ひきこもり探偵シリーズ第二作。★★★★☆
自称ひきこもりの友人、鳥井真一が風邪で寝込んでいたある日、僕、坂木司は同僚から、同期の女性の様子がおかしいと相談を受ける。慣れない探偵役をつとめた僕が導き出した解答は・・・。
また、木村栄三郎さんのもとで出会った男性と地下鉄の駅で見掛けた少年の悩み、そして僕自身に降りかかる悪意の連続、それらの真実を鳥井はどう解明するのか。
(文庫表紙裏の紹介文より)
「野生のチェシャ・キャット」「銀河鉄道を待ちながら」
「カキの中のサンタクロース」の三篇を収録。
このシリーズに、新たに登場するのは、坂木の同僚の吉成哲夫と佐久間恭子。
栄三郎の木工教室の生徒の土屋降介と中学生の檜山利明。
滝本のバイク友達・寺田結美。女子高生の矢崎明日香。
どんどん登場人物が増えてきます。
彼らは、ひとつのストーリーの主人公であったり、脇役であったりします。
そして、出番がおわると、このシリーズの住民になるのです。
そうして、坂木と鳥井の周囲には、友人と呼べる人が増えていきます。
そして、もう一人。回想の中で登場する坂木の祖母がいます。
世界の悲劇を解決しようとして、壁に突き当たっていた中学生の坂木に、こんな言葉をかけます。
「優しくしてあげればいいんだよ。困っている人には、声をかけてあげればいい。なに、簡単なことじゃないか。一番近くにいる人からはじめて、まだ手が届くようだったら、もう少し先の人に優しく。そういう風にしていれば、いつか遠くにも届くだろ?」
「司(坂木)が見つけてあげればいいんだよ。見もしようとしない人、そこにあることも気づかない人、見えているのに見ないふりをしてる人、いろんな人がいる。でも、困っている人が司にはちゃーんと見えてる。それを困ってる相手に、伝えればいいんだよ。僕はあなたを見てるよ、知ってるよ、って」
~さて、ひきこもり探偵シリーズは、次作で完結です。
坂木は、鳥かごを開くことができるでしょうか?
鳥井は、一度傷ついた翼を広げることができるでしょうか?
主人公?の坂木司は、作者と同姓同名の設定です。
が、作者本人というわけでは、ないようです。
どうして同じ名前なのか、
覆面作家ということと関係があるのか、知りたいです。
ひとりぼっちのひとはいないよ~
そう語りかけてくれるような作品です。
登場人物は増えていくけど、個性あふれる人ばかりなので、
混乱することはないと思います。
(この私が、大丈夫でしたから)
mintさんに読んでもらえると嬉しいです。
追伸:明日から『ラッシュライフ』を読みます
これが噂(?)のひきこもり探偵シリーズですね。
ご本人も登場するんですか?
どんどん登場人物が増えていくのは…。
そういえば、伊坂さんの本も読了してましたね。さすが!
私はどちらの本も図書館にお願いしようかしらん。