アプリコット プリンセス

チューリップ城には
とてもチャーミングなアプリコット姫がおりました

赤穂事件 実行あるのみ

2023-03-10 10:50:27 | 漫画


小笠原 長重 (老中)
「豊後守(阿部正武)に
首座をお渡しになられましたので?」

土屋政直 (老中首座)
「んんゥ」
「正武殿は、赤穂事件の担当じゃからな」
「総括をお願い致した」

小笠原 長重
「どうも、様子がおかしい」
「善人の良将共が、旧赤穂藩士を煽り
討ち入りを唆しておるようじゃ」

土屋政直
「総括を任せたのは、失敗であったか・・」
「しかし、上様が御隠れに為って久しい」 
「上様の、ご機嫌次第で沙汰が下るのじゃからな
迂闊に和解を勧める訳にもいかん」
「あの者共は、
赤穂事件を早く切り上げたいとの思いであろう」
「討ち入りさせて、始末したいのじゃ」

小笠原 長重
「西本願寺様から、和解の要請が御座る」

土屋政直
「んんゥ」
「上様は、神仏に帰依なされておられる故
大僧正様が和解を求めておられれば
旧赤穂の再興は叶うかもしれぬな」

小笠原 長重
「旧赤穂の再興が叶えば、
旧赤穂藩士は討ち入りを諦めると思いますぞ」

土屋政直
「んんゥ」
「討ち入りを唆すのは間違いじゃ」
「和解させて
この事件を穏便に解決する必要があるぞ」

小笠原 長重
「旧赤穂藩家老格には和解の動きも御座る」

土屋政直
「おおォ」
「左様か・・」
「和解がなるやもしれぬな」

小笠原 長重
「吉良家家老にも和解したい者がおるようじゃ」

土屋政直
「んんゥ」
「品川 伊氏 (高家旗本) を遣わそう」
「吉良家臣を説得して
和解させよう」

小笠原 長重
「品川伊氏殿は吉良の遠縁」
「きっと、和解が叶うかと・・」

土屋政直
「旧赤穂藩士が討ち入りを急がぬように
旧赤穂藩にも使者を送ろう」

小笠原 長重
「松平 定直 (伊予国松山藩の第4代藩主) 殿が
調停役になっております」

土屋政直
「んんゥ」
「伊予は、配流藩となっておるから
調停役は適任じゃな」

小笠原 長重
「後は、吉良殿の安全を確保する事で御座いますぞ」

土屋政直
「んんゥ」
「討ち入りをさせぬ様に
吉良殿を上杉家に引き取ってもらわねばな」

小笠原 長重
「ただ、上様が御隠れに為られて久しい」
「更には、吉良殿からの要請も怪しい」
「一体、如何為っておるのじゃ?」

土屋政直 
「それは、互いに意地を張っておる為じゃ」
「旧赤穂藩士は仇討ちを忠義として成し遂げようとしており
吉良陣営は逃げる事を武士の恥だとして断固対抗しておるのじゃ」
「それが、武士の生き様じゃて」

小笠原 長重
「では、和解は難しいですな・・」

土屋政直
「左様」

小笠原 長重
「何が足りませんか?」
「武士道を捨てよと申されるか?」

土屋政直 
「武士道を捨てれば
幕府の有り方自体が変わる」
「武士道を捨てれば
朝廷の権威は高まり
幕府の権力は弱まる」
「戦のない世になったのじゃから
武士の有り方も変化する必要があるかもしれぬ」

小笠原 長重
「精神的には武士であり
武力は封じておけと申されるか・・」

土屋政直
「心、意識、気構え、気力、理念、」
「武士道は、生き続ける」
「無暗な殺生は武士道に非ず」
「旧赤穂の討ち入りは断固阻止せねばならぬ」
「野蛮な、殺し合いは
武士道に非ず」

小笠原 長重
「先ずは、和解させる事で御座る」

土屋政直
「んんゥ」
「和解させ、旧赤穂藩を再興させる事が肝要」
 
小笠原 長重
「良い御考えで御座る」

土屋政直
「考えだけでは為らぬ」
「実行あるのみじゃぞ!」

小笠原 長重
「左様じゃ」