アプリコット プリンセス

チューリップ城には
とてもチャーミングなアプリコット姫がおりました

赤穂事件 大高源吾参上

2023-02-23 10:51:16 | 漫画

     赤穂事件 大高源吾参上



大高源吾(赤穂浪士四十七士)
「江戸急進派の説得にあたった
原惣右衛門、潮田又之丞、中村勘助の三人は
逆に、説き伏せられたとの事ですか?」

大石内蔵助
「吉良を討ち取れば
主家の再興はなくなる」
「儂は主家再興の為に、西本願寺大僧正様に
多額の寄付をしているのだぞ」
「吉良の首を取ったりすれば
全ての努力が無駄になってしまう」
「幕府からは、
仇討ちの許可は得られていないのじゃ」

大高源吾
「それで、今度は某に説得に参れと仰せか?」

大石内蔵助
「何としても、説得せねば為らぬ」
「さもあらんば、主家再興の道が閉ざされてしまう」

大高源吾
「しかし、原惣右衛門、潮田又之丞、中村勘助の三人が
逆に説き伏せられたとあれば
某の説得などでは動じぬのでは御座らぬか」

大石内蔵助
「足軽頭の進藤源四郎が
其方を連れて行きたいと申しておる」

大高源吾
「左様で御座いますか」
「では、その大役を務めさせて頂きます」

大石内蔵助
「進藤源四郎は
公家近衛家の家臣の家柄で
分家が浅野家に仕えていた」
「公家近衛家は鷹司家に遠く及ばぬが
これから大きな力を持つ」
「我らは、西本願寺大僧正様に縋る」
「そして、更には、東本願寺の公家近衛家の力添えを得る」
「御仏の助けを借りて、幕府に働き掛ければ
我らの願は必ず叶う筈」
「決して、無謀な討ち入りに走ってはならぬ」
「よいな」

大高源吾
「某、二十石の独身腰物方
左様な大役を賜り、
感謝申し上げる」

大石内蔵助
「んんゥ」
「御家、大高家の出自の良さは際立っておった」
「出自の良さ故に、其方の父は二百石を賜っていた」
「大高家の恥を晒してはならぬぞ」

大高源吾
「御意」
「必ず、説得させます事を約束致します」

大石内蔵助
「其方の弟・小野寺秀富と従兄弟・岡野包秀も独身であったな」
「その者たちの忠義に恥じぬように
精進致せよ」

大高源吾
「独身であるからこそ
忠義に邁進できるので御座る」

大石内蔵助
「左様じゃな・・」
「儂は、守るべき家族がある」
「連座もあるのじゃぞ」

大高源吾
「いいえ」
「主税殿は、忠義の義士に御座る」
「我らは、見習っております」

大石内蔵助
「あまり褒めるな」
「主税は怖い者知らずで困っておる」
「今は、屋敷で謹慎しておる」

大高源吾
「謹慎など勿体無い」
「主税殿は、乱世で輝く逸材で御座る」

大石内蔵助
「もうよい」
「御世辞は、そなたの得意技じゃ」
「俳諧集『二ツの竹』を編著しておったな」

大高源吾
「言葉の力も必要かと」
「言葉は、やる気と勇気を鼓舞する源泉
大いに励まし気持ちを奮いたたせることに役立ちます」

大石内蔵助
「よし」
「江戸に下向して
堀部安兵衛を説き伏せよ!」

大高源吾
「ま任せあれ!」
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赤穂事件 仁の乱れ

2023-02-22 10:05:54 | 漫画

      赤穂事件 仁の乱れ




寂如 (西本願寺住職 法印大僧正)
「甥孫の信清殿」
「よく参られました」

松平 信清 (鷹司松平家3代)
「京の都は、ゆったりと心地よき処です」
「寺社も再建され、町も豊かに発展している」
「心が癒される思いです」

寂如
「僧も其方の年頃で宗主となった」
「そして、十七で
関白鷹司信房の娘である貞淑院如瑞と結婚した」

松平 信清
「やはり、早すぎますか?」

寂如
「津軽殿は如何申しているのかな?」

松平 信清
「斯様な若き者を大いに引き立て
大いに期待しておるようで、
斯様な者に対しても丁重なる姿勢で
是非、孫娘をもらって欲しいと懇願されております」

寂如
「なるほど」
「それでは、信清殿は如何感じておられる」

松平 信清
「まだ早すぎるとの思いを伝えております」

寂如
「気持ちを正直に伝えればよい」
「そのように思っておるのであれば
結婚を急ぐ必要はないと
僧は思いますぞ」

松平 信清
「はい」
「期待が大きいので躊躇しておりましたが
大叔父様の言葉を聞くことが出来たので
安心しました」

寂如
「言える事は
格式高きお家の結婚は
政略結婚と御考え為され」
「僧も、関白鷹司信房の娘である貞淑院如瑞と結婚した事で
大僧正に上り詰めた」
「高い地位を望むのであれば
格式高き妻を得る必要があります」

