トラップリピートイフダン(通称トラリピ)は、某業者の独占状態にありますが、そのスプレッドや手数料を考えると、とても利用し難い環境になっています。それでも、顧客にアピールできる実績があるということは、このトラリピなる手法がそれなりの有効な取引戦術であることを、逆に証明しているのではないでしょうか。
このトラリピ手法は、手動であればいずれの業者でも可能で、筆者も当初は通常通り手動で運用していました。当初は豪ドル/円やNZドル円で好成績を収めていたものです。1日の平均変動幅(ATR)の半分程度のトラップ幅と利確幅で運用していれば、1日平均1回の利益確定ができる計算になります。
この程度なら手動でもほとんど問題はありません。IFD注文は利益確定が成立すると、当然のことながらその注文は消滅してしまいます。それゆえ、利益確定後は同じ注文を再度手動で入れ直す必要があります。この再度IFD注文を入れ直す作業(リピート)の部分を自動化させたのが、本格的なトラリピということになります。
手動による取引も通貨ペアが多くなってくると少々面倒になってきます。通貨ペアが多くなると、当然ながら発注ミスが起こってきます。また、トラップ幅や利確幅を狭くすると(例えばドル円で20銭以下)利益確定回数が増えてきますから、パソコンに張り付いていなければなりません。トラップ幅がATRの半分以上もあれば、1日2~3回パソコンを開いて再発注作業をすれば、ほとんど取り漏れはありません。でも取引ペアが多くなったりトラップ幅が10銭とか20銭であったりすると、もはや手動では追いつきません。
妙案があります。多くのベテラントレーダーも行っている半自動取引です。MT4で本格的な自動取引を始めようとすると、プログラムを常時動かすために外部コンピュータ(VPS)をレンタルする必要があります。さもなければ、パソコンを常時オンの状態にしておかなくてはなりません。ここでいう半自動(半手動)取引とは、MT4のプログラムを自分のパソコンで走らせる取引方法です。
トラリピでは一旦決済まで完了したIFD注文は、再度入れ直す必要があると述べました。パソコン上でMT4のプログラムを走らせておけば、一旦パソコンのスイッチを切ったとしても、再度スイッチをオンにした瞬間、眠っていたプログラムが覚醒し、決済が済んだ取引があれば即座に再注文を発してくれるのです。そうです、トラップ幅が一日の変動幅の半分程度にしておけば、パソコンを1日3~4回開いてやればよいことになります。
MT4はチャートが優れているので、デモ口座で相場分析をされる方は多いのですが、自動取引まではちょっとと考える向きがほとんどです。トラリピはMT4の自動取引の妙味を経験する第一歩となること請け合いです。
次回は、画像の「トラリピは逆指値がお得」テーマに考えます。
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