アプリコット プリンセス

チューリップ城には
とてもチャーミングなアプリコット姫がおりました

赤穂事件 真の武士

2023-03-11 14:16:18 | 漫画


大石 内蔵助
「堀部安兵衛に感化されては為らぬぞ」

原惣右衛門
「太傅は何も分かってちゃーねェなァ」
「この江戸の雰囲気ってもんがあらァーな」
「儂は、江戸庶民の期待に応えてェーよ」

奥野将監
「目的を食い違っておるぞ」
「我らが目指すは
主家再興じゃぞ」

進藤源四郎
「大学様を領主に御迎えする事じゃぞ」

原惣右衛門
「あれな?」
「何だか、しけた連中ばかりが集まったもんだなァ」

進藤源四郎
「其方は、主家再興を望まぬのか?」

原惣右衛門
「主の仇の吉良を討ち取る事じゃぞ」
「江戸庶民は討ち入りを待ち望んでおらァー」
「此処で逃げては、武士としての名が廃る
世間に対する面目を失うぞ」

奥野将監
「幕府は仇討ちを認めてはおらぬぞ」
「大学様は、謹慎為されておられる」
「主家再興の妨げになる事は謹んで頂きたい」

原惣右衛門
「んんゥ」
「実際な・・」
「分かっておるさ・・」
「堀部も分かってると思うぞ」
「あのなァ」
「其方達は知らぬとは思うが、
最も強硬に討ち入りを主張しておるのは
高田郡兵衛じゃぞ!」

大石 内蔵助
「郡兵衛の伯父の内田三郎右衛門が
郡兵衛の脱藩を強制しておった」
「郡兵衛は意地になっておるのだ」
「討ち入りを急ぎたいのは
郡兵衛の意地によるもの」
「郡兵衛の意地を貫く事と
主家再興を成し遂げる事を比較して
何方が正しい方向かを
自らに問い正せ!」

原惣右衛門
「分かってらァー」
「儂はなァー
吉良は親の仇であって、主の仇」
「憎っくき仇じゃけどなァ」
「主の本当の仇が、誰なのかも知ってるさ」
「だけどなァー」
「悔しいじゃねェーかよ」
「太傅が吉良邸の門前で頭を垂れて謝罪すんのかよ」
「町民に囲まれて、笑いものになるのかよ」
「儂は、耐えられん」
「ひと暴れもふた暴れもして
憂さ晴らししてぇーなァー」

大石 内蔵助
「儂が辱めを受けて解決するのであれば容易い事じゃ」

原惣右衛門
「んんゥ」
「太傅の心情も承知しておる」
「だけどなァー」
「儂には無理じゃ」
「武士の意地がある」

大石 内蔵助
「惣右衛門殿」
「もしも、高田郡兵衛が
脱藩すれば、如何致すつもりか?」

原惣右衛門
「郡兵衛は脱藩などしない」
「郡兵衛ほど討ち入りを望んでおる者はおらぬ」
「あの者は、ほっておいても
たとえ一人に為っても
吉良を討ち取る覚悟をしておる」
「あの者ほど、武士の意地を貫く者は見た事が無い」
「あの者は、真の忠臣」
「絶対に、裏切る男では御座らぬ」

大石 内蔵助
「講釈はもうよい」
「高田郡兵衛が
脱藩すれば、如何致すつもりか申せ?」

原惣右衛門
「高田郡兵衛は
脱藩などしない」
「あ奴は、真の武士じゃ!」