アプリコット プリンセス

チューリップ城には
とてもチャーミングなアプリコット姫がおりました

赤穂事件 奥田兵右衛門参上

2023-03-16 15:02:00 | 漫画


高田 郡兵衛 (院流高田派槍術開祖の高田吉次の孫)
「内蔵助が来てから
雰囲気が変わってしもうた」
「討ち入りを急がねば」

奥田兵右衛門 (赤穂浪士四十七士の一人 奥田 重盛)
「主の百カ日法要で、
其方と、安兵衛と供に泉岳寺に参詣して仇討ちを誓った」
「仇討ちは、必ずや達成致す所存」
「固い決意は揺るぎない」

高田 郡兵衛
「安兵衛は、急進派の頭になりたいのじゃ」
「儂が主導する事を
おもしろく思ってはおらぬようじゃ」

奥田兵右衛門
「頭など関係ないぞ」
「主の無念を晴らすのじゃ」
「我らが、忠臣である事を
世に示すのじゃぞ!」

高田 郡兵衛
「安兵衛は、内蔵助と協調して
内蔵助を取り込もうとしておる」

奥田兵右衛門
「太傅の上方漸進派と我らの江戸急進派
形勢は我らに有利」
「太傅は当てに為らぬ」

高田 郡兵衛
「いっそ、儂一人で討ち入ろうかと思うたが
儂に付いてくる者共が大勢現れた」
「儂は、好き好んで頭になった訳ではない」
「安兵衛は、儂に嫉妬しておるのか?」

奥田兵右衛門
「我ら三人
泉岳寺に参詣して仇討ちを誓った同志」
「堅い契りを結んだのじゃぞ」

高田 郡兵衛
「内蔵助は臆病者じゃぞ!」

奥田兵右衛門
「左様じゃ!」
「・・・・・・・・・・」

「んんゥ」
「間違いだとは思うのじゃが
嫌な事を太傅から聞いた」

高田 郡兵衛
「内蔵助の企みじゃ」

奥田兵右衛門
「んんゥ」
「太傅が、其方が吉良との和睦を進めておると・・」

高田 郡兵衛
「馬鹿な!」
「儂は、左様な腰抜けではない」
「吉良など恐れはしない」

奥田兵右衛門
「今や、其方が急進派の頭じゃ」
「その頭が、
吉良との和睦を求めている事が広まれば動揺が走る」
「なぁあ」
「如何して、和睦の話になった?」

高田 郡兵衛
「高家肝煎品川伊氏が儂の覚書を受けたと申しておる」
「儂は、その者に覚書を手渡してはおらぬ」
「それは、言い掛かりじゃ」

奥田兵右衛門
「んん?」
「では、郡兵衛
其方、覚書を手渡した者がおると申すか!」

高田 郡兵衛
「旗本組頭伊代守を油断させるために
嘘を付いた」

奥田兵右衛門
「嘘か?」
「如何様な嘘じゃ?」

高田 郡兵衛
「討ち入りを疑われておるから
打ち消しておいた」

奥田兵右衛門
「では、吉良との和睦は真なのか?」

高田 郡兵衛
「じゃから、その覚書は嘘じゃ」
「組頭が討ち入りを妨害しないように
安心させる為の嘘を書いて渡したのじゃ」

奥田兵右衛門
「組頭に渡した覚書が、
何で吉良の補佐役に渡った?」

高田 郡兵衛
「んんゥ」
「分からぬ?」

奥田兵右衛門
「これは、一大事じゃぞ」
「其方、この事を他に知る者はおらぬか?」

高田 郡兵衛
「んんゥ」
「隠しておいてもいずれ発覚する」
「皆々に知らせておけばよい」

奥田兵右衛門
「いや、駄目じゃ」
「急進派の頭が和睦を求めたとあれば
同志は動揺ずるぞ」
「隠しておけ」

高田 郡兵衛
「隠す?」
「何も、よこしまな事ではあるまいに」
「隠せば、後で発覚した時に困る事になりはせぬか?」
「敵を油断させるための嘘じゃ」
「正直に申せばよい」

奥田兵右衛門
「しかし、渡った相手が悪すぎる」
「吉良の補佐役じゃぞ!」
「やはり、隠しておけ」

高田 郡兵衛
「そうか」
「では、隠しておこう」

奥田兵右衛門
「んんゥ」
「其方は、急進派の頭じゃぞ」
「安易な行動は慎めよ」

高田 郡兵衛
「分かっておる」