めんどりおばあの庭

エッセイと花好きのおばあさんのたわ言

ももいろのきりん

2014-03-15 23:14:04 | 日記


『ももいろのきりん』 文・中川季枝子 絵・中川宋弥
は、娘が大のお気に入りだった絵本である。

娘が小学校に入ってすぐに、幼稚園の教師をしていた夫の従妹が
娘に買ってくれた本だ。

本好きの娘はその絵本の表紙がぼろぼろになるまで愛読した。

愚かな母親は、『ももいろのきりん』が娘にとってどれほど大切
なものか気づいていなかった。

ある日のこと、私は、いくら注意しても部屋を片付けない娘に怒って、
ぼろぼろになった『ももいろのきりん』を他の物と一緒に捨てたのだ。

しばらくして、娘は、『ももいろのきりん』がいくら探してもないの
とベソをかいていた。
そのとき娘にどう対処したのか、はっきりと覚えていないが、多分、
「お片付けしないあなたが悪いのよ」と突き放したように思う。

娘が大人になってから、娘の本棚に真新しい『ももいろのきりん』の
絵本を見つけた。透明な袋に大切に入れてあった。
いつ買ったのであろうか。

娘にとって本当に大切なものだったのだ。

私は子供の心を理解してやらず、ただ厳しく躾けるばかりの駄目親
だったと反省した。

娘が結婚してからだったか、我が家でお茶を飲みながら雑談していた。
「お母さんはあなたに厳しすぎたわね。大学生の時、帰りが遅くて
頬を平手打ちしたわね」と、私。
「躾だからいいのよ。社会に出てから役に立ったよ」と、娘。

『ももいろのきりん』
お母さんがあなたの所に持って行くね。







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ブログに元気をもらってます

2014-03-15 10:14:18 | 日記


今日はお洗濯日和です。

久しぶりに爽やかに目覚め、爽やか気分です。

娘のプレゼントしてくれたブログが元気をくれたのでしょうか。
ブログで胸の中にたまっていた悲しみを吐露したからでしょうか。

しかし、この年老いためんどりおばさんは、
まだ、ブログの仕組みが理解できなくて困っています。

あれこれ画面を開いてマニュアルを一覧しするのですが、
まず、文字が小さくて読めません。
今、困っているのはコメントが開けられないこと。
閲覧と訪問の区別がつかないこと。
花の写真が蔵衛門に沢山入れてあるのですが、ブログに移せないこと。
etc.

私が、パソコンに出会ったのは37歳の時。
まだ画面がグリーンの時代です。仕事で使わざるを得なくて
講習会に行き、何とか操作できるようになりました。
まだ、若かったので目もいいし、マニュアルも理解できました。

現在、71歳。白内障、老眼。飲み込み悪し。

パソコンを買い換えても最初に愛用した一太郎がお気に入り。
原稿入力は全て、一太郎です。ウインドウズを新しくしたところ
エクセルが使いづらくて困っています。
前の方がわかりやすい気がします。
老化した頭が順応性に欠けているのでしょうね。

今度、娘の連れあいが来てくれたとき教えてもらいましょう。

まだまだ、お勉強しなさいと、娘が言っているのでしょうか。
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ポテト娘

2014-03-15 00:03:57 | 日記


もうすぐお彼岸です。

毎年、今頃になると、畑に植えるじゃがいもの種芋を準備していました。
ジャガイモの植え付けは春のお彼岸前後を目安にしていました。

しかし、今年は市民農園を申し込みませんでした。
娘が逝き、気力が失せ、腰痛に膝通と体力に不安を覚えたからです。
きれいに区画整理された市民農園を眺めてちょつびり後悔して
います。

