伊坂幸太郎の新作。★★★☆☆<★★★★☆
デビュー第一短編から最新書き下ろし(150枚!)まで、小気味よい会話と伏線の妙が冴える伊坂ワールドの饗宴。
「動物園のエンジン」
深夜の動物園で、毎晩のようにうつ伏せに寝ている謎の男。
彼は、動物園に活気をもたらす、「エンジン」のような存在というのだが。
「サクリファイス」
副業の探偵職で訪れた山間の村。
行方不明の男を捜すうち、黒澤は古くから続く奇妙な風習に行き当たる。
「フィッシュストーリー」
『僕の小説が魚だとしたら、その風呂敷と尾鰭の大きさに、海の魚も陸に上がって未来を語るに違いない』
「ポテチ」(書き下ろし)
ニュートンに遅れること300年。
万有引力の法則に気付いた空き巣の青年は、またしても新たな法則と事実を発見する。
~以上、四つの作品集のあらすじは、帯の紹介文より~
表題作の「フィッシュストーリー」が良かったです。
二十数年前と、現在と、三十数年前と、十年後。
時間と場所を越えてつながる四つのストーリー。
キーワードになるのは、あるロックバンドの最後のレコーディング。
伊坂さんらしい展開が堪能できます。
でも、正直もう少し読んでいたかった。
短編は、すぐ読み終えてしまうので、物足りないよ~!
もっと、伊坂ワールドにどっぷりつかっていたいよ~!!
「サクリファイス」と「ポテチ」も、黒澤という登場人物でつながっているけど、ストーリーは、別のもの。
で、この黒澤は、『ラッシュライフ』に出てくるらしい。
となると『ラッシュライフ』が読みたくなってくる。
・・・
伊坂さんの『オーデュポンの祈り』と『ラッシュライフ』の二作は、読んでしまうとお楽しみがなくなる気がして、購入した後、本棚で待機中なのです~

ようやく出番かな。