松平 信清
「はい」
「心得ています」
「では・・・
津軽家は、如何でしょうか?」

寂如
「京の都は公卿社会であり
江戸の町は武家社会です」
「信清殿は武家ですよ」
「如何様に生きて行くおつもりかな?」

松平 信清
「武家として武士として生きるのは
とても厳しい事であると感じております」
とは申しても、公卿の仲間入りもできません」
「・・・・・・」

寂如
「赤穂事件で怯んだのかな?」

松平 信清
「・・・・・・」
「気後れなどありません」

寂如
「世の不条理を見て
ものの道理が見えなくなったのでありましょう」
「不条理にあがらうか
不条理に流されるか
不条理から遠ざかるか」
「全てはご自身でお決めになる事」
「全ては、体験なのですよ」
「体験を通してのみ感動があるのです」

松平 信清
「良識や常識に反していることから
遠ざかることは
臆病なのでしょうか?」
「わたしは、臆病者と呼ばわれたくはありません」

寂如
「そう呼びたい者には
そう呼ばせておけば
よろしいのではありませんか」
「僧は、そう思いますよ」

松平 信清
「・・・・・」
「わたしには、体験が不足しております」

寂如
「若い時に、多くの体験をしておくこと
これは、将来の宝物です」
「歳を取ると、
だんだんと動けなくなりますからね」
「失敗も又、貴重な体験ですよ」
「全ての体験は、感動ですよ」

松平 信清
「はい」
「少し、勇気が出てきました」
「・・・・・・」
「しかし、私には赤穂浪士のような
勇ましさがありません」
「武士にはなれません」

寂如
「信清殿は優しいのです」
「その優しさは大切に為さいませ」
「仁をもって政をなすのが
公方様の御考えです」

松平 信清
「では、何故に
上様は浅野内匠頭に
切腹を命じられたのですか?」

寂如
「仁に乱れが生じているとのこと
隆光大僧正が申しておった」

松平 信清
「将軍様は生類憐みの令をもって
仁をなそうとしておられます」
「これでは、人よりも犬の方が尊ばれてしまいます」

寂如
「京の都の犬は如何じゃ」
「江戸の犬と違うか?」

松平 信清
「同じように感じますが・・・」

寂如
「同じですよ」
「一旦面倒を見れば
最後まで責任を持って面倒を見る事です」
「生き物を石ころのように考えてはいけません」

松平 信清
「しかし、犬が人に噛みついても咎めはないのに
人が切り付ければ死罪です」

寂如
「隆光大僧正が申すように
将軍様の仁は乱れておられる」
「全ては、仁の乱れなのですよ」

松平 信清
「では、大叔父様が
仁の乱れを正してくださいませ!」
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赤穂事件 強大なる力

