~step by step~[ 側弯症ライブラリー]患者の皆さんへ

側弯症(側わん症/側湾症/そくわん)治療に関する資料と情報を発信するためのブログです

心の弱さにつけ込む卑劣な手口 なぜ整体を勧めるのか?

2008-04-19 20:49:53 | 特発性側弯症と民間療法
ネットの普及のなかでも、ブログの登場はひとつの新しい時代を築いたと思います。
HTMLの知識を必要としたホームページと違い、ブログであれば簡単に文章をネットで
公開できます。写真も簡単に添付できます。私がこの側彎症という病気を調べはじめ
たのは2007年2月からのことですが、その当時、ネット上で公開されている側わん
患者さんのホームページは数えるほどでした。特に思春期特発性側弯症の患者さん
のHPは JUNAさんと、ポレポレさんのふたつほどしかありませんでした。それ以外で
発信元となっているのは、掲示板[脊柱側わん診察体験]だけ。私august03もこの
掲示板には当初いろいろとコメントを書きましたが、患者さんの置かれている環境
に対する整体の弊害を考えたとき、この掲示板が整体により運営されている、ある
いは整体の広告塔になっているという事実は、私のポリシーに反するものでした。
整体の広告塔の役目をしている、という意味ではいまだにその事実は変わりません
もし、本当に患者さんのことを考えるのであれば、あの掲示板に投稿することも
その投稿に回答することも止めるべき、というのが私の願いでもあります。何も
しらずに本当の患者さんが悩みを訴えるために投稿してくることもあるかもしれま
せん。その可能性はゼロではありません。同時に、あいかわらず「患者のフリ」を
した投稿も数知れず見られます。その手口はちっとも変わっていません。

別の掲示板もありましたが、その大半は閉鎖されました。いわゆる掲示板荒らしに
荒らされて耐えきれずに中止した、というのが背景にあるようです。その荒らしの
実行者が整体かどうかの証拠はありません。それが匿名によるネット掲示板のマイ
ナス面でしょう。ただし、普通に運営している掲示板をつぶすことで利益を得る
集団がいることも事実でしょう。いわゆる蓋然性は存在します。

ネットの匿名性の危険性から、それを反面教師として登場したのが、ソーシャル
ネットワーキングサービスです。実在することを証明した人物の紹介があって
はじめて参加できるネット社会。安心と安全を謳い文句にしたネットサービス。
しかし、ここにも整体等の民間業者の手が入り込んでいるようです。

「側わん症の手術日記」より引用させていただきます :
http://kayoch.blog103.fc2.com/blog-entry-55.html

SNSの側わんコミュニティで、整体で側わんの治療をされている方のコメントが
載っていました。
そのコメントに対して私は強い感じの言い方で、整体でそくわんが良くなると言う
事はありえないので誤解を与えるような事を書かないで欲しいという内容で整体で
の側わんの治療を否定しました。

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(august03より)
皆さん、冷静に考えて下さい。いったい誰が SNSの中に側彎コミュニティを開設
したのでしょう。患者のため? そのコミュニティは本当に患者の為に運営されて
いるのでしょうか? それを開設することで誰が利益を得るでしょうか? 
患者さん同士がお互いを励まし合い、支え合うという趣旨は大切です。でも、忘れて
いけないのは、特発性側彎症は原因不明であり、その治療に整体等の民間業者が
入り込む余地はない、という事実です。

私はこの一年間ずっとネットを検索し、整体(あるいはカイロプラクティック)に
より、側わん症が“治る”“治った”という医学的事実や、患者さん(そのお母さん)の
声を探し続けてきました。

   患者さん、あるいはそのお母さんによる信憑性のある発言は一件も
   ありませんでした。
   ホームページ、ブログにおいて、整体のユラユラ揺れるベットに乗る
   ことで、側わん症が治癒した、というものは一件もありませんでした。
   (側わん専門整体に通う女の子のブログは信憑性がありません)

   いわば、不治の病のようなこの病気から開放されたのですから
   これだけネットが普及した時代において、しかも、匿名で発信できる
   この文明の利器を使って、より多くの患者さんに知らしめたいと
   考えるのが、長い間苦しんできた患者さんの心理というものです。

   しかし、そのようなホームページもブログも 一件も存在しません

   これは日本だけの事実ではありません。

   英語で調べられる限り、googleで検索する限り、yahoo USAで検索する限り
   ネット上には、整体/カイロプラクティック/ヨガで 側彎症Scoliosisが
   治癒しましたと発信している個人のブログは一件もありませんでした。

