







外から親方が大声で呼ぶ

今夜は十三夜だ

薄い雲の間から まん丸のお顔を覗かせている
お月様が動いているように見えるが 雲が流れているのだ

暫し 夫婦で空を見上げる
昨夜の台風が嘘のよう
このお月様 どこかで みんなが見上げているのだろう
アッコ お月様が好きで よく見上げていたわよね~


娘が傍で眺めているような気がする
気がつくと 娘の靴を履いていた私
彼女のお気に入り スエードの靴
綺麗なラベンダー色
処分、出来なくて 下駄箱に入れて置いた
今日、風に当てようと 出したラベンダー色の靴
彼女は足のサイズが大きくて 私にはブカブカ
そんな偶然の事にさえ 娘の姿を 重ねてしまう