2023-02-21 09:48:57 | 漫画

       赤穂事件 強大なる力



津軽 信政 (陸奥国弘前藩4代藩主)
「其方は、近衛家に付帯がある」
「儂の力になって欲しい」

大石無人 (陸奥国弘前藩に身を寄せる武士)
「爺に何が出来ますか?」
「畏れ多き事に御座います」

津軽 信政
「儂の孫を松平信清殿に嫁がせたいのじゃ」

大石無人
「御方は鷹司松平家3代で御座います」
「爺の力の及ぶものとは・・・」
「畏れ多き事に御座います」

津軽 信政
「いや」
「そう申すな」
「策はある」
「・・・・・・・」
「其方の孫、大石内蔵助は無血開城したようじゃな」

大石無人
「左様に御座います」
「内蔵助は甥孫
幕府の命に従い
浅野赤穂を引き渡しました」

津軽 信政
「讃岐国高松藩士 大石 良次 」
「その者は、其方の兄か?」

大石無人
「はい、従兄に御座る」

津軽 信政
「んんゥ」
「その者から何か便りはあったかな?」

大石無人
「近況報告は御座いました」

津軽 信政
「おおォオ」
「何と有った」

大石無人
「直接会って
相談したき事があるとの書付
詳細は御座いません」

津軽 信政
「左様か・・・」
「・・・・・・」
「其方、浅野家の再興を望まれるか?」

大石無人
「それは、某の望むべき事では御座いません」
「それは、公方様がお決めに為られる事」
「望む事とて、憚れます」

津軽 信政
「んんゥ・・・・」

「儂は、其方を家臣としてではなく
客人として迎え入れておる」
「儂には、其方の力添えが必用なのじゃ」
「儂は、其方を信頼しておるぞ」

大石無人
「感謝申し上げます」
「何なりと、申し付け下され」

津軽 信政
「んんゥ」
「極秘事例じゃ」
「絶対に明かしては為らぬ事」
「よいか!」

大石無人
「はい」
「爺は死んでも秘密は守り通す所存」
「ご安心下さいませ」

津軽 信政
「将軍綱吉様の正当性を
否定する事であっても守り通せるか!」

大石無人
「其の事、秘密を守り通さねば
正当性は保てないとの解釈となります」
「即ち、守り通す事が、御上への忠義に御座る!」

津軽 信政
「なるほど・・・」
「秘密は守るが、将軍の弱みを握る事は不忠では無いと申すか!」

大石無人
「何と仰せか・・・?
極秘事項とは、公方様の弱みに御座るか?」

津軽 信政
「左様」
「将軍綱吉様は、怯えておられる」
「その怯えの原因が、
この極秘事項なのじゃ」
「其方の従兄、大石 良次は
この極秘事項を入手したのじゃぞ」

大石無人
「おおォオ」
「何と!」
「大変な事じゃ!」

津軽 信政
「大石良次は将軍を脅迫できる力を手に入れた」

大石無人
「・・・・・・」
「爺に何が出来るので・・・・・・」
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赤穂事件 例の書状

2023-02-20 08:52:10 | 漫画

      赤穂事件 例の書状



津軽 信政 (陸奥国弘前藩4代藩主)
「大石内蔵助は幕府に抵抗できなんだな
残念じゃ」
「我らの領民は餓死しておるのに
良き大名を潰し、御犬大事で犬小屋を増やし補助金を付けている
無慈悲な事じゃ」

相馬 叙胤 (陸奥相馬中村藩第6代藩主)
「松平頼常殿から消息が有りませんか?」

津軽 信政
「んんゥ」
「御座ったが、何か?」

相馬 叙胤
「その書状には隠し文が有りますぞ」

津軽 信政
「其方も気付くておったか・・」
「誰にも申すではないぞ」

相馬 叙胤
「心得て御座る」

津軽 信政
「もしも、旧赤穂が
籠城して徹底抗戦しておれば
松平頼常殿が、
例の書状を掲げて立ち上がる事も出来ようが
城を失っては、勝ち目は無い」
「きっと、内蔵助殿の冥途の土産としたのじゃろー」

相馬 叙胤
「嗣子殿の暗殺計画は阻止されましたが
今度は、鶴姫様と離縁させようとの動きが御座る」

津軽 信政
「よほど、紀伊家は嫌われたとみえる」
「紀伊家は我らとも親戚関係じゃ」
「用心せねば為らぬな」

相馬 叙胤
「ところで、例の書状とは如何なるもので御座る」

津軽 信政
「それは、先様(徳川家綱)が弟の綱吉様を戒めた書状じゃぞ」
「上野・館林藩初代の綱吉様は
江戸城で兄の家綱様と暮らしておった」
「徳松様(綱吉)は吉良殿から犬をもらってよろこんでおったが
犬への執着が強くなり、御犬遊びが段々と激しくなっていったのじゃ」
「そして、ついには、家臣を犬のように扱うようになった」
「さらには、犬を嗾けて使いの者を襲わせた」
「御犬遊びは、どんどんと酷くなって手に負えなくなった時に
先様が綱吉様を戒める為に書状を託されたのじゃ」
「しかし、綱吉様の奇行は治まらず
どんどんと悪くなっていった」

「困った先様は、
光圀殿に相談した」

「光圀殿は先様の心配を憂慮して
綱吉様に御犬遊びを禁止する約束をさせたのじゃが
直ぐに約束は破られた」

「その後も綱吉様の奇行は酷くなっていった」

「また、家綱様には世継が決まっていなかったから
養子をとる必要があったのじゃが
綱吉様を養子にすれば、次期将軍となる危険があり
憂慮した重鎮は、綱吉様を養子にしないように働き掛け
家綱様も了承していた」

