杏の読書日記プラス

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ふにゅう

2005-11-30 22:15:02 | 
川端裕人の作品~

「みんな一緒にバギーに乗って」の後に読んだ「ふにゅう」
おもしろかった!けど、読む順番は逆のほうが良かったかも?

「おっぱい」出産後、半年経った夫婦、洋介と麻衣子の話。麻衣子が職場に復帰すると同時に、育休に入る洋介。転機は、麻衣子が海外出張に出ることで訪れる。いい機会だから、と断乳を決意する母と、おっぱいを求める娘と、板ばさみになる父。そして、洋介は、考えられない行動に出る。
「デリパニ」ニューヨーク在住の夫婦、ハルキとソフィアの話。あのテロの直後のニューヨークで、二人の子どもは生まれてくる。ハルキは、分娩パニック(デリパニ)とどう向き合うのか・・・。
「ゆすきとくんとゆすあしちゃん」結婚五年目の夫婦、匡志と志保、四歳の悠斗と二歳の理香の話。ママと結婚することを強く望む息子悠斗の前で、夫婦であることに自信が持てなくなる匡志。
「桜川エピキュリアン」ケンと保育園児の息子由紀夫と、ケンの友人でホモの慎一郎~三人が描く魅惑?の世界。
「ギンヤンマ、再配置プロジェクト」四週間の海外出張中の妻・淳子。留守を預かる夫・博士と息子の夏樹(五歳)、娘のめい(二歳)。始めにめいが崩れ、夏樹も崩れ、博士も崩れていく。長く短い四週間の中で、三人は何かが変わっていくのを体験していく。ヤゴがギンヤンマへ成長していくように。

「ふにゅう」って、何?と思いながら読み始めました。はじめの話のタイトルが「おっぱい」で、ちょっとビックリ。でも、「ふにゅう」の謎はすぐ解けて、納得。ああ、そうだったのね。乳児、分娩、子育て~が満載で、これまでの川端さんの体験を通して生まれてきた話なんだと思いました。お父さんの想いが、時に強く、時に危なく、子どもに向けられていて、読んでいると、暖かいきもちになったり、心配になったりします。

「ふにゅう」と「みんな一緒にバギーに乗って」を読むと、川端さんがとても身近に感じられます。ますますファンになること、間違いなしです。

★★★☆☆


ふにゅう
ふにゅう
posted with 簡単リンクくん at 2005.12. 1
川端 裕人〔著〕新潮社 (2004.7)通常2-3日以内に発送します。



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