フェタチーズ ( Feta )
フェタチーズを作ろうと思ったので少し調べてみました。Wikipedia と下記のサイトを参考にさせていただきました。
フェタチーズ ( フェタ ) はギリシャの代表的なチーズで、白色でねっとりしています。食塩水の中で熟成するので塩味がきつく、食べるときに塩抜きをする必要があります。しかし、他のチーズとちがって、「食べ頃」期間が長く重宝するチーズです。フェタが最初に文献にあがるのはビザンティン帝国時代に書かれた ( Poem on Medicine 1209 ) の中で、prósphatos ( Greek: πρόσφατος, "recent" or "fresh" ) の名でクレタ島、アルーマニアで作られていたようです。
最初はアメリカのレシピから、サイトの主は http://www.ucclermont.edu/academics/academic-departments/science-health/s-h-faculty/DFankhauser.html で
https://fankhauserblog.wordpress.com/tag/bacteria/ から引用させていただきました。なかなかの力作です。レンネットの作り方なども入っています。
材料:
山羊のミルク 3.8 L
ヨーグルト 1 TBS
レンネット1/2 tablet+水1/4 cup
方法:
1. ミルク3.8 L を30℃ に温める。
2. ヨーグルトを1 TBS 入れてよく混ぜる。蓋をして室温で1時間静置する。
冷たい塩素のない水に錠剤 ( レンネット ) を溶かす。
3. レンネットを混ぜる。
4. レンネットを入れたミルクを室温で一晩静置する。
5.翌朝、ミルクがゲル化してホエイが一部分分離しているのを確かめる。
6. 鍋の縁にナイフを入れてカードを鍋の底まで切る。 1.3 cm 間隔で平行にナイフを入れる。これと 90° の角度でナイフを入れて1.3 cm の立方体に切る。又はスライスする。
7. きれいな手を鍋の底まで入れて優しく混ぜる。大きなピースがあればナイフで1.3 cm の立方体に切る。10-15分間静置してカードが収縮するように時々混ぜる。
8. ストレイナーに布を敷いてホエイを漉す。カードを布の中に入れて保存する。
9. ホエイが出なくなるまで布の中に入れて ( 約2-4時間 ) 水気を切る。室温又は冷蔵庫の中で水気を切る。
10. 水気を切ったカードをボールの中に入れる。塩を1/2 ts 混ぜる。
11. チーズを型に入れる。布を敷いてその中にチーズを押し込む。布でくるんで重しをして一晩寝かせる。
12. 12.5 %の塩水を作る。ホエイ560 g に塩75 mlを入れて溶かす。塩水が酸性でないとチーズが溶けるので、蓋をして一晩おく。
13. チーズを4.2 cm の大きさに切って広口の瓶に入れる。塩水を注ぎ入れて蓋をする。4-5日間冷蔵庫に入れるとチーズが硬くなる。
14. 冷蔵庫に保管して、使う前には塩抜きをする。
次はギリシャのサイト http://www.sheblogs.eu/ftiaxno-tyri-feta/ から引用しました。
フェタチーズを作るには羊の乳を70%、山羊の乳を30%用意します。ギリシャのフェタチーズを作るにはどちらか一方だけでは作れません。
材料:
ミルク 2 L
レンネット
塩
毛などが入らないようにチーズクロスでミルクを漉してから鍋に入れる。
ミルクを90℃ で殺菌する。
ミルクを38℃ に冷まして、レンネットをスプーンの先にのる量を、塩 1 tsを少量の水に溶かして混ぜる。
ミルクに注いで全体に行き渡るようによく混ぜる。
40分間静置する。短く切ってホエイを出す。(鍋を少し傾けるとホエイが出ているのが見える)
濃い塊になるように混ぜて、底に沈めておく。
チーズクロスをボールの中に広げてチーズを注ぎ入れる。チーズの入ったチーズクロスを吊るしてその下に水盤を置いてホエイを受ける。