「そんなおり事件が起きた
家綱様が突然お亡くなりになった」

「そして、その混乱に乗じて、
偽の遺言書が作成されたのじゃ」

「堀田正俊は、その遺言を信じて行動を起こし、
綱吉様を将軍にすることに貢献した」

「酒井忠清は、
その遺言書が偽物であることを証明する
証言者を確保していた」

「その遺言書は、その者が作成した書であり
先様が認めた書状ではないのだ」

「その遺言書は、あくまでも偽物であり
綱吉様の指図で作成された書であるから
残っておれば支障をきたす」

「いれが経緯じゃ」

「綱吉様の、最も恐れている事じゃ」


相馬 叙胤
「左様な事で御座ったか・・
しかし、残念でならぬ」
「もしも、旧赤穂が籠城しておれば
出雲、水戸、紀伊、陸奥が
一斉に決起しておった筈」
「そうなれば、江戸城が無血開城しておった・・」
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赤穂事件 讃岐守の隠し文

2023-02-19 09:56:10 | 漫画

        赤穂事件 讃岐守の隠し文



相馬 叙胤(佐竹義処の次男)
「いよいよ、我らも危うい事になりました」
「幕府の借款は返済出来ませんよ」
「すぐ側に、改易が迫っております」

佐竹 義処(出羽国久保田藩の第3代藩主)
「讃岐守から書状が届いた」
「お前に、確認して欲しい」」

相馬 叙胤
「では、某も拝見致します」
「どれどれ・・」
「んんゥ」
「何の事は御座いませな」
「これは、御健勝の挨拶で御座る」

佐竹 義処
「水戸様が、
わざわざ、左様な挨拶をする事も御座らぬ」
「きっと、重要なる隠し文じゃぞ」
「よく確認するのじゃ!」

相馬 叙胤
「んんゥ・・・・・・・」
「分かりませぬ・・」

佐竹 義処
「そうか」
「まァよい」
「これからの情勢の推移によって
この隠し文が解読出来る筈じゃ」
「大切に保管しておくれ」

相馬 叙胤
「承知致しました」
「・・・・・」
「ところで、近衛熙子様が
江戸城の三の丸に入る予定は
如何為ったのでしょうか?」

佐竹 義処
「分からぬ・・」
「どうも、幕府の中で
色々な思惑が交錯しておるようじゃぞ」

相馬 叙胤
「結局、赤穂城は開城され
籠城は為りませんでした」
「もはや、大石殿は如何する事も出来ませぬ」

佐竹 義処
「大石が助けを求めておが
其方は如何する」

相馬 叙胤
「近衛家の意向次第として
待機しておりましたが
今まで何も動きが御座いませんから
大石殿は見捨てられたのでは
御座いませんか?」

佐竹義処
「んんゥ」
「そうかも知れんな・・」

相馬 叙胤
「あれ?」
「讃岐守の消息にある
大石良次とは誰で御座る」

佐竹 義処
「ああァ」
「その者は、水戸殿に仕えておる者じゃ」
「讃岐守の古参の家臣で
表舞台には居らぬ」
「控えめにしておるが
松平頼常殿の信頼は厚い」
「讃岐の重鎮じゃぞ」

相馬 叙胤
「んんゥ」
「では、何故に、
この者に褒美を与えたとあるのか?」
「わざわざ、我らに報告する必要がありますかな?」

佐竹 義処
「んんゥ」
「如何にも・・」
「・・・・・・・・」
「そうか・・・」
「これは、大変な隠し文じゃぞ!」

相馬 叙胤
「暗号が解けましたので?」

佐竹 義処
「おそらく、そうであろう・・」

相馬 叙胤
「お教え願いたい」

佐竹 義処
「褒美とは、
公方様の正当性を否定するのに
十分な証拠が為されている書状じゃ」

相馬 叙胤
「左様な書状が存在するので?」

佐竹 義処
「その書状は先様(徳川家綱)が直接認め、
当時の幕府参謀で承認されたものじゃ」
「公方様が最も恐れている品物じゃぞ」

相馬 叙胤
「それは、凄い」

佐竹 義処
「恐らく、光圀殿が保管しておったのを
息子の頼常殿に託し
頼常殿はそれを、大石良次に渡したのじゃ」

相馬 叙胤
「何故、左様なる重要なる書状を
褒美なされたのか?」

佐竹 義処
「公方様が疑っておるのじゃ」
「その書状を持つ者は
公方様から命を狙われる」
「疑われておれば
手放す以外あるまい」
「何処にあるのか分からねば
公方様も手出しは出来ぬ」

相馬 叙胤
「我らは、如何対処致せば宜しいので御座いますか?」

佐竹 義処
「書状が内蔵助に渡れば
公方様は慌てる筈じゃ」
「江戸市中町民は旧赤穂藩士に同情的じゃから
幕府も簡単には鎮静化出来んじゃろう」
「我らは、幕府の借款返済不履行で改易の危機じゃが
内蔵助の動向次第では活路が開ける」
「改易を逃れる為にも
内蔵助を利用しなければ為らぬ」
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