日記も気ままに

JULIEというフィクション、澤田研二というノンフィクション。
フィクションには裏打ちされたノンフィクションがある。

宮部みゆき「桜ほうさら」

2016-02-29 | 【ま】行
2013年3月11日 第1版第1刷発行 PHP研究所
装幀:川上成夫  装画挿絵:三木謙次 題字:塚本祐子 本文デザイン:CGS 


上総搗根藩の小納戸役勤めの古橋宗左右衛門の次男古橋笙之介が、
濡れ衣をきせらて自害した父の汚名を晴らそうと
江戸で仇を見つけ出すまでの物語。

ことがおきて、笙之介は、学んでいた藩校・月祥館の佐伯嘉門之助老師の書生となり、
そこで、下働きのことを教えてくれた下女のそえに、「ささらほうさら」という言葉も教えてもらう。


第1話「富勘長屋」・・・写本作りを仕事にして笙之介がこの長屋に住むことになった経緯と
住人たちとのほのぼのとした生活ぶりと和香との出会い。

第2話「三八野愛業録」・・・奥州三八野藩で御用掛を務めていた長堀金吾郎は
笙之介と同姓同名の人物を探している。
その長堀から奥州でおきた未曾有の飢饉の様子とその手だてを記した本をもらうことになるが、
これがのちのち笙之介の生きがいとなる。
266~268あたりの長堀さんの言葉
「商売を替えても、商人の志に曇りがなければ・・・」が、とても良かったな、、。

第3話「拐かし」・・・三河屋の娘お吉は、母親のしつけの厳しさに耐えかねていたところへ
本当の母親が現れたことや悪い義兄の企みなどもあって家出をした。
刃物沙汰もあり義兄の本性が解ったことや母親に対して同じような思いを持っている和香の言葉を聞き、
お吉は、ちゃんともとにもどるのだけれど、、
そのことがきっかけで、笙之介は、貸本屋の治兵衛の過去を知ってしまうことになる。

第4話「桜ほうさら」・・・いよいよ佳境に入る。
古橋宗左右衛門の手跡を真似て、またそれを利用して、私腹を肥やしていた者の正体が暴かれていくのと同時に、
笙之介が、、えっ!?っと驚くどんでん返しの連続。
結局、どうにも古橋家は断絶しちゃうんですが、、、。


手跡というのが物語のアイテムで、お吉を探し出すてがかりにもなった。
印刷機がなかった時代なので写本という仕事があったんやねぇ。
コピペとは違います。
ココロを込めて書いた文字は、下手でも綺麗に見える。らしい、、、
そういえば、某同人にいたときに出会った男性は、達筆とはいえないのに
とても読みやすい字を書く方だったわ。

気の良い長屋の人達にも、武士の家に生まれた古橋家の兄弟にも
東谷様にもそして、大きなお店のお嬢様にもそれぞれなことがあって、、

ささらほうさら (いろいろ大変な思いをしたねぇ、、)

なんやねぇ、、。
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