日記も気ままに

JULIEというフィクション、澤田研二というノンフィクション。
フィクションには裏打ちされたノンフィクションがある。

水上勉 「ブンナよ、木からおりてこい」

2021-12-28 | 【ま】行
昭和55年2月10日発行
昭和56年10月20日第14刷
装幀・挿絵:山高登
発行所:三蛙房
「土を喰らう十二カ月」が来年秋の公開。


ライブ続行中の公開なのか、一段落しての公開なのか。 どちらにしても、楽しみ~

水上勉さんというワードで、最初に思い出したのは「ブンナ」と「竹紙」でした。
「竹紙」は幼なじみの画家が、「竹紙」などの自然素材に影響を受けています。
「ブンナ」は、もう、25年以上前かな、、内容はほとんど憶えていないけど、お芝居でした。
どちらの劇団だったのか忘却です。数年前に「青年座」さんが公演されていたようですが。
あっ、「青年座」さんと言えば、マキノさんの作品もありますね。
で、本は読んでないし内容もあやふやなので、読んでみることに。


          
          
「空を飛べたら広い世界が見える」と、鳥に憧れるトノサマガエルのブンナ。
跳躍は、沼に住んでいる土ガエル達には負けないし、木登りが好きで、高いところから仲間に危険を知らせることもできる。
そんなときには、自分が少し偉くなったような気がする。

そんなブンナが、仲間の土ガエルたちの心配をよそに、高い椎の木のてっぺんへ冒険に行くことに。
てっぺんは広場のようになっていて、もぐり込める土もあり、
一夜だけ過ごして素晴らしい眺めをみんなに自慢するつもりだったのが。
目を覚ますと獰猛な鳶が!

ここからが大変!! 
鳶も長い冬を越すために十分な餌が必要です。
ここは、鳶が冬を越すために捕まえた獲物を一時保管するところで、
雀、百舌鳥、鼠、へび、牛がえる、つぐみが、次々と連れてこられては、鳶のねぐらへ連れていかれる。
ブンナにとっては、捕まったもの達も危険ないきもの。
捕まったいきもの同士の会話。
なかなかに、ハラハラします。

そして、とうとう、土の中から出られずに冬眠。
やがて春が来て、無事に仲間のところへ帰ることができるのだけど、
そのシーンが、とても活き活きしていました。
そして、どうして、ブンナが長い冬を越すことができたのか…… ここですねえ。

生きるもの達の物語でした。

          
          
久々の児童文学。
一気読みでした。
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