Dynamic Trader Oscillator(DT Oscillator、以下DTOSC)は米投資指導者でもあるロバート・マイナー氏開発によるオシレータ系のインディケータであり、パンローリング社から出版されている同氏の邦訳著書にも多用されている分析指標である。
比較的滑らかな曲線でありながら、価格反応にも優れているので、先ごろ開発した「デイトレ用逆張り手法のセットアップ」にも中心的なオシレータとして採用している。
さて、プログラムの論理式を眺めていると、このテクニカルはRSIとストキャスチックが合成されたものであることが分かる。通常のストキャスチックはローソク足の一定期間(例5日間)の高値・安値を測定し、その期間の中の特定日の価格がどの位置にあるのかを計算する(Kライン)。日足を例にすると、昨日から遡って3日間のKラインの平均値を計算する(%K)。この%Kをさらに移動平均(期間3)したものが%Dということになる。ストキャスチックのパラメータのデフォルト(5, 3, 3)はこのことを示している。
DTOSCはローソク足とストキャスチックの間にRSIを介在させている。つまるところDTOSCはRSIをストキャス化したものと結論付けることができる。
「デイトレ用セットアップ」で採用したDTOSCは、オブジェクト関数とOnChatEvent関数を絡み合わせた複雑なプログラムとなっている。複雑になっている理由は、サブチャートに表示されるDTOSCのパラメータの組み合わせをクリック動作で切り替えるためである。それだけの便益のために、インディケータの汎用性や拡張性を阻害している側面もある。パラメータの組み合わせは4種類に限定されてしまっているからである。さらにパラメータを調整ないしは変化させたいという要望には応えられない。また、設定したパラメータの組み合わせをテンプレートに保存しても、新しいチャートに展開するとデフォルトに戻ってしまうという不都合さも出てきた。
そこで、組み合わせ4種類のパラメータのセットをクリックで設定変更するという部分を削り取り、4個のパラメータを自由に変更できる仕様に簡略化した。ただし、4種の代表的な組み合わせは設定画面のなかでメモとして表示しているので、いつでもこれらの組み合わせに戻ることを可能にしている。また、一旦テンプレートに残したパラメータは、次回からは設定し直す必要はない。
300行以上あったプログラムが100行にまで簡略化することができた。チャートの立ち上がりも幾分速くなったようだ。「デイトレ用セットアップ」ご利用の方には、追ってお届けする手はずになっている。
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