遊びをせんとや

人生総決算!のつもりで過去・現在のことなどを書きます
といっても肩肘はらずに 楽しく面白く書きたいと思います

こんな人がいた~「寺山修司その33 天上桟敷の女性たち」

2023年11月20日 | 読書


 昨日で寺山修司のお騒がせも一段落した
 今日は天井桟敷創立時の女性メンバーの話をする

 まずは最初の妻・九条映子と未入籍だが2番目の妻・田中未知の二人
 
九條英子(今日子) 1935(昭和10)-2014(平成26) 女優・演劇/映画プロデューサー

 
田中未知 1945(昭和20)- 作曲家・楽器作家・映画監督・著作家(在オランダ)

 どちらも寺山修司のことがテーマなので2冊読んでみた
 九条の本は読み易い 観られる側の女優が書いた本 そんな読後感

 田中の本は単行本で400頁弱 読み応えがあり言及する分野も幅広い
 彼女はイラストレータになりたかった 描く人は観る側の人でもある
 寺山の虚像しか見ようとしない人間を厳しく糾弾している
 母親ハツ 病気を誤診した医師 評論家 伝記作家等々 
 
 田中は 寺山の死後 オランダに住んでその遺品整理を続けているようだ
 著書の冒頭に寺山からの言葉が書かれている
 「未知、君は固有名詞じゃない。ぼくとの共通名刺である。
 一緒に作った一つの存在です。寺山修司」

 また 著書カバー裏には寺山修司「遺書と名付けられた手紙」より として
 「鳥はとぶとき翼でとぶが、人はとぶとき何でとぶ?」って謎わかるかい?

 その展示案内が「美術手帳」サイトにあったのでリンクする
 写真は「真を写す」のではなく「偽をつくる」という寺山説になるほど!

 なお 谷川俊太郎が彼の死後2年経った後に 彼からの葉書を受け取った

 最後に歌を一曲 「だいせんじがけだらなよさ」

 今日はここまで 明日またお会いしましょう
[Rosey]

こんな人がいた~「寺山修司その32 世の中お騒がせ事件#7・寺山のぞき事件&アラカルト」

2023年11月19日 | 読書


 1980(昭和55)年
 「劇団何とかの寺山という男が私有地に無断で侵入している」
 渋谷のアパート近くの住民から警察にそんな通報が入った
 それがなぜか「寺山が覗き」として 新聞や週刊誌が書きたてる騒ぎになった
 
 海外取材中だった寺山は急遽帰国 記者会見で釈明した
 朝日新聞の企画「路地」の取材のため 私有地と知らずに立ち入った・・・と
 結果は私有地無断侵入で罰金を支払ってケリがついた

 ただ 寺山が覗きをやった事件として伝える伝記作者や研究者がいるという
 寺山も墓の下で苦笑しているのではないか・・・もっとも彼は言い遺したが
 「墓は立てて欲しくない。私の墓は私の言葉であれば充分

 「覗き」は簡単にケリがついたのであとはアラカルト
 天所桟敷の創立メンバーの顔写真の一覧があった
 



 次は一転して華やかな写真(美輪明宏)


 彼女(彼)のTBSラジオ放送アーカイブがあった
 「面白い時代でしたよ~」新宿は文化の発信地!寺山修司との思い出♪ほか

 最後の「嘆かわしい」に私も同感 でも僅か10年ちょっと前
 今はいっそう「嘆かわしい」時代になっているのかも・・・

 それでは今日はこれまで 明日またお会いしましょう
[Rosey]

こんな人がいた~「寺山修司その31 世の中お騒がせ事件#6・テレビド・キュメンタリー#2」

2023年11月18日 | 読書


  昨日の「日の丸」トリオの写真を忘れたので掲載
左から 制作:萩元晴彦 インタヴューアー:高木史子 構成・演出:寺山修司

 このトリオ いきなり日の丸」を撮影・放映したわけではない
 前年(1966昭和41) 同じ手法でドキュメンタリーを撮影・放映した
 ただ タイトルは「あなたは・・・」で 「日の丸」とは意図も質問も違う

 質問は 萩元と寺山が一晩泊り込みで150項目くらい挙げ 17問に絞った
 幾つか質問例を挙げよう
 「いま一番ほしいものは何ですか」
 「天皇陛下は好きですか」
 「もしあなたが総理大臣になったらまず何をしますか」
 「祖国のために戦うことができますか」
 「東京はあなたにとって住みよい町ですか」
 「最後に聞きますが あなたはいったい誰ですか」
 
