アプリコット プリンセス

チューリップ城には
とてもチャーミングなアプリコット姫がおりました

赤穂事件 三つ巴

2023-02-24 08:30:10 | 漫画

     赤穂事件 三つ巴



大高源吾
「討ち入りは御控え願いたい」

原惣右衛門
「儂は、気が変わった」
「江戸庶民は、赤穂浪士の忠義を褒め称えておるぞ」
「儂は、庶民の期待に絆された」

堀部安兵衛
「両国橋に立札を立てたのは
源吾、其方か!」

大高源吾
「んんゥ 左様な事は、儂は知らん!」
「大石太傅の協力がなければ
吉良邸討ち入りなど出来ませんぞ!」

原惣右衛門
「太傅を説得すればよい」

堀部安兵衛
「大石殿は命が惜しいのじゃ」
「大石殿は怯んでおる」

大高源吾
「日の恩や たちまち砕く 厚氷」

「太傅には、儂の決意を申し渡しておる」
「太傅は、日の恩に期待を込めて
精力的に働き掛けをしておる最中なのじゃぞ」
「太傅の努力を水の泡にしては為らぬ」

原惣右衛門
「太傅に、その句を告げてきたのか?」

堀部安兵衛
「やはり、両国橋の立札は其方の仕業じゃ!」

大高源吾
「立札とは何じゃ!」

原惣右衛門
「其方、本当に知らんのか?」

堀部安兵衛
「両国橋に立札が立てられておって
其処には、よく似た俳句が載っておった」
「立札は
直ぐに役人によって撤去されたのじゃぞ」
「幕府は、仇討ちに関する落書きを監視しておる」
「余計な真似をするな!」

大高源吾
「儂は、本当に知らんのじゃ」
「他の者の仕業じゃぞ」
「そもそも、この句の意味は
仇討ちに関するものではない」

原惣右衛門
「日の恩とは
浅野内匠頭様の恩ではないか!」
「仇討ちをやり遂げて恩に報い、
厚い氷も砕け散るとの決意を表しておる」

堀部安兵衛
「いやいや、そうではない」
「この句は、決意の句ではないぞ」
「吉良の首を取った後で
主の無念を晴らした時の句じゃ」
「吉良の首は、貰ったも同然の句じゃ」
「江戸庶民は、左様に噂した」

大高源吾
「儂が作った句を
勝手にいじくっては為らん」

原惣右衛門
「誰も、手など加えてはおらん」

堀部安兵衛
「立札にあった句じゃ」

大高源吾
「日の恩とは天子様じゃぞ!」

原惣右衛門
「んんゥ?」

堀部安兵衛
「将軍様の事か?」

大高源吾
「違う!」
「天子様とは、天皇、上皇様に決まっておるじゃろーが!」

原惣右衛門
「日の恩を受けておるのか?」

堀部安兵衛
「何の句じゃ?」

大高源吾
「西本願寺の大僧正様は上方の御公卿」
「太傅は、大僧正様の加護を受けようとして
強く働き掛けをしておる」
「西本願寺を動かせれば
天皇、上皇さまの聞こえるところとなり
上方から幕府に温情ある裁きが申し渡される」
「これが、太傅の御考えじゃぞ」

堀部安兵衛
「絵空事じゃ」
「下らぬ」