汚れちまった悲しみに

　今日ＣＤショップで、仲睦まじいお婆ちゃんとお孫さんを見ました。

「え～、でも、いいよ～」
　お孫さんは中学ぐらいの女の子でした。バンプオブチキンのコーナー前で遠慮しています。
「いいのよ。二枚とも買ってあげる」
　女の子が手にしているのは、たぶんバンプのアルバムなんだと思います。
「でも、高いよー」
「いいの。その代り、おばあちゃんにお金がなくなったら、その時にあなたから貰うから」
　二人はそんな会話をしながらレジに向かい、結局は二枚買ったようです。二人とも、実に幸せそうな笑顔を浮かべていました。

　それを見ている時、僕の耳にしているイヤホンからはTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの大好きなナンバー「ベイビー・スターダスト」が流れていました。
　ちなみにこんな歌詞です。


　白い肌をしているあの娘は１７才で
　手首を切ったことを自慢気に話す
　黄色い髪の男のアタマには
　狂った恋のメロディーが流れてたんだ

　ｏｈ　ベイビー・スターダスト
　～
　～

　素敵な歌詞ですよね。

　でも、何故か僕は、この歌を聞きながら二人から目を逸らしてしまったんだ。
　やましいことはなにもしていないのに、何故だろう、二人が眩しくて目を逸らしてしまった。
　
　もちろん、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTにも「ベイビー・スターダスト」にも問題はない。


　汚れているのは、僕一人だけ。