![]() | 本当のうそ石田 衣良 他講談社このアイテムの詳細を見る |
佐野洋子のエッセイに出てきた
「清濁飲み合わせて嘘も方便」と子供に教える母の存在に目からうろこ。
あれから嘘の文字に思わず目が釘付けになる。
本書は12人のほぼ1960年代生まれの作家のショートショート。
一番初めの石田 衣良「アイスドール」に
なんだか息子ぽいかんじの絶世の美女が登場。
「近寄るな。アイツは地雷だ。」
などと忠告をうけつつ惹かれていく。
美女が自ら人の感情が読めないアスペルガーだと明かすあたりで
なぁ~~んだ。やっぱりね。
こういう小説に出てくるほどメジャーに近づいているのかと喜ばしい。
女は美しいだけで男性と関係が持てる。
世のアスペルガーの大半は男。
あの手の男とつきあう気になる女性となると、
私も一応女なんで、むつかしかろうと想像はかたくない。
『思っていることを口に出す』ことが関係上手く保つコツではある。
恋の燃え盛ってぼぉ~としてる脳内麻薬状態が切れた時、
感情の分からないアイスドールと関係はどうなるんだろう?
アスペルガーと暮らすのは血を分けた母でも至難の業ですじゃ
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最後の嘘話は甘糟りり子の「赤と透明」
ネイルサロンやワインと道具立てがおしゃれで月並みで優しい嘘だった。
12篇の嘘の大半は男と女の間でつかれていた。
言わないことが最大の嘘ってことがおうおうにしてあるワケで嘘は奥深い。
この本はネット配信‘timebook town‘で掲載された作品の単行本化された物だそう。