上の絵はBC3500―AD500の期間ローズウォーターを生産していた地域です。アナトリア、トルコ、イラン、モロッコ、アルジェリア、リビア、アリーガル、ガジプル、カナウジ、ペルシャでローズウォーターを作っていました。(モロッコ、インド、アルジェリア、リビアは地図上に入っていません)この上の地域を3つの薔薇の自生地に重ねたのが次の絵です。
R. x damascenaの自生地から、赤で示したローズウォーターを生産していた地域へと薔薇が移動したのです。遅くともAD500年には薔薇の移動が終わっていたことになります。
3つの重なり合った地域(上の絵で示した)は、起点がAmu-Daryaの流域内にあることがわかります。アムダリヤは、古代ローマ人が名付けていたトランスオクシアナ(the Transoxiana of Alexander the Great)であり、古ラテン語とギリシャ語で言うところのオクサス川(the River Oxus)のことです。
前にも述べましたが、トランスオクシアナとは実際にはアムダリヤとシルダリヤの間の地域を指し、ウズベキスタンの中央部を占めるエリアです。
約1,385,000平方キロメートルのこの領域は、アムダリヤがトゥラン低地に注ぎ込む一帯です。流域には、タジキスタン、キルギスタンの南西隅、アフガニスタンの北東隅、東トルクメニスタンの長く狭い部分、ウズベキスタンの約半分が含まれます。
水の約61%はタジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタンにあり、39%はアフガニスタンに流れ込んでいます。
アムダリヤを流れる大量の水は、パミール山脈と天山の氷河由来のものであり、大気中の水分を集め、周囲の乾燥した平野を潤しています。川は、この乾燥した厳しい地域で唯一の肥沃化をもたらす源です。雨がほとんど降らない、年間降水量が300ミリメートル未満のアムダリヤの低地は、山の水源がなければ不毛の地となってしまいます。
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