個人の発信がないのに、どうして掲示板 (SNSの側わんコミュニテイも含めて)だけ
では、「私は整体で改善しました」「整体で治りました」「ベットに寝ているだけ」
などという発言が飛び交うのでしょうか? それは、その発言が整体等(関係者)に
よるものだから、と考えるのがもっとも蓋然性があります。

   医学的事実からも見てみましょう。
   私がもっとも利用するのは、PubMedという医学文献検索サイトです。
   結論は、下記文献に集約されます。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18211702?ordinalpos=1&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_RVDocSum

専門誌  Scoliosis. 2008 Jan 22;3:2
タイトル Manual therapy as a conservative treatment for adolescent
     idiopathic scoliosis: a systematic review.
結論 
CONCLUSION: The lack of any kind of serious scientific data does not allow
us to draw any conclusion on the efficacy of manual therapy as an
efficacious technique for the treatment of Adolescent idiopathic scoliosis.

世界中の文献調査結果として、思春期特発性側彎症がカイロプラクティック等の
手技により効果があったことを示す事実は一件もなかった。

  このブログ内で、何度も何度も、いたるところに記載してきましたが、
  先天性側彎症はもとよりのこと、思春期特発性側彎症は整体等の民間業者の
  手技で治ったという事実はありません。もとより、揺れるベットに寝ていて
  治るようなそんな簡単な病気であったら、何千年もの長きにわたって人々が
  苦しめられてくることもあろうはずがありません。
  そのベットで治るのならば、ノーベル医学賞が授与されるくらいの人類への
  大貢献なのです。

  マイルドカーブの大半は、何もしなくても真っ直ぐになるか、その程度の
  カーブのままで一生を終えることがわかっています。

ある整体は次のように記述しています: 
1. 低度数20度以下→ 80%の改善率
2. 中度数25度以上→ (改善率提示なし)
3. 重度数40度以上→ (改善率提示なし)

施術例でレントゲン写真が提示されているものは全て マイルドカーブ 25度以下
のものです。(レントゲン以外の背中の写真は一時的効果にすぎません。一時的に
筋肉をほぐして・首から腰にかけて24個ある脊椎の間を丹念にほぐすと強ばりが
緩むこともありますが、そのようなものは数日で元に戻ってしまう、ということです)
→この見立ては鍼灸師さんのブログ「ツボと日記」より学びました。


鈴木信正先生はいまから20年も前に、次のように述べられていました。
15歳未満で、25度以下の側弯の7割のこどもは、自然治癒する
 (特発性側彎症の正しい知識の普及のために No.2)
http://blog.goo.ne.jp/august03/e/851e562975eabbfbf255008d8f9b4810

つまり、何もしなくても良い患者さんに不安を煽って、宣伝をして、治した治した
と偉そうにして見せる。その手口がきくのは、約7割。つまり、残り3割の患者さん
は荒ぶるタイプの側彎症なのですから、進行がとまらずに、気づいたときには
手遅れとなって整形外科に駆け込んだときには、手術しかない、という状況になって
いる。

さらに、側わん症患者さんにしてみれば、25度~40度のこの時期がもっとも精神的
にも、身体的にも辛いときです。この揺れるベットが側わんに効果があるのなら
そしてこの整体が提供する装具が、他の装具よりも効果が格段にうえならば、
なぜに、中度、重度の改善率が示されていないのでしょうか?
皆さんは、ここに注意を払うべきなのです。つまり、この整体は、低度数のカーブ
に対しては数値を示す事で信憑性を高めることに利用し、そして中度重度には数値
を示さないことで患者さんからの訴えに対する抗弁材料をしっかりと準備している
、ということなのです。中度重度の患者には、もし治らなかったとしても、もし
悪化したとしても、私はどこにも治癒率は書いてませんよ。と言えるわけです
仮に口頭でそういうことを言ったとしても、ホームページを示して、それは貴方の
聞き間違えでしょう、と言えばいいことになります。実に巧妙です。

  これまでにブログのなかで、三点の文献を示して
  中度カーブの側わんの場合も、約50%の患者さんは装具をしなくても
  進行しないことが判明しています(おとなしいタイプ)。
  患者さんを100人集めれば、私august03が整体を開業しても約半数の患者さんは
  私の手技、施術、あるいは魔法の言葉だけでも「治せる」ということです。
  残りの半分の進行してしまった患者さんには、あなたは体質が悪い、指示どうり
  の体操をしなかった、普段の姿勢が直っていない etc
  なんとでも言って、患者さんを黙らせることができる、というわけです。
  残念ながら、どの患者さんが進行するタイプなのか、おとなしいタイプなのか
  それを診断する方法がまだ発見されていません。
  しかし、装具療法により、約80%の患者さんは進行を抑えることができるのです
  50%の確率で進行しないことに賭けるか、80%の確率で装具で押さえ込むか、
  患者さんの選択肢はこのふたつになります。

