アプリコット プリンセス

チューリップ城には
とてもチャーミングなアプリコット姫がおりました

赤穂事件 西の配流藩

2023-03-09 11:44:09 | 漫画

         赤穂事件 西の配流藩



松平 定直 (伊予国松山藩の第4代藩主)
「伊予は西の配流地」
「もしも、高田郡兵衛が討ち入りなどすれば、容赦はない」
「其方も、連座じゃぞ」

内田三郎右衛門 (旗本内田貞親(550石)の長男  高田郡兵衛の伯父)
「はい、決して討ち入りなどさせませぬ」
「高田郡兵衛をば、必ず脱藩させまする」

松平 定直
「其方、儂の名を使いたいと申すのかな?」
「組頭を頼れ!」

内田三郎右衛門
「はい、ところが、
組頭に報告するとの脅迫には
あの者、一切応じる様子が御座いません故に」
「お名前を、拝借したいとの要望に御座る」

松平 定直
「旗本頭では力不足か」
「しかしな、伊予国は西の配流藩」
「儂の名を騙れば、幕府の意向となるぞ」
「儂の名は、隠してもらわねば困る」

内田三郎右衛門
「はい」
「他の者には知らせる必要は御座いませんので
高田郡兵衛にのみ、分からせれば宜しいかと・・」

松平 定直
「んんゥ」
「承知した」
「村越伊代守として脱藩命令を致す」

内田三郎右衛門
「しかし、組頭では承知せぬと・・」

松平 定直
「表包みには、隠岐守定直を記す故に
表包みは、焼き捨てよ!」

内田三郎右衛門
「はい、それであれば
あの強情者も諦めるかと・・」

松平 定直
「幕府の関与を疑われては為らぬぞ」
「よいな」

内田三郎右衛門
「ご安心下され」
「証拠は残しません」

松平 定直
「元・越後高田藩主の松平光長様とて配流処分となり、
此処、松山藩で預かることとなり
長きにわたり、松山城三ノ丸に蟄居させた」

「光長様は、結城秀康の孫。徳川家康の曾孫、
徳川秀忠の外孫に当たるお方、
その御方であっても、配流となったのじゃぞ」
「怠りあれば、命取りと思へ!」

内田三郎右衛門
「万全の配慮で
高田郡兵衛を脱藩させまする」

松平 定直
「万全の為」
「儂は、時々、病気になる」
「儂に手が及ぶ危険を避けるために、儂は病気に為る」
「そして、儂が病気の時に
旧赤穂藩士は根絶やしとなっておる筈じゃ」
「しかしな、儂の関与が疑われるような事があれば
其方の命はないぞ」
「覚悟を決めておけ」

内田三郎右衛門
「承知仕る」
「では、
高田郡兵衛を説得するために
橋爪新八を使う事お許し下さいませ」

松平 定直
「んんぅ」
「先ずは、小者を郡兵衛の兄・高田弥五兵衛に使わし
兄の高田弥五兵衛を使って郡兵衛を脅せばよい」
「其方も、出来るだけ表立った行動を控えた方が安全じゃ」

内田三郎右衛門
「左様で御座います」
「高田兄弟は反目しておりますが
原因は、討ち入りで御座います」
「隠岐守定直様による
討ち入り禁止命令があれば
郡兵衛は脱藩せざる負えません」

松平 定直
「んんゥ」
「して、脱藩命令に従わぬ場合は
如何致すつもりじゃ?」

内田三郎右衛門
「致し方御座いません」
「兄弟は、亡くなることと・・」

松平 定直
「んんゥ」
「派手な行動は慎めよ」

内田三郎右衛門
「御意」

松平 定直
「それから、我らと其方が親しき仲では困る故」
「疎遠である事がよい」
「其方が頼るのは組頭じゃぞ」
「村越の伊代守じゃ」
「よいな」

内田三郎右衛門
「承知しております」

松平 定直
「必ず、脱藩させろ!」
「失敗すれば、破滅じゃぞ!」

内田三郎右衛門
「御意!」
コメント
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