心の山を歩いていこう!

単に山頂を目指すより、山歩きそのものを楽しみたい。
そんな思いを備忘録として綴ります。

令和元年五月の槍ヶ岳へ。(二日目·その2)

2019-05-11 17:00:01 | 登山

上空は雲ひとつない快晴。紫外線が容赦無く降り注ぎ、上からも下からも眩しい。


段々と傾斜がキツくなって来た。ただただ一歩一歩重ねるのみ。



少しずつ風景が変わるが、終わりが見えない。登りの先は宇宙に届くかの様な景色。



この辺りの傾斜が一番キツい。中々足が前に進まないが、焦らずひたすら登る。




ようやく槍の穂が顔を覗かせる。少しこわばった気持ちが和らぐ。



まるで穂先を青空に突き刺しているかの様。




端正な三角形の穂先が笑って自分を見下ろしているかの様。



この先、また傾斜がキツくなる。最後の踏ん張りどころ。




体力を振り絞って登り切れば、遥かなる山々が見える。もうこれで終わりだと思うと身体に力が入らない。




今迄歩いて来た槍沢を見下ろす。改めて長い登りだったと感じ入る。




槍の穂先からの風景。まずは、北側。




そして、東側。東鎌尾根と常念。




南側。大喰岳から穂高、乗鞍。




西側。笠ヶ岳方面。




暮れなずむ槍の穂先。




夕暮れ時、西の空は雲が出てきたため、綺麗な夕焼けとはならなかった。



(続く)








令和元年五月の槍ヶ岳へ。(二日目·その1)

2019-05-10 17:00:38 | 登山

星が瞬く夜が明けると快晴の空が広がっていた。陽射しを受けた前穂高岳が眩しい。さてと、出発。




歩きだすとすぐに残雪が現れる。今年の雪解けは遅い様子。




暗い森の先には屏風岩が顔を覗かせる。



 

槍見河原に差し掛かる。小さく槍の穂先が見える。




五月というのに肌寒い朝。水溜りには薄っすらと氷が張っている。




行き先を阻むデブリ。ガチガチに凍っていなくて助かった。




せせらぎに朝日が当たりキラキラと輝く。このコースの中で一番心癒される場所。




段々と川の流れが細くなって来る。対岸の岩肌にはまだ雪が付いている。



デブリに覆われた灌木帯。普段はガラガラの崩壊地だが、雪のおかげで歩きやすい。




槍沢ロッヂを過ぎ、しばらく行けば槍の穂先がはっきりと見えて来た。



木々が疎らな斜面を行く。槍はまだ彼方。



開けた斜面をゆったりと登る。足元はサクサクした雪のおかげで歩きやすい。



普段は足元の悪い岩が出ている樹林帯も雪の登山道となっていた。





疎らなダケカンバを抜ければ間もなくババ平となる。




ババ平から先。今年は川がまだ厚い雪の下。



次第に前方の山が迫ってくる様に感じる。



聞こえるのはザクザクと軋む自分の足音のみ。ゆっくりと風景が移っていく。



まだ先は谷底を歩いて行く。人の小ささをまざまざと感じる。



(続く)





























令和元年五月の槍ヶ岳へ。(初日)

2019-05-09 19:00:16 | 登山
今年の五月の目玉は槍ヶ岳。
槍ヶ岳へは何度か行っているが、残雪期はかれこれ三年振り。
10連休も終わり、きっと山は静寂を取り戻した頃だろうから、この時期にと予定を合わせる。



バスを降り、川沿いの遊歩道に出ると、青空に映える穂高連峰が見える。何度も見てきたこの光景だが、今日の景色が今迄で一番だと感じる。




定番中の定番、河童橋からの一枚。
惚れ惚れしてしまう光景に足が前に進まない。




小梨平を行けば、木々の間から明神岳が見える。




いつもは会話が飛び交う林道も今日は人影が無く、鳥の声が響くのみ。




梓川の向うに明神岳が聳え立つ。
何度も見ている光景なのに胸が躍る。

 


