そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) 価格:¥ 714(税込) 発売日:2003-10 |
ヒキをつくるほどの話題じゃないが、長くなりそうだったので2回に分けた。(また、続いたりして……)
仲良くなったきかけが何だったかは、今となっては思い出せないが、中学でミステリー好きの友達と出会った。
ミステリー好き、というか、彼女はアガサ・クリスティーが好きで、ホームズが好きで、マザー・グースが好きで、不思議の国のアリスが好きだった。
英国愛好家(アングロファイル)というのだろうか、今から思えばかなり渋い中学生だった。
彼女が最初に貸してくれたクリスティー作品はパーカー・パインの事件簿(これもシブい)だったように思うが、そのあとはやっぱりポアロだった。
『ヘラクレスの冒険』だったかな、(タイトル違うかも)ポアロものの短編集も貸してくれて、注釈などをノートにメモったのが懐かしい思い出。(ポアロのファーストネーム、エルキュールは、ヘラクレスのフランス語読みなのだ)
私もマザーグースが好きだったし、童謡見立て殺人というのは少女心をくすぐるもので(?)中学の時の一番のお気に入り作品はこの『そして誰もいなくなった』だった。
ロマンスありの映画版もいいけど、徹底して苦い原作がやはりいい。
それに、旅情あり、詩の引用あり、マフィンやホットチョコレートなどの美味しそうな食べ物ありのクリスティー作品は、少女の友にふさわしいものだった。
が、高校、そして専門学校と時が移り過ぎるうち、私のミステリー観にも結構な変化が訪れてしまうのである。
(やっぱりつづく)