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八日目の蝉 価格:¥ 1,680(税込) 発売日:2007-03 |
以前から読みたいと思っていたのですが、ちょっとしたきっかけがあって思いきって買いました。
(もう私の部屋は本が飽和状態で樹海と化しているので、買っても文庫本で、単行本はよほど装丁が気に入らない限り買わないので)
不倫相手の子どもを誘拐した女の逃亡劇、と一口で言ってしまえるほどストーリーはシンプルですが、まさにノンストップという感じで、次々に変化する展開に、あっという間に引き込まれます。
導入部、三人称の0章、逃亡者の女の一人称で描かれる1章、大きく物語が変化する2章と、後になるほどストーリーは盛り上がって、そして最後は実に、気持ちよく着地するのです。
前半は犯罪者の逃亡劇ですし、恐ろしい、といってもいいような展開で、正直残酷な終わり方をするのではないか、と思ったのですが、物語の収束の仕方に、私はとても満足しました。
最後まで読み終わったら、もう一度、0章を読み返すことをお勧めします。
リフレインする1行の言葉が、いっそう心に沁みてくるように思うのです。
この小説、タイトルが印象的だったので、ちょっと心に引っかかってはいたのですが…新聞の内容紹介を読んで、暗めの話かな?と、ちょっと食指が動かなかったのでした。
何がしか救いのある話であるのなら…このタイトルにも、深い意味付けがなされているのでしょうね[E:confident]
お借りした「美人画報」拝読してます。やはり、現状維持を望むなら、色々な情報を仕入れて、なおかつ選択するタフさが必要なんだな、と[E:coldsweats01]
少なくとも、はしょる事ばかり考えてちゃ、ダメなのねん[E:coldsweats01]
タイトルの意味は、最終章で、緩やかに解ってきます。
ところで、私もはしょりっぱなしです。
でも、“現状維持”っていうのは、すごく共感しました。
多くは望まない……。でも、それはそれで、努力は必要なのだった[E:bearing]