アプリコット プリンセス

チューリップ城には
とてもチャーミングなアプリコット姫がおりました

赤穂事件  老中 稲葉 正往

2023-03-25 17:36:41 | 漫画


祐天 (江戸時代を代表する呪術師)
「愚心は、下総国大巌寺に戻る事になりました」
「また、世話になりますよ」

稲葉 正往 (老中 下総佐倉藩初代藩主)
「何の因果で御座いましょう」
「丁度、某、下総佐倉藩に国替えになったばかり」
「法主様には、ご指導賜りたき事ばかり
御縋り申し上げます」

祐天
「愚心は、住持である事が有難い」
「愚心には、帰る寺があるでな」
「愚心を頼る者は多いが
帰る寺があれば助けも出来る」
「これからは、下総国の為になれるように努めたい」

稲葉 正往
「法主様、江戸城は不便になりましたのか?」
「一体、何故」
「江戸を離れる事に為りましたのか?」

祐天
「お恥ずかしい話
桂昌院様に追い出されてしまいました」
「暗愚故、愚かで口煩き事を咎められた」

稲葉 正往
「左様で御座いますか」
「きっと、桂昌院様は後から後悔為さる筈」
「それまで、我が国で
御緩(ごゆるり)とお過ごし下さいませ」

祐天
「有難い」
「世話になりますよ」

稲葉 正往
「いえいえ」
「法主様を国に迎え入れる事は
某の念願で御座いました」
「法主様のお力に縋りとう御座います」

祐天
「んんゥ」
「愚心は、暗愚で経文も覚えられぬ住持じゃが
不思議な事に、愚心には、法力が備わっておる」
「愚心の法力をもってすれば
多くの困難を退ける事が出来ます」

稲葉 正往
「某、
親戚の若年寄稲葉正休が
大老堀田正俊を暗殺した事件で連座、
遠慮処分となっておりましたが」
「法主様の御導きで
本年、老中に就任出来ました」
「失脚すれば
その後は、遠慮処分が続く事が通常で御座いますので
老中就任は思いもかけぬ事に御座いました」
「全ては、法主様の御導きであると
感謝致しております」

祐天
「いやいや」
「其方が返り咲きしたのは
大老堀田正俊暗殺事件が起こる前に
確りと準備をした御蔭なのじゃ」
「愚心の忠告を聞き入れた事で
其方の災いは消え失せたのじゃ」

稲葉 正往
「はい」
「危うく、
若年寄稲葉正休の
身代わりとなっておるところで御座いました」

祐天
「実は、まだ油断は出来ぬぞ」

稲葉 正往
「まだ、心配が御座いますか?」

祐天
「んんゥ」
「其方は、まだ、老中としての任期が浅いから
新参者として、利用される恐れがある」
「良いですか、
元禄十五年十二月十四日  (1703年1月30日)
この日は朝早くから身を清め準備しておくのじゃぞ」
「決して、油断しては為らぬ」
「油断すれば、足元をすくわれますぞ!」

稲葉 正往
「まだ、一年以上の歳月が御座いますが
一体、その日に何が有るので御座いますか?」

祐天
「由々しき事がある」
「この事で、其方が怠れば
其方は、失脚するぞ!」
「万全な体制で
朝早くから備えるのじゃぞ」

稲葉 正往
「承知致しました」
「元禄十五年十二月十四日は
最大限の警戒を致し
事が有れば迅速に対処致します」

祐天
「よしよし」
「愚心を信用為されよ」

稲葉 正往
「有難き事」
「感謝申し上げます」
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赤穂事件 祐天法主失脚