ザクザクの白砂の道を歩けば間もなく明神分岐となる。




今日明日に限って徳沢方面は通行止めなため、明神橋に向かう。




橋を渡れば、翡翠色に澄んだ梓川の流れが一望出来る。




対岸を見ると、川べりの木々がそろそろ芽吹きを迎えそう。新緑が映える梓川を見たくなる。




長く単調な森の景色。そろそろ飽きてくる頃。




木々の向うに前穂高岳が覗く。
この角度からだと一層迫力が増す。



新村橋を渡る。吊り橋なので揺れが怖いが、梓川の景色がそれを忘れさせてくれる。




橋の途中で振り返れば、前穂高岳が全容を見せる。




横尾への途中には二輪草がぼちぼち咲き始める頃なのに、まだ蕾は目立たず、森の色合いが暗いまま。




左側が開けると、梓川の向うに前穂高岳が見える。




登山道が残雪に覆われていたため、この先は川沿いの林道を行く。



そろそろ芽吹きを迎えるケショウヤナギは微妙な色合いが混じり合う。まさに今の季節ならではの景色。




今日は横尾でテント泊。
暮れなずむ前穂高岳を見上げる。



星の瞬く夜。
明日はいよいよ槍ヶ岳へ。
先ずは安全に。そして楽しめますように。

(続く)

GWの金峰山へ。

2019-05-04 14:28:56 | 山日記
連休中、どの山に行こうかと考えた。
日帰りで、それなりに歩き応えがあつて、近場、となると選択肢が限られる。
その中から金峰山を選ぶ。そう言えばまだ五月の金峰山へは行ったことが無かった。


あちこちの山はすでに芽吹いているが、駐車場近辺のミズナラはまだの様子。



登山道が岩まじりの中を抜けて行くと、勾配がキツくなって来る。



朝一番の登りを終えると、目の前には瑞牆山がそびえる。もう山頂付近は朝日が当たっている。



富士見山荘付近からの金峰山。さあここからが本番となる。



緩やかに付けられた森の道を歩いて行くと、朝日が射し込んできた。



森が開け、大日岩の頭が見えてきた。



ここからまた登りが始まる。次第にシャクナゲが目立ってくる。今月の終わり頃には森に華やぎを添える事だろう。



ここで一旦開け、南アルプスの峰々(間ノ岳、北岳、仙丈、甲斐駒)が姿を現す。朝のこの時間ならでは、くっきりと見える。



大日岩が頭上にそびえ立つ。



登り切ると、澄んだ青空を背景に大日岩が鎮座している。



この先まだ雪が残っていて、登りは滑り止めが無いと滑りやすく苦戦する。



息を切らしながら、森林帯の登りを終えると、遂に稜線に出る。
瑞牆山の彼方には八ヶ岳も見える。少しずつ雲が出てきたようだ。



千代の吹上の向こうには五丈石、そして山頂が見える。
稜線を渡る風は少し冷たいがサラリとしていて心地良い。



雪混じりのアップダウンを繰り返しながらも少しずつ近づいて行く。



小さかった五丈石もくっきりと見えてきた。この先はなだらかな道。もう山頂は近い。



山頂方面からの五丈石。改めて見ればきれいに積み上げた石垣の様。



反対側の奥秩父方面。
あの峰の彼方を歩いた事が心に焼き付いている。



そして今日歩いて来た稜線。
こうして眺めると何だか感慨深い。でもまだこれからこの道を引き返すので気持ちを引き締め直す。



何度か歩いた金峰山への道。歩き慣れているせいか、心落ち着けて歩く事が出来た。
奥秩父からこの辺りの山々は自分にとって安らぎの山。また今年もじっくりと歩いて行こうと思う。
        (2019年5月4日)
(終わり)