アプリコット プリンセス

チューリップ城には
とてもチャーミングなアプリコット姫がおりました

赤穂事件 急進派の頭

2023-03-14 10:49:38 | 漫画


内田三郎右衛門 (旗本内田貞親(550石)の長男  高田郡兵衛の伯父)
「郡兵衛を唆すのはやめろ!」
「郡兵衛は儂の養子になる」

大石内蔵助
「残念じゃが、郡兵衛は急進派の頭となった」
「脱盟は無理じゃ」

内田三郎右衛門
「んんゥ」
「あれは、強情じゃからな」
「しかし、それは嘘じゃ」
「討ち入りを主張しておる頭は、
堀部安兵衛じゃぞ!」

大石内蔵助
「堀部武庸の日記はじめ諸書には
左様に記載されておるがな
それは、安兵衛による創作じゃ」
「安兵衛は豪傑を自称しておるが
高田軍兵衛には遠く及ばぬ」
「軍兵衛を郡兵衛に書き換えて
軍兵衛に対抗しておるのだ」

内田三郎右衛門
「では、軍兵衛は脱藩しないのか?」

大石内蔵助
「脱藩には意味は無い」
「しかし、脱盟であれば意味がある」

内田三郎右衛門
「如何いう意味じゃ?」

大石内蔵助
「正直、郡兵衛は
儂の手には負えない」
「お手上げじゃ」

内田三郎右衛門
「組頭に訴え出ると脅したのだぞ!」
「しかし、駄目であった・・」
「しかし、今度は違う」
「松平様からの命令じゃ!」

大石内蔵助
「松平様と・・・
何方か存じ上げぬが
無理で御座ろう」

内田三郎右衛門
「いやいや」
「無理を承知で申しておるのじゃ」
「儂は、其方を信じておる」
「其方であれば、
軍兵衛を旧赤穂から追放出来る」

大石内蔵助
「急進派の頭を追放など出来ん」
「逆に、儂が愛想を尽かれ
同盟から追い出されるのが落ちじゃ」

内田三郎右衛門
「左様な同盟には意味は無い
解散しては如何じゃ!」

大石内蔵助
「解散させれば逆効果になる」
「急進派を抑える者が居らぬようになる」
「儂は、必死にあの者共を
抑え込んでおるのじゃぞ」
「安兵衛は抑える事ができたが
郡兵衛は無理じゃ」

内田三郎右衛門
「其方を信頼して申すが
他言は御控え願いたい」

大石内蔵助
「んんゥ」
「承知した」
「共に、協力致しましょうぞ」

内田三郎右衛門
「実は、軍兵衛を
討ち入りさせないように仕向けているのは
老中なのじゃ」
「老中が旧赤穂藩の再興の為に
動いているのだと思うぞ」

大石内蔵助
「そォ それは、真か?」

内田三郎右衛門
「確かで御座る」
「ただ、安兵衛他無骨な者共には
知らせぬ事を約束下され」

大石内蔵助
「んんゥ」
「しかし、郡兵衛は急進派の頭となった」
「如何して、追放すればよいのか?」

内田三郎右衛門
「松平様から書状を貰い受けました」
「軍兵衛を罠に嵌めましょう」

大石内蔵助
「宜しいのかな?」

内田三郎右衛門
「このままでは、儂も連座となります」
「かと申して、縁を切る事も出来ませぬ」
「これは、軍兵衛の為の裏切りで御座る」

大石内蔵助
「如何なる罠で御座る?」
「郡兵衛はもはや急進派の頭
硬い決意を打ち砕くのは
余程の罠でなければ為りませんぞ」

内田三郎右衛門
「この罠によって、郡兵衛は致命傷を受ける」
「そして、この罠によって、
旧赤穂藩士は、軍兵衛に見切りを付ける」

大石内蔵助
「切るのか?」

内田三郎右衛門
「殺したり、傷付ける訳では無い」
「致命傷は同盟関係に与えられる」
「軍兵衛は、同盟関係で致命傷を受けるのじゃ」

大石内蔵助
「詳しく教えてくれ」

内田三郎右衛門
「松平様の書状を利用して
吉良との密約を暴露する」

大石内蔵助
「おおォオ」
「郡兵衛は吉良と密約を交わしておったか?」

内田三郎右衛門
「いやいや」
「そうではない」
「この書状を利用して
密約を演出するのじゃ」
「急進派の頭が敵側の間者であると疑われれば
同盟はなくなる」
「間者を頭には出来ぬ」

大石内蔵助
「そうか・・」
「その書状を見せてくれ」

内田三郎右衛門
「んんゥ」

コメント
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