【その一】及び【その二】ではFXトレードで指導者的立場をとる人の中には、その講演や著書において見逃せない誤謬が発見されることがある。たとえ、それが意図的でなかったとしても、何の訂正や断りごともなく4年にもわたり増刷を続けるという行為は大いに非難されてもよい。
(二)AI Strategyなる手法はAIとは無関係
「人工知能が生み出す、次世代の最新FXツール」として人気を得ている商品がある。そもそもMT4やMT5のプラットフォーム上で人工知能(AI)を構築するなど不可能であることは周知の事実であるし、ウエッブを経由するパソコンのシステムではいわゆる「HFT」(超高速度取引)もとても手の届かないものであることは、FXトレーダーの殆どが知っている。
「ドラスト」とか「ブラスト」と称するいわゆるMT4 チャート・システムはAIとは何の関係もない既知のインディケータの組み合わせを仰々しく表現したものに過ぎない。FXないしはMT4に未だ不案内な人々に誤解を与える目的で誘導しているとしたら、それは大きな罪であろう。
① 売り、買いを示す下向き及び上向きの矢印
これはSuper Signalsという種類に属するMT4インディケータの中の一つである。そしてサブチャートに描かれる2つの曲線の一つはRCIまたはストキャス等のオシレータ系インディケータ、もうひとつのなだらかな曲線は最初の曲線を平滑化したもので、どちらもMT4に標準搭載されている。適切なSuper Signalsを採用すれば、誰にでも同じようなチャートを描画することができる。下図は一例。
黒背景はUSDJPY、白背景はEURJPY、いずれも5分足
因みに、筆者改良のスーパーシグナルの矢印の中間に現れるx印は期間を、矢印期間の21に対して14期間としたものに現れる中間的な高値・安値。利確・ストップ・増玉等にも利用できる。
人工知能などという根拠のない表現に惑わされないように喚起したい。