日記も気ままに

JULIEというフィクション、澤田研二というノンフィクション。
フィクションには裏打ちされたノンフィクションがある。

万城目学「とっぴんぱらりの風太郎」

2016-02-02 | 【ま】行
2013年9月30日 第Ⅰ刷発行 文藝春秋


しばらくぶりの、746ページ長編でしたが、
読み始めるとほぼ一気読みでした。


時代は、豊臣から徳川にとって代わろうとする頃
主人公は 忍びのもの 風太郎

それが、とっぴんぱらり
だと書いてあれば、ちょっと軽い感じの物語かと思いきや
戦乱の場面が 私にはなかなかハードで、、

やっぱり、、理不尽な死があるからねぇ、、

まあ、、風太郎一人称で物語が進んでいくので、
彼はどうにか生き残るんだろうな、、
と、気持をなぐさめつつ
ハードなところは、ちょっと休憩を入れながら、、


主人公の風太郎は、切れ者の忍者ではなくて、
どちらかと言えば劣等生。

伊賀の柘植屋敷を追い出されるが、、
また戻れるのではないかとココロのどこかで期待しながら京で暮らしている。

そんなとき、
ひょんなことから、
ひょうたんを育てることになり
ひょうたんなおじいちゃん因心居士に出会い
ひさご様やねね様とも出会い
ひょうたんの片割れ果心居士を
まさになんの因果か
末期の大阪城で探すはめになり
あげくのはてに
ひさご様の子を
火の粉が舞い強敵のいる大阪城から助け出す。

という重責を担ってしまう。


おおっ、これが「プリンセス トヨトミ」に繋がるのかぁ~
とつぶやく私。


同じ柘植屋敷にいた、蝉、黒弓、百市、常世、
それから、ひょうたん屋の芥下、
加えて強敵なる残菊達。

風太郎がそれぞれの中の悲しみを捉えながら
ココロを通わせていくようすがうまく織り込まれて、
結末はせつないけれど、、暖かさもじんわり残る物語でした。
コメント    この記事についてブログを書く
« 女神 | トップ | 福をおすそわけ~(^。^)y-.。o○ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

【ま】行」カテゴリの最新記事