「ケネルンがディグビィを殺した」と言うからには、明白な証拠を示さねばなりません。実は彼は料理書も書いているのです。料理書からその証拠を引っ張り出してみようと思います。
出版したのは、彼の屋敷で働いていた執事とその息子です。戸棚の中にあった料理に関するメモを、彼の死後発見して、本にしたのです。出版までに数年経っているのは、本を出版するだけのお金を案出するのに時間がかかったからです。是非とも世に出さねばと思って本にしたようです。
「ディグビィ卿の戸棚が開いた;THE CLOSET OF SIR KENELM DIGBY KNIGHT OPENED」という表題がついています。
この中から2レシピ無作為に選び出しました。このレシピと同じもしくは、よく似たレシピを同時代の料理人のレシピと比較するつもりです。なぜかというと、いかにディグビィの料理に関する知識が優れているかを示したいからです。料理人の名前はロバート・メイ。料理書の名は;「 料理の技術と奥義;The Accomplisyt Cook, or The Art & Mystery of Cookery 」です。彼は料理書の緒言の中に、かって料理人として働いていた貴族たちの名前を書いています。その中にケネルン・ディグビィの名もあるのです。さあ、どちらの料理の腕前が上?なのか、見るのが楽しみです。
The Closet of Sir Kenelm Digby Knight Opened
by Kenelm Digby 1669
絵の下には ”ウインザー城にあったヴァン・ダイクのコレクションの中から取った” と書かれています。
ところで料理書の、この肖像画はまだご紹介していませんでしたよねえ。
つづく。
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