2023-03-25 12:24:43 | 漫画
      赤穂事件 呪術師 祐天法主



祐天 (江戸時代を代表する呪術師)
「鶴姫様に子が産まれぬのは
殺生の戒めですぞ」
「殺生を退治すれば
玉のような男子が産まれます」

桂昌院 (将軍綱吉の生母)
「きっとじゃぞ」
「約束じゃぞ」
「鶴姫に子を宿しておくれ」
「頼みましたぞ」

祐天
「それには、大きな支障が御座いますぞ」

桂昌院
「生類憐みの令で殺生を戒めております」
「男子が産まれますね」

祐天
「支障は他に御座います」

桂昌院
「それは、何で御座いますか?」

祐天
「多くを得れば、多くを失うのです」
「全てを思うがままにすれば
全てが奪われるのです」
「御子が産まれないのには
理由が御座います」
「今までの罪を償い、
罪なき者を許すのです」
「許さざるは、許されぬのです」
「優しい心に、御子は宿るのです」

桂昌院
「了也は、生類憐みにより
全ての罪は償われると申しておるぞ」

祐天
「桂昌院様が憐れむのであれば
償いとなりましょう」

桂昌院
「優しい心に子が宿るのか?」

祐天
「全ては、因果応報です」
「優しい心を持てば、優しい者が集まるのです」
「恨みを持てば、恨まれるのです」
「人の命を奪えば、奪われるのです」
「御子が産まれないのは、
命が奪われているからです」
「有るべき命が、奪われているのです」

桂昌院
「鶴姫は優しい孫じゃぞ」
「鶴姫は、人を殺めた事など無いぞ」
「鶴姫は、人を憎んだりせんぞ」
「なのに、何故じゃ」
「鶴姫は、何も罪を犯してはおらんぞ」

祐天
「では、鶴姫様がお望みではないのでしょう」

桂昌院
「そんな事はない」
「鶴姫は、御子が欲しいと申しておる」

祐天
「鶴姫様の本心ですが、
嗣子様に側室をとって欲しいと思っておりますよ」

桂昌院
「それは駄目じゃ」
「鶴姫の子が将軍の養子となる」
「それが定めじゃ」

祐天
「残念ですが、鶴姫様には御子は生まれません」
「本当に御子をお望みであられれば
側室をお認めになられれば宜しいのです」

桂昌院
「祐天!」
「お前は、先ほど
鶴姫様に子が産まれぬのは
殺生の戒めです」
「殺生を退治すれば
玉のような男子が産まれると申したではないか!」
「前にも、同じことを申したではないか」
「嘘を付いて誤魔化すとは、何ですか!
隠し立ては、赦しません!」

祐天
「桂昌院さま」
「お怒りになっては為りません」
「怒りによって、悪霊を呼び寄せておりますぞ」
「鶴姫様に子が産まれぬのは
殺生の戒めです」
「殺生を退治すれば
玉のような男子が産まれると申した事は事実です」
「ただ、これは
殺生の戒めなので御座います」
「殺生をすれば、殺生が返って参ります」

桂昌院
「祐天!」
「鶴姫は優しい孫じゃぞ」
「殺生などせんぞ!」

祐天
「桂昌院さま・・」
「誰が鶴姫様の御子を一番に望まれておられる」

桂昌院
「鶴姫に決まっておる」

祐天
「いいえ」
「一番に望まれておりますのは
桂昌院さまで御座います」

桂昌院
「望んで悪いか!」

祐天
「桂昌院さまは、
これから多くの命を奪う事になります」

桂昌院
「馬鹿を申せ!」

祐天
「いいえ」
「桂昌院さまは、官位を得る為に
浅野赤穂の資産を奪ったのです」
「その資産は、憎しみを呼び込み
多くの命が奪われる事になるのですよ」
「官位を諦め、浅野赤穂を許すのです」
「そうすれば、鶴姫さまに
御子が産まれる筈です」

桂昌院
「やはり、其方の法力は偽物であったな」
「了也は、生類憐みによって
全ての罪は償われると申しておるぞ」
「其方は、偽物じゃ!」

祐天
「あぁぁぁ・・」
「申し訳御座いません」
「言葉が過ぎました」
「お許し下さいませ」

桂昌院
「調子に乗りよってからに」
「もう、其方の顔は見たくない
早々に立ち去れ!」

祐天
「・・・・・」
「おおおぉぉぉぉ・・・」
「お許しを・・・・」

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