 確かに「日の丸」に通じる質問も用意され 事前に反応を見たとも思われる
 ただ 質問が個人的な関心事にも及ぶせいか 放映のトラブルは無かった
 その放映時の番組内だと思うが 同じ質問を寺山修司にぶつけている
 文字記録として回答が残っていたので 前記の問いの彼の答えを・・・

 「いま一番ほしいものは何ですか」
 馬です サラブレッドの馬をダービーで優勝させたい

 「天皇陛下は好きですか」
 つきあってみなくてはわかりません
 このチャンスのない今は好きでも嫌いでもないです

 「もしあなたが総理大臣になったらまず何をしますか」
 僕は総理大臣にはなりません どんな社会になっても

 「祖国のために戦うことができますか」
 自分のためになら戦うことができます

 「東京はあなたにとって住みよい町ですか」
 たいへん住みいいです 新宿歌舞伎町が一番好きです

 「最後に聞きますが あなたはいったい誰ですか」
 僕は僕です

 今日は文字ばかり・・・
 TBSがアーカイブしているドキュメンタリー映像を探した
 残念ながら2009年以後の映像しか保存されていなかった

 今日の記事と直接の関係はないが 懐かしい1970年代の東京風景を


 次回のお騒がせは「寺山の覗き事件」の予定
 それでは明日またお会いしましょう
[Rosey]

こんな人がいた~「寺山修司その30 世の中お騒がせ事件#5・テレビド・キュメンタリー」

2023年11月17日 | 読書


 今年の2月に公開された映画のPV
 
 40年前の「日の丸」の映像(上記PVのモノクロ部分)を観たいが無かった
 街行く人にレポーター(天井桟敷の女優高木史子)が矢継ぎ早に質問す 
 いくつか例示すると
 「日の丸といったらまず何を思い浮かべますか」
 「あなたの家には日の丸はありますか」
 「いつ誰が買ったものですか」
 「その日の丸はどこに掲げれば美しいと思いますか」(なぜですか)
 「あなたは祖国と家庭とどちらを愛していますか」
 (「ではあなたは喜んで戦争に行くことができますか」)
 「では喜んでお子さんを戦争に送り出すことができますか」)
 ・・・・・・以下略

 TBSがこの「日の丸」を放映したのは1967(昭和42)年
 制定されて初めて迎える建国記念日の前 2月9日だった
 ただ この法案には紀元節の復活だとして反対の集会やデモが行われていた
 こうした世相に 「11日の建国記念の日を前に日の丸をテーマにして
 日本人の愛国心を掘り下げたドキュメンタリー」とTBSは紹介した
 ~構成:寺山修司 制作:萩元晴彦(TBS) インタビュー高木史子※}」
 ※天井桟敷の創立メンバーの一人(女優)

 放映後 TBSには抗議電話が殺到 閣議でも取り上げられ問題視された
 結果 監督官庁の郵政省にTBS幹部が遺憾の意を表わすことで決着した
 こうした政府の介入に その後萩本はTBSを辞め独立
 寺山もテレビに限界を感じ 天上桟敷を創り演劇に集中するようになった

 実は前年に 同じトリオが同じ手法で「あなたは・・・」を放映している
 私にはこちらのほうが面白いが 時間切れでこれは次回にする
 明日またお会いしましょう
[Rosey]

こんな人がいた~「寺山修司その29 世の中お騒がせ事件#4・阿佐ヶ谷市街劇ノック」

2023年11月16日 | 読書


 今日はまず阿佐ヶ谷市街劇ノックの映像からご覧を


 7分ほどのビデオ映像だが 市街劇がどういうものかは見当がつく
 参加者が渡される市街図→ここをクリックすると拡大可能 (ボケるが)
 

 この地図に市街劇が行われる日時と簡単な説明が書いてある
 阿佐ヶ谷に10年ほど住んでいた私にも懐かしい地図
 記録では 19拠点30か所で30時間にわたって各種の演劇が行われた
 例を挙げると
 「青猫化粧館」「気まぐれバス」「天文学者の孤独」「地下病棟」
 「注文の多い料理店」「空中散歩者」「ラジオ」「ヒューマン・ボクシング」
 「便所のマリア」「銭湯における男事件」「書簡演劇」等々 
 
 突然の異形集団?の出現に驚いた区民から警察への苦情が殺到
 劇団は厳重注意の処分を受け 中止を余儀なくされたという

 空中散歩機 こんなものが夜道に現われたら仰天!

  
 市街劇ノックの様子を伝える新聞紙面
 
 
 今日はここまで またもお騒がせ事件は次回に予定
 明日またお会いしましょう
[Rosey]