朝日が奥穂、涸沢岳を染める。
風も収まり、雲一つない青空が広がる。

北穂方面を眺める。
北穂沢はなんて急峻なんだろう。でっかい山に対してちっぽけな自分は果たして登れるのだろうか。

昨日の雪が薄く積もり、雪面は汚れ無き無垢の白。先行者の踏み跡について行く。

デブリを抜けて行く。気温が上がる前に登っていかないと。

見上げるような急斜面。緊張感に包まれ、ヘバッてなんていられない。

60度近い斜面を直登。足元の雪面は踏ん張りが効かないし、帰りはどうするんだろう、と考えながらも登って行く。

下から見上げた時、この辺りから斜度が緩むはずなのに、変わらずキツい登り。もうここまで来たら登り切るしかない。

ようやくコルに辿り着き、ホッとする。吹き上げる風が冷たい。ここは3,000mの世界だと実感する。

目の前には奥穂、前穂が聳える。そして視線を下にすると、今し方登って来た斜面が。壁の様に急で怖くて見ていられない。

そして北穂の山頂へ。
頭の中は帰りは如何に降るかで一杯なため、達成感のカケラも無い。

降りて来てしまえばなんてことない、なんてうそぶくが、何とも中身が濃すぎる3時間45分だった。まぁ無事が一番。

青空の下での涸沢。名残惜しいが
またいつか戻って来るぞ。さらば!

帰り、横尾から見た前穂高岳。
惚れ惚れする程凛々しい。

横尾〜徳沢間からの前穂高岳。
自分にとって五月と言えば、この光景が浮かぶ。

今の時期らしい「春もみじ」。周りの新緑と相まってなお一層美しい。

河童橋付近からの穂高連峰。上高地に来たからにはこの景色を目に焼き付けて帰ろう。

たった二日間の山旅、されど二日間の山旅。
貴重で忘れられないこの二日間の思い出は自分の人生の宝物。またいつの日か残雪の涸沢に行こう。
(終わり)
風も収まり、雲一つない青空が広がる。

北穂方面を眺める。
北穂沢はなんて急峻なんだろう。でっかい山に対してちっぽけな自分は果たして登れるのだろうか。

昨日の雪が薄く積もり、雪面は汚れ無き無垢の白。先行者の踏み跡について行く。

デブリを抜けて行く。気温が上がる前に登っていかないと。

見上げるような急斜面。緊張感に包まれ、ヘバッてなんていられない。

60度近い斜面を直登。足元の雪面は踏ん張りが効かないし、帰りはどうするんだろう、と考えながらも登って行く。

下から見上げた時、この辺りから斜度が緩むはずなのに、変わらずキツい登り。もうここまで来たら登り切るしかない。

ようやくコルに辿り着き、ホッとする。吹き上げる風が冷たい。ここは3,000mの世界だと実感する。

目の前には奥穂、前穂が聳える。そして視線を下にすると、今し方登って来た斜面が。壁の様に急で怖くて見ていられない。

そして北穂の山頂へ。
頭の中は帰りは如何に降るかで一杯なため、達成感のカケラも無い。

降りて来てしまえばなんてことない、なんてうそぶくが、何とも中身が濃すぎる3時間45分だった。まぁ無事が一番。

青空の下での涸沢。名残惜しいが
またいつか戻って来るぞ。さらば!

帰り、横尾から見た前穂高岳。
惚れ惚れする程凛々しい。

横尾〜徳沢間からの前穂高岳。
自分にとって五月と言えば、この光景が浮かぶ。

今の時期らしい「春もみじ」。周りの新緑と相まってなお一層美しい。

河童橋付近からの穂高連峰。上高地に来たからにはこの景色を目に焼き付けて帰ろう。

たった二日間の山旅、されど二日間の山旅。
貴重で忘れられないこの二日間の思い出は自分の人生の宝物。またいつの日か残雪の涸沢に行こう。
(終わり)