あと一つケネルンのレシピをご紹介します。
卵を入れたお茶;TEA WITH EGGS
ジェスート( Jesuite ) が1664年に中国から伝えたものをウオーラー氏が語ったもので中国では次の方法で作る。卵黄2個と砂糖をよく混ぜてお茶の中に注ぎ入れる。よく混ぜて熱いうちに飲む。
外から仕事を終えて帰って来た時や非常にお腹の空いたときに、食事がすぐに摂れないときに間に合う。空っぽの胃袋に満足感を与え、体中の血管内に力がみなぎる、そして食べるまでの間しばらく保存することができる。
卵の効果を発見したウオーラー氏から聞いた話によると、熱湯にお茶を入れてそのままにしておくと, ミゼレーレ※をゆっくりと唱える間にそのハーブの土の成分が抽出される。それを砂糖または砂糖と卵に注ぐとお茶の霊的な、浸透性、親和性のある自然な成分を得ることができる。水1パイントに対して1オンスのお茶を入れると3杯できる。
※ 時間を表現する中世からの表記方法です。ミゼレーレ(羅: Miserere、神よ、我を憐れみたまえ)は、イタリアの作曲家グレゴリオ・アレグリが旧約聖書詩篇第51篇をもとに作曲した作品で、1630年代に作曲されました。
お茶が初めてイングランドに入ったのは1615年に、東インド会社のリチャード・ウイックハム ( Richard Wickham ) がマカオに最上級のお茶を一壺注文した旨の手紙が残っているのが最初の記録です。
貿易商,旅行者のPeter Mundy (1600 – 1667)は旅行記Itinerarium Mundi の中で1637年に茶を福建で味わったと記録していますし、1657年にはロンドンのチェンジ・アリーのコーヒーハウスでお茶が出されました。コーヒー、チョコレート等teeと呼ばれて街通り毎に売られていました。お茶は上流階級、商人階級の人達が好んで飲んでいたようです。下の絵はアタナシウス・キルヒャー(Athanasii Kircheri“, 5/2/1601-11/27/1680, 17世紀のドイツ出身の学者、イエズス会司祭。東洋研究、地質学、医学で業績を残した)が描いたお茶の木。
China Monumentis, qua sacris qua profanis, 1667. Tea Plant.
アタナシウス・キルヒャーの絵はこの時代を反映しています。不安と進歩を抱えながら前を向って歩を進める人間の姿が見えます。数枚引用しておきます。興味のある方は
https://books.google.co.jp/books/about/Athanasii_Kircheri_China_monumentis.html?id=-VKNZ4SAXqYC&redir_esc=y で見ることができます。
つづく。
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