北原白秋(きたはら はくしゅう) 本名:北原隆吉(りゅうきち)
1885年(明治18年)-1942(昭和17) 詩人･童謡作家･歌人
谷崎潤一郎に張り合ったワケじゃないだろうけど、白秋も3度結婚した
今日は彼の誕生から最初の結婚までの人生を辿る
【誕生・落第・上京】
1885(明治18) 現・福岡県柳川市で父長太郎、母シケの 長男として誕生
生家は江戸期以来の栄海産物問屋(当時は酒造が主業)
1897(明治30) 12歳 現・伝習館高校入学
1899(明治32) 成績下落で落第 詩歌に熱中し明城派に傾倒
1901(明治34) 大火で北原家酒蔵が全焼 家業が傾く(1909年に破産)
1904(明治37) 19歳 父に無断で上京、早稲田大学英文科予科に入学
1906(明治39) 新詩社に参加 与謝野鉄幹・晶子らを知り 知名度を上げる
1908(明治41) 「パンの会」や翌年『スバル』創刊に参加
【松下俊子との恋愛】
1912(明治45･大正01) 27歳 母・弟妹、父を呼び寄せ一家で原宿に住む
松下俊子 1888(明治21)ｰ1954(昭和29)
白秋家の隣に住む俊子は既に人妻だったが、夫・長平の乱行が原因で別居中
初めは俊子が夫のことを白秋に相談･･･やがて恋愛関係になる
そのことを知った夫が姦通罪で告訴、二人は市ヶ谷の未決監に拘留される
この時に白秋が心境を綴った短歌・詩文が数多く遺されている
（白秋の短歌が膨大にあり、哀傷編は最後の方にある）
"しみじみと 涙して入る 君とわれ 監獄(ひとや)の庭の 爪紅(つまぐれ)の花”
”罪びとは 罪びとゆゑに なほいとし かなしいぢらし あきらめられず"
さて、二人の拘留は、白秋の弟らの尽力により2週間後に解かれる
松下長平とも示談金を支払って和解成立、告訴は取り下げられた
しかし、人気詩人白秋の名声は不祥事によって地に堕ちた
【松下俊子との結婚】
1913(大正2) 俊子の離婚が成立、白秋と俊子は結婚する
二人は三浦三崎に移り住んだ
この話の続きは明日、北原白秋作詞の「城ヶ島の雨」を聴きながらお別れ
それでは明日またお会いしましょう
[Rosey]