どこにいても音楽がなっていないと我慢できない時代があった。
そんな時代を経て、刷り込まれた音楽の好みが限りなく限定されてしまうと、ニュージェネレーションの音楽を聴いても反応しない。単なる好き嫌いかもしれないが、ラップと呼ばれる言葉を詰め込んでしまう種類の音は受け付けない自分がいた。
ところが、コカコーラのCMを聴いて、みつけたバンドの曲にハンマーで頭を横殴りにされた。それが、ゲスの極み乙女の『私以外私じゃないの」だ。
ゲスの極み乙女。 - 私以外私じゃないの
詞、メロディ、アレンジ、すべてがジャットコースター。詩の内容は一度聞いただけでは理解できない。現代を生きる女性の嘆きと夢。哲学を感じる。曲の構成も、間奏に入るフィルインもジャジーでシュール。ギター担当で、ほとんどの作詞作曲を手がけている川谷絵音(かわたにえのん)、ただ者ではない。
ああ・・。
ゲスの極み乙女。 - デジタルモグラ
従来、この種の音楽は音楽的に美しさがなかったり、ゲテモノ趣味なキワモノが多かった。が、このバンドはジャズ、フュージョン・ロックなどの要素、確かな音楽理論に基づいた音作りをしている。4リズム(ギター・ドラム・ベース・キーボード)だけでは、スカスカになりやすいはずなのに、隙間がなく飽きさせない。おまけに、リズム感、スピード感がすごい。彼らは自らを、ヒップホッププログレバンドと称しているが、プラスジャジーだと思うのは私だけではないはず。
ゲスの極み乙女。"ぶらっくパレード" (Official Music Video)
すごいバンドが出てきた。彼らの今後の活躍にワクワクするのだ。
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高感度のアンテナをお持ちのお友達がおられて、素晴らしいことです。言葉遊びだけではない深い歌詞に、驚きますね。一音、一音に、何文字かの歌詞が詰め込まれることには慣れましたが、現代の空気感をアイロニーを込めて紡ぐ詩的感覚にシビれました。
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