4-5時間静置してからチーズクロスを取ってボールに入れる。更に荒塩を周りに振って4-5時間水分を取る。
保存するにはボールの中に入れて荒塩とホエイで作った塩水の中に入れる。長期乾保存する時は塩の中に入れて大理石で重石をする。
再びギリシャのサイト http://kthnotrofia.pblogs.gr/ftiahnw-tyri-feta-kai-myzhthra.html から、(上と重複する部分は、一部分省略しました。)
羊のミルクは脂肪分が多く、柔らかいチーズになり、山羊のミルクを入れると固くなるのでそれぞれのミルクを7 : 3で入れる。最初にミルクを布で濾して異物を取り除く。鍋に入れて65℃に加熱して滅菌をする。ミルクの出所が不明の時には90℃で加熱する。
65℃になったら火を止めて35℃まで冷ます。レンネットを塩素のない水に溶かしてミルクの中に溶かす。
まんべんなく混ぜたら45分間静置して固まるのを待つ。固まるまでかき混ぜてはいけない。
水気を切るために小さな穴の開いた特別の入れ物に入れる。さめたら塩を少しずつ加える。塩をする作業は5-7日間、水気がしっかりと抜けて硬くなるまで続ける。
最後にチーズを樽に詰めて塩水をチーズがかぶるまで入れて熟成を待つ。7%の塩水を用意して、香り付けにローズマリー又はセイヴォリィの若枝を入れる。冷所に保管する。通常3ヶ月間保存するが、それよりも早く出して、若いチーズを楽しむこともできる。
3つのレシピを比べて異なる点を抜き出すと;
1 レンネットを入れる時のミルクの温度です。レシピの上から順に、30℃、38℃、35℃となっています。
2 レンネットを入れてその後ミルクを寝かせておく時間です。一晩、40分、45分。
3 塩をするタイミングと量です。水気を切ったカードの中に入れる方法、塩をまぶす方法の二通りがありました。
山羊と羊の乳は汚染されているか、いないかは大切なことです。チーズを作る工程は常に細菌が増殖する好環境だからです。汚染の可能性のあるミルクは速やかに処理をする必要があります。完全に滅菌されたミルクはレンネットを入れた後ゆっくりと反応をさせることができます。山羊や羊のミルクの代わりに低温殺菌牛乳を使うのであれば一晩寝かせても問題はありません。塩を全体にまぶす必要もないでしょう。ほんの少し( 1/2 ts ) の塩をカードの中に入れる方法も可能です。
ホエイで作った食塩水は汚染の可能性が高いので食塩濃度と保存場所に注意する必要がありそうです。
下にたばこ塩産業 塩事業版 1997.10.25 のサイト
; http://www.geocities.jp/t_hashimotoodawara/salt6/salt6-97-10.html から
引用させて頂いた水分活性値と食品の表をあげておきます。生ものを扱うときは食塩、砂糖には細菌の増殖を止める効果はあっても殺菌効果がないことに常に気を配るべきでしょう。好塩菌は塩の中で増殖はしないものの生き続けているからです。
食塩と砂糖溶液の水分活性値と食品 |
|
||
水分活性値 |
食塩 (%) |
砂糖 (%) |
食 品 |
1.00~0.95 |
0~8 |
0~44 |
新鮮肉、果実、野菜、シロップ漬けの缶詰果実、塩漬けの缶詰野菜、フランクフルトソーセージ、マーガリン、バター、低食塩ベーコン |
0.95~0.90 |
8~14 |
44~59 |
プロセスチーズ、パン類、生ハム、ドライソーセージ、高食塩ベーコン、濃縮オレンジジュース |
0.90~0.80 |
14~19 |
59~飽和 |
熟成チェダーチーズ、加糖練乳、ジャム、砂糖漬け果実の皮、マーガリン |
0.80~0.70 |
19~飽和 |
糖蜜、高濃度の塩蔵魚 |
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