杏の読書日記プラス

本が好き。お昼寝が好き。こどもが好き。
読書日記から写真日記へリニューアル♪

動物園の鳥

2007-02-06 11:01:50 | 
動物園の鳥
動物園の鳥
posted with 簡単リンクくん at 2007. 1.29
坂木 司著東京創元社 (2006.10)通常24時間以内に発送します。

ひきこもり探偵シリーズ完結編。★★★★☆

春の近づくある日、鳥井真一のもとを二人の老人が訪ねてきた。僕らの年上の友人でもある木村栄三郎さんと、その幼馴染みの高田安次朗さんだ。
高田さんが働く動物園で、野良猫の虐待事件が頻発しているという。
動物園で鳥井が掴んだ真実は、自身がひきこもりとなった出来事とどうつながるのか・・・。
鳥井は外の世界に飛び立てるのか。
(文庫表紙裏の紹介文より)

シリーズラストを締めくくる本作は、初の長編。
新たな登場人物は、栄三郎の幼馴染み・高田安次朗。
動物園でボランティアをしている松谷明子。滝本の妹・美月。
鳥井と坂木の中学時代の同級生・谷越淳三郎。
そして、この谷越が、鳥井がひきこもる原因を作った人間だった。

突然の再会に動揺する坂木。その坂木に声をかける鳥井。
「俺は大丈夫だから」

そう、時は来ていた。
鳥井は、少しずつ何かを乗り越え、扉を開ける力をつけていた。
そして、坂木も、また鳥井という杖を放す時が来ていた。

こころが弱くて、とても弱くて。
いつも誰かに喜ばれてたりありがたがられていないと不安で。
僕はこうやって生きてきた。
僕を手放しで必要としてくれる人の手をとって。
その人に支えられて。
そうやって生きてきた。

僕らは、大人にならなければならないのだから。

そんな思いを胸に、坂木はある決意をする~

第一章「街に住むもの」から、終章「動物園の鳥」・エピローグまで一気に読みました。
とても、あたたかい物語でした。

作者・坂木司さんのあとがきも、こころに沁みました。
おまけの「鳥井家の食卓」レシピも、全国銘菓お取り寄せリストもGOOD
このシリーズで、鳥井の作る料理はどれもおいしそうで、食べてみたいものばかりでしたから

鳥井と坂木の物語は、ひとまず完。
いつかまた会えるかなと期待しつつ、いまは余韻に浸っていたいな。
コメント (2)
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仔羊の巣

2007-02-05 22:57:00 | 
仔羊の巣
仔羊の巣
posted with 簡単リンクくん at 2007. 1.28
坂木 司著東京創元社 (2006.6)通常2-3日以内に発送します。

ひきこもり探偵シリーズ第二作。★★★★☆

自称ひきこもりの友人、鳥井真一が風邪で寝込んでいたある日、僕、坂木司は同僚から、同期の女性の様子がおかしいと相談を受ける。慣れない探偵役をつとめた僕が導き出した解答は・・・。
また、木村栄三郎さんのもとで出会った男性と地下鉄の駅で見掛けた少年の悩み、そして僕自身に降りかかる悪意の連続、それらの真実を鳥井はどう解明するのか。
(文庫表紙裏の紹介文より)

「野生のチェシャ・キャット」「銀河鉄道を待ちながら」
「カキの中のサンタクロース」の三篇を収録。

このシリーズに、新たに登場するのは、坂木の同僚の吉成哲夫と佐久間恭子。
栄三郎の木工教室の生徒の土屋降介と中学生の檜山利明。
滝本のバイク友達・寺田結美。女子高生の矢崎明日香。

どんどん登場人物が増えてきます。
彼らは、ひとつのストーリーの主人公であったり、脇役であったりします。
そして、出番がおわると、このシリーズの住民になるのです。
そうして、坂木と鳥井の周囲には、友人と呼べる人が増えていきます。

そして、もう一人。回想の中で登場する坂木の祖母がいます。
世界の悲劇を解決しようとして、壁に突き当たっていた中学生の坂木に、こんな言葉をかけます。

「優しくしてあげればいいんだよ。困っている人には、声をかけてあげればいい。なに、簡単なことじゃないか。一番近くにいる人からはじめて、まだ手が届くようだったら、もう少し先の人に優しく。そういう風にしていれば、いつか遠くにも届くだろ?」

「司(坂木)が見つけてあげればいいんだよ。見もしようとしない人、そこにあることも気づかない人、見えているのに見ないふりをしてる人、いろんな人がいる。でも、困っている人が司にはちゃーんと見えてる。それを困ってる相手に、伝えればいいんだよ。僕はあなたを見てるよ、知ってるよ、って」

~さて、ひきこもり探偵シリーズは、次作で完結です。
坂木は、鳥かごを開くことができるでしょうか?
鳥井は、一度傷ついた翼を広げることができるでしょうか?



コメント (3)
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フィッシュストーリー

2007-02-04 17:19:43 | 
フィッシュストーリー
伊坂 幸太郎著
新潮社 (2007.1)
通常24時間以内に発送します。

伊坂幸太郎の新作。★★★☆☆<★★★★☆

デビュー第一短編から最新書き下ろし(150枚!)まで、小気味よい会話と伏線の妙が冴える伊坂ワールドの饗宴。

「動物園のエンジン」
深夜の動物園で、毎晩のようにうつ伏せに寝ている謎の男。
彼は、動物園に活気をもたらす、「エンジン」のような存在というのだが。

「サクリファイス」
副業の探偵職で訪れた山間の村。
行方不明の男を捜すうち、黒澤は古くから続く奇妙な風習に行き当たる。

「フィッシュストーリー」
『僕の小説が魚だとしたら、その風呂敷と尾鰭の大きさに、海の魚も陸に上がって未来を語るに違いない』

「ポテチ」(書き下ろし)
ニュートンに遅れること300年。
万有引力の法則に気付いた空き巣の青年は、またしても新たな法則と事実を発見する。

~以上、四つの作品集のあらすじは、帯の紹介文より~

表題作の「フィッシュストーリー」が良かったです。
二十数年前と、現在と、三十数年前と、十年後。
時間と場所を越えてつながる四つのストーリー。
キーワードになるのは、あるロックバンドの最後のレコーディング。
伊坂さんらしい展開が堪能できます。

でも、正直もう少し読んでいたかった。
短編は、すぐ読み終えてしまうので、物足りないよ~!
もっと、伊坂ワールドにどっぷりつかっていたいよ~!!

「サクリファイス」と「ポテチ」も、黒澤という登場人物でつながっているけど、ストーリーは、別のもの。
で、この黒澤は、『ラッシュライフ』に出てくるらしい。
となると『ラッシュライフ』が読みたくなってくる。
・・・
伊坂さんの『オーデュポンの祈り』と『ラッシュライフ』の二作は、読んでしまうとお楽しみがなくなる気がして、購入した後、本棚で待機中なのです~

ようやく出番かな。

コメント (4)
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おまけ

2007-02-03 22:40:24 | 日記

銀世界のおまけ写真。

未だ、家族全員が風邪引き状態の我が家。
節分の豆を撒く力がありませぬ

鬼は外~福は内~
早く元気になりた~い
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銀世界

2007-02-02 18:36:40 | 日記

さむいっす。

朝、起きてびっくり
雪、積もってる

 

 

今冬、初の積雪。
しかも、まだまだ降り続いてる
これは、とほ通勤だわ。とほほ


職場までは、徒歩30分強~がんばれ私!

~で、仕事が終わって帰る頃には、雪はすっかり溶けていて、ほんのひとときの銀世界でしたとさ
コメント (2)
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