トレード備忘録 & MT4/MT5インディケータ及びEAの開発

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ロブ・ブッカーの Pivot Vortex Tradeでデイトレ開眼(逆張り手法ピボットが順張り指標に変身)

2018-06-14 14:20:12 | 投資

 前ブログではMT4でしかなしえない特殊逆指値手法について述べた。一般のFX業者が提供する逆指値機能は、例えば現値が110円の場合に、111円の買い指値の注文を出すことや、109円の売り指値注文を出すことを意味する。いわゆる現値より高い価格の買い注文や現値よりも安い価格の売り注文で、どの業者でも備えている注文機能である。 

 高値の買いや安値の売りに掴まってしまう可能性もあるので、一般トレーダーにはなかなか扱い辛い機能でもある。ところが逆指値注文が次のような形で発注できるようになればどうであろうか。 

現値が同じく110.00の場合に:

「もし、相場が109.00円まで下がれば109.50の買い注文を出す」とか、もし、相場が111円にまで上げれば、110.50の売り注文を出す」ことが可能となれば、面白いと思われるに違いない。一見逆張りのように見えるが、中身はれっきとした順張り手法でもあるからだ。これが、MT4ではできるが、MT4非対応の一般FX会社ではできないことの一つである。 

 全米最強のFXコーチとも称されるロブ・ブッカー氏(CTA)は自らもFXトレードで資金運用されているが、その利益の6割以上がピボット(Pivot)を使ったデイトレでたたき出されているとのことだ。ピボットといえば有名な逆張り手法なのにと考えがちだが、実はブッカー氏既述のMT4特殊逆指値機能を多用されているのだ。逆張り指標を使いながらも、将来価格に基づく逆指値での順張りに徹しているのである。 

 ブッカー氏は2010年あたりから、パンローリング社その他の主催する講演会に度々講師として来日されている。セミナーでのコーチングでもピボットに関するものが多い。ここでは、2010年11月に外為どっとコム社で行われたセミナーでの手法と氏の著書「米国式FXマニュアル」の中で取り上げられた二つのピボット順張り手法(Vortex Trade)を取り上げてみたい。

1)Vortex Pancakes

 

 

 この手法は、10個の注文が積み重ねられたパンケーキ(ホットケーキ)のように見えるので、パンケーキ作戦(Stacked Pancakes)と呼ばれる。売りの作戦を例にとると次のようになる。(数値はEURJPY本日のもの)パンケーキを上から下へ或いは下から上へとと串刺しにして一挙に利益を手にしようとする作戦である。 

本日のパンケーキ戦略

① 現在のユーロ円価格:130.034

② 本日のPivot Point(PP):129.987

③ エントリー価格:130.687(PPの70 pips上)を頭に5 pips間隔10本の売り注文 (130.637, 130.587・・・)

④ ターゲット:PPから20 pips上までの20ピップスのゾーン、最下位の注文はPPから20 pips上となるので、利確値はPPに設定

⑤ トリガー価格:エントリー価格の20 pips上に設定

⑦ TradeProfitPips:15 pips(含み益15 pipsで1回限りのトレイリングストップが発動される) 

上記設定のダイアログボックス(買いは売りの逆なので説明は省略)

 

  上のチャートで説明すると「もし、相場が130.887に達すれば、130.687以下5pips間隔で計10本の売り注文を出す。利確は、いずれも129.987(PP)、損切りは各注文につき50pipsということになる。 

 EAは常時マーケットを監視し続け、もし相場が130.887に達すると瞬時に10本のオーダーが発せられることになる。MT4を使わなければ、その瞬間に達するまでPCの前でチャートと睨めっこしていなければならない。この戦略の妙味は、もし相場が一挙にトリガー価格を突破して、そのまま戻らない場合でも、指値注文のように途中で不本意なポジションを取ることがなく、成立しなかった逆指値注文は後で取り消せばよいだけのことである。 

2)Vortex Trade デイトレ修正版

 G社主催のセミナーに出席していて疑問に感じたことがある。日足のPivotでパンケーキのトリガーに達することは1週間に一度あるかどうかの頻度である。そのような滅多にない相場環境を1日中チャートと睨めっこして待ち続けることなど不可能ではないかと。まして、MT4を採用していない外為どっとコム社でそのようなセミナーをするなんてありえないとも思われた。 

 翌年早々、ブッカー氏はダイヤモンド社から「米国式FXマニュアル」を出版された。そこでは、日本のFX会社のシステムで実行可能なデイトレ方式に仕上げられていたのだ。先ずトリガーであるが、もはや将来価格に基づく順張り注文を今から出しておくMT4方式ではなく、現値をトリガーとして使っている。現値がトリガー値に達したら、その時点で逆指値のIFDやIFDOCO注文を入れるという通常のやり方である。それがデイトレとして成り立つには、トリガー価格やエントリー価格ももう少し現実的なものでなくてはならない。エントリー価格も20pipsピボットに近づけられているし、注文数も1本に修正されている。 

 この方式であれば、各通貨ペア1日1回程度のチャンスはあろう。しかし、それでもチャートを見続けてチャンスを待つのは大変だ。できれば、MT4上でアルゴリズム化したいところである。いずれにせよ、順張りの長所は条件が整わなければ、注文は出されないこと、また、一旦エントリーすればトレンドフォローということで、当初は利益方向に動くことが多い。15pipsの利益が出れば、ストップをエントリー価格に変更すれば、もはやそのトレードで損失となることはない。MT4自動売買プログラムではそのような1回限りのトレイリングストップを組み込むことも容易にできる。 

 MetaGenicFXでは、上記1)2)のいずれにも対応するEA、VortexTrade_MT4を開発している。EAにはチャートに添付したPivotのインディケータやPivotの上下に10ピップス刻みで表示する価格線のインディケータも同時に付随して提供されているので、裁量取引にも利用できる。

 

ご興味のある方は:https://metagenicfx.thebase.in/

をご覧ください。



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1 コメント

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Unknown (きしま)
2018-06-16 08:21:44
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