娘はいも類が大好物でした。茹でたてのジャガイモ、ポテトフライ。
スイートポテトに大学芋。コロッケ然り。


入院中に抗がん剤で食欲がなくても、畑で採れたサツマイモで大学芋
とスイートポテトを作って持参するとぺろりとたいらげてくれました。

何十年と家庭菜園をやってきました。畑友達も出来ました。
作物作りの下手な私に色々と教えてくれたおじいさん。
85歳を過ぎても広い畑でたくさんの作物を上手に育て、いつも沢山
おすそ分けしてくれました。
畑でしか会えない方たちです。

春になったらご挨拶に行こうと思います。
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おんどりの話

2014-03-14 12:21:29 | 日記
今日は曇天で、庭の福寿草も寒さでつぼみを閉じています。

日差しが射すときらきらと黄色い花を咲かせます。

それを眺めると、ああ、春が近づいていると心がほんわかします。

ジンチョウゲのつぼみもまだまだ堅そうです。

このジンチョウゲは孫木です。1代目48年前に植えました。大きく
育ったのですが、寿命なのか枯れそうになり、一枝挿し木にして
育てました。それをまた挿し木にしたのが今の孫木です。
ジンチョウゲは寿命が短いのでしょうか。

最初のジンチョウゲが元気だった頃のお話しです。

我が家の前のお家で鶏を1羽飼っていました。

縁日で買ってきた可愛いひよこが大きなおんどりに育ちました。

屋上で飼っていました。多分、朝、5時頃になると「コケコッコー」
と大きなときの声を周囲に響かせました。

住宅地の中でのおんどりのときの声。

私は子供の頃、鶏を飼っていたのでさほど驚きませんでした。
夫のお弁当を作るために早起きしなければならなかったので
目覚まし代わりでした。

しかし、周囲の方がよく文句を言わないなと思っていました。

しばらくして、おんどりのときの声がしなくなりました。

「おんどりさん、どうした?」と尋ねました。

「Aさんの奥さんからそろそろ絞め頃じゃないの」と言われたの。

Aさんは私たちより年長でした。

さすがのんびり屋さんの飼い主もきつい言葉の意味に気づいたらしい。

おんどりは、飼い主のご主人の研究所に持って行ったとのこと。

その後のおんどりの運命は知らない。
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テルマエ・ロマエ

2014-03-14 01:55:50 | 日記
映画、『テルマエ・ロマエⅡ』が公開されるとのこと、
複雑な気持ちである。

2012年の夏、最初の『テルマエ・ロマエ』が初公開された時、
娘夫婦と私たち夫婦で観に行ったからである。

娘はその年の5月に7時間余に及ぶガンの摘出手術を受けた。
ガン細胞はすでにリンパに転移していたのである。

仕事の好きな彼女は早く退院して会社に行きたいと前向きだった。

現在の医療はインフォード・コンセプトというのか、患者にすべてを
告げる仕組みになっている。まして、インターネットという情報社会。
彼女はセカンドオピニオンも受けて、自ら医師に質問して自分の状態
を把握していた。
信頼できる主治医に巡り会え、前向きに抗がん剤治療に専念し、
苦しい治療に耐えていた。
ただ、私は見守るしかなかった。
そして、つとめて明るく娘に接する努力をした。

病室で『テルマエ・ロマエ』の話題になり、面白そうだから観たいね
と、私が言うと、退院したら行こうと乗り気になった。
そして、原作者のヤマザキマリ著「
『テルマエ戦記』が面白いよと
教えてくれた。娘から貰ったその本は大切な遺品となってしまった。


そして、細胞の検査結果が出るまでの退院直後、娘夫婦に映画に
誘われた。シネマ館は大入り満員。座席は一番前だった。
大音響とスクリーンの中から登場人物たちが飛び出してきそうな
大画面。目がくらくらしてきた。
そんな中、娘はケラケラ大笑いしながら観賞していた。

その笑い声を効きながら、主治医の余命告知の声が私の頭の中を
巡っていた。

娘は不安を吹き飛ばしながら映画を観ていたのであろうか。


『テルマエ・ロマエⅡ』を観に行ける自信がない。
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