最近も宗教団体の集団暴行があった。
ここまで特異なことではなくても、
『長いものには巻かれろ』
『郷に入っては郷に従え』
そこらにあるある。自分で考えない姿が。

崩壊寸前の極限状態になって人を魅了していた
ヒットラーの像の虚構性がよく出ていた。
実際は軟弱な小心者だったのかも?

自死を決めてから長年の愛人とわざわざ結婚をする。
やさしげに見えてひとりで死ぬことすらできない弱い自己中心性が露見している。
遺体は晒しものにされないように焼けと
幾万人の人の死を招いている事態収拾より、自分の心配だけをしている。

それでも
逆らえない権力の人となったら権力の人なのだ。
戦力の壊滅状態すら信じない大きな判断ミスの指摘すらできない。
言えないことがどんどん事態を悪化させ、多くの人を殺した。

権力が大きければ大きいほど
『ダメじゃん』と思っても言えない
こう言うことってあるよなぁ~と。

こんな歴史上の大惨事も
日常瑣末な事柄の
只のでっかいバージョンでしかない事に
背筋が寒くなった。



マラソン

2007-09-19 08:31:37 | 映画(DVD)
マラソン

アミューズソフトエンタテインメント

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韓国映画の日本版テレビドラマが明日21時からあるらしい。
ちらと予告が流れたけど放送局は民放だった。

映画の方は母親の愛から出た行動が
方向指示や押し付けへと知らず知らず流れていた辺り
パターン踏襲で落ち着いたり習得したりする
自閉症児の教育、しつけの陥りやすい難点をうまく取り上げている感じがした。

何のしつけも実らなかった我が家の場合
日常生活習慣をあれだけ身につけさせた母親の強い意志の方へも関心が向いた。

何の障害があっても
子供であっても
人としての尊厳を大切にと
言葉としてはたやすいけれど実践には
難しさや矛盾が常に背中合わせに存在している。

映画の方はハッピーエンドで感動モノだった。
日本版テレビドラマはどんな風に仕上がっているんだろう?
息子の様子次第でテレビが観れたら観よう。

中学校の時、長距離選手だった息子は
テレビのマラソン画面を
あんなに苦しい競技をしている人を見たい気がしれないとか言って毛嫌いする。
さらに、
自閉症には過敏反応で私がその手の番組を見る事を嫌うのだ。