アプリコット プリンセス

チューリップ城には
とてもチャーミングなアプリコット姫がおりました

赤穂事件 讃岐守の隠し文

2023-02-19 09:56:10 | 漫画

        赤穂事件 讃岐守の隠し文



相馬 叙胤(佐竹義処の次男)
「いよいよ、我らも危うい事になりました」
「幕府の借款は返済出来ませんよ」
「すぐ側に、改易が迫っております」

佐竹 義処(出羽国久保田藩の第3代藩主)
「讃岐守から書状が届いた」
「お前に、確認して欲しい」」

相馬 叙胤
「では、某も拝見致します」
「どれどれ・・」
「んんゥ」
「何の事は御座いませな」
「これは、御健勝の挨拶で御座る」

佐竹 義処
「水戸様が、
わざわざ、左様な挨拶をする事も御座らぬ」
「きっと、重要なる隠し文じゃぞ」
「よく確認するのじゃ!」

相馬 叙胤
「んんゥ・・・・・・・」
「分かりませぬ・・」

佐竹 義処
「そうか」
「まァよい」
「これからの情勢の推移によって
この隠し文が解読出来る筈じゃ」
「大切に保管しておくれ」

相馬 叙胤
「承知致しました」
「・・・・・」
「ところで、近衛熙子様が
江戸城の三の丸に入る予定は
如何為ったのでしょうか?」

佐竹 義処
「分からぬ・・」
「どうも、幕府の中で
色々な思惑が交錯しておるようじゃぞ」

相馬 叙胤
「結局、赤穂城は開城され
籠城は為りませんでした」
「もはや、大石殿は如何する事も出来ませぬ」

佐竹 義処
「大石が助けを求めておが
其方は如何する」

相馬 叙胤
「近衛家の意向次第として
待機しておりましたが
今まで何も動きが御座いませんから
大石殿は見捨てられたのでは
御座いませんか?」

佐竹義処
「んんゥ」
「そうかも知れんな・・」

相馬 叙胤
「あれ?」
「讃岐守の消息にある
大石良次とは誰で御座る」

佐竹 義処
「ああァ」
「その者は、水戸殿に仕えておる者じゃ」
「讃岐守の古参の家臣で
表舞台には居らぬ」
「控えめにしておるが
松平頼常殿の信頼は厚い」
「讃岐の重鎮じゃぞ」

相馬 叙胤
「んんゥ」
「では、何故に、
この者に褒美を与えたとあるのか?」
「わざわざ、我らに報告する必要がありますかな?」

佐竹 義処
「んんゥ」
「如何にも・・」
「・・・・・・・・」
「そうか・・・」
「これは、大変な隠し文じゃぞ!」

相馬 叙胤
「暗号が解けましたので?」

佐竹 義処
「おそらく、そうであろう・・」

相馬 叙胤
「お教え願いたい」

佐竹 義処
「褒美とは、
公方様の正当性を否定するのに
十分な証拠が為されている書状じゃ」

相馬 叙胤
「左様な書状が存在するので?」

佐竹 義処
「その書状は先様(徳川家綱)が直接認め、
当時の幕府参謀で承認されたものじゃ」
「公方様が最も恐れている品物じゃぞ」

相馬 叙胤
「それは、凄い」

佐竹 義処
「恐らく、光圀殿が保管しておったのを
息子の頼常殿に託し
頼常殿はそれを、大石良次に渡したのじゃ」

相馬 叙胤
「何故、左様なる重要なる書状を
褒美なされたのか?」

佐竹 義処
「公方様が疑っておるのじゃ」
「その書状を持つ者は
公方様から命を狙われる」
「疑われておれば
手放す以外あるまい」
「何処にあるのか分からねば
公方様も手出しは出来ぬ」

相馬 叙胤
「我らは、如何対処致せば宜しいので御座いますか?」

佐竹 義処
「書状が内蔵助に渡れば
公方様は慌てる筈じゃ」
「江戸市中町民は旧赤穂藩士に同情的じゃから
幕府も簡単には鎮静化出来んじゃろう」
「我らは、幕府の借款返済不履行で改易の危機じゃが
内蔵助の動向次第では活路が開ける」
「改易を逃れる為にも
内蔵助を利用しなければ為らぬ」
コメント
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