杏の読書日記プラス

本が好き。お昼寝が好き。こどもが好き。
読書日記から写真日記へリニューアル♪

今ここにいるぼくらは

2005-10-28 23:52:52 | 
本日、読み終えた本~

川端作品は、「The.S.O.U.P.」に続いて、二作目。
同じ人が書いたとは思えないくらい、異なる色をした作品でした。

「今ここにいるぼくらは」の主人公は、小学生の博士(ひろし)。
ある時は一年生で、ある時は五年生~といった七つの短編が、本書に収まっている。
時期がばらばらに並んでいるのだが、不思議と異和感なく、読むことができる。
友人のサンペイ君と池の主を釣り、妹と山でオニババに出会い、宇宙人とUFOに関わる~などなど、ひとつひとつの話が面白く、読者を同じ時間・同じ場所に運んでいく。
子どものころに感じた、さまざまな不安や孤独がよみがえってくる。
そして、そこから今日につながってくる時間に思いを馳せる。

”いつかきみが出会うものと、ぼくがこれまでに出会ったもの。それらは、つながっているような気がする。すべての川を束ねる海まで下らなくても、ぼくたちは同じ水脈の中にいるんだからね。”という文中の言葉と、タイトルがまたつながる。

今ここにいるぼくらは、みんな、博士だった。
そう、言えるかも。

今ここにいるぼくらは
川端 裕人著集英社 (2005.7)通常24時間以内に発送します。

コメント (2)
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