筆者がEAやindicatorの開発に協力しているMetaGenicFX社にて、多くの支持を得ているアイテムの中にTrap Trade SystemというEAがある。これはトラリピをはじめとする数々のトラップ取引手法に対応した自動売買ソフトで、MT4はもとよりMT5のためのプログラムもセットになっている。
同社には、製品に対する質問が日々寄せられている。担当者にはMT4の基礎知識があり、大方の質問にはその都度適宜対応されており、これまで顧客との間でトラブルになったことはないとのことだ。ただし、MT4やMT5の細部に亘る疑問に対しては、担当者段階では回答できないものもあり、その際には筆者の方にも照会がある。
最近の例には、トラリピEAのバックテストができないというのがあった。多くのEAはローソク足の終値をベースにして、売買シグナルが出れば、次の足の始値でエントリーし、かつ、同じく終値ベースで手仕舞いシグナルが出れば新しい足の始値でポジションを閉じるというものである。ところが、トラリピEAに関しては、エントリー(IFD注文)も手仕舞いもいずれもがザラ場ベースで実行される。このことはバックテストを行う場合には大きな差異が生じてくる。トラリピEAのバックテストをするには、Every Tick(全チック)で実施しなければならないということである。
顧客からの「バックテストができない」との質問に回答できないということで、筆者の方にも照会されてきた。質問は雲をつかむような内容であったため、バックテストの際のストラテジーテスターのセッティング画面とトラリピEAの設定画面のキャプチャー画像をメールで依頼してもらうことになった。
送付されてきた画像に接して思わず声をあげてしまった。なんとテスト期間が2018.年6月から2019年6月までの1年間、しかも最適化モードでテストされていたからである。Every Tickに必要なデータが先ず存在するかどうかの問題のほかに、これだけの長期間のテストはパソコンがよほど高性能でないと途中でフリーズしてしまうか、途方もなくテスト時間が長くなること必定である。加えて、最適化を計るということはEA設定分のテストに加えてさらに5~10の同じプロセスを実行せよということだ。これでは、誰がテストしてもうまくいくわけがない。
最適化モードをオフにして、期間を1ヶ月毎に区切ってテストしていただいたところ問題は解決した。最適化モードは時間が掛かるので、トラリピEAに限ってはこれも個々に行った方が無難のようだ。
単なる動作確認であれば、2~3日のテストで十分であろう。過去のローソク足の動きを見れば、売りトラリピ、買いトラリピのいずれが有利であったかは明白であるからである。取引後の逆行相場に備えるには、逆指値トラリピという手もある。
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