いま米国では全米から20大学病院が参加して、治験(臨床試験)が進められています
主導しているのは、米国政府機関のNIH (National Institutes of Health)という
国民の健康に対して責任を有する最高機関です。
  http://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT00448448?recr=open&cond=%22Scoliosis%22&rank=6

試験方法は、全米から500人の思春期特発性側わん症のこどもに参加してもらい、
あるグループには装具療法を、別のグループには「何もしない」という選択を
くじ引きで割り振るというRandomizedランダマイズドコントロールによる試験です
2007年2月に開始され、完了するのは2010年8月を予定しています。まだ結論がでる
までに2年以上待たなければなりませんが、この臨床試験が終われば、どういう
背景のこどもが荒ぶるタイプで、どういう背景のこどもがおとなしいタイプの
側わんであるかが判明しているでしょう。つまり、25度前後で発見した場合に、
そのこどもに装具療法が必要か不要かの診断がつくようになる、少なくとも現在
よりももっと診断できる要因を判明させることができているだろう、ということです。
これはいわば米国政府が本気で、こどもたちの病気に取り組んでいるということです。
本気で、思春期特発性側彎症の治療指針に最終結論をだそうという取り組みです。
そして、これに犠牲的精神をもってボランティアとして参加しているのが全米の
こどもたち、10歳~15歳のその多くが女の子たち、ということです。私たち日本人は
ここでも海外のこどもたちの犠牲のうえに、自分たちの治療方法のための知識と
情報をえることができる、ということになるのです。

米国政府が本気で取り組んでいる一方で、日本の政府は日本のこどもたちが
おかれている状況にきづいていません。日本政府が動いてくれないのならば
私たちの手で、社会環境を変える運動を切り開いていくしかないと思います。
医学的結論がでるまでに、私たちは、未来のこどもたちのために側彎症治療が
しやすい社会環境と、正しい知識と情報の普及につくすのが、アメリカで臨床研究
に参加してくれているこどもたちへの唯一の感謝の印になると思います。
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   私は大塚治療院に通ってよくなりました。
   整形外科にも通いコルセットもつけつつ大塚整体に行っていました。
   私も西日本に住んでいますが、東京までがんばって通った価値はありました
   今はコルセットも卒業し、手術もせずに普通に生活しています。
   大塚治療院での治療はホームページにあるとおりの感じです。
   平たく言えば、スイングベッドに寝て身体の左右のバランスを整えるという
   感じでしょうか。。

   治療効果等を大塚先生に1度電話で問い合わせをされてはいかかでしょうか
   Rさんの娘さんの彎曲の度数や方向、位置など細かい状況を伝えたら詳しく
   説明してもらえると思いますよ。
   私たち患者のことをすごく考えてくれ、実績もある熱意ある先生です。

「特発性側わん症 娘の記録」より引用させていただきました
  http://sokuwan15.blog103.fc2.com/blog-entry-45.html

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これが彼らの手口です。
患者さんの....娘さんのお母さんは、とても弱い立場です。自分が生んだこどもに
どうしてこういう病気が発症したのか.....自分に何か原因があるのではないか....
代われるものなら、代わってあげたい.....

お母さんはご自分を責めてはいけません。これは病気なのです。病気は相手を選ぶ
ことなく襲ってくるものです。そして、この病気は、社会全体で守ってあげるべき
性格の病気なのです。整体という悪魔のささやきを行う社会悪から守ってあげなけ
ればなりません。病気で苦しんでいる母子に、こういうメールを送りつける。
ブログにこういうコメントを残す、掲示板にこういう書き込みをする、SNSの側わん
コミュニティに進出して患者のフリをして勧誘する。

このメールの送り主が誰かは不明です。それが誰であれ、名指しされた整体は、
上記に私が示した 疑問点 と、このブログで指摘している偽装的行為に対して
弁明する機会があるのですから、ホームページ上で、反論されることを期待して
います。

また私のブログならびに上記ブログは、公共の利益のためになされたものであること
を表明しておきます。

「公共の利害に関する公表と名誉毀損」
http://blog.goo.ne.jp/august03/e/6475355883ed1c1362bda8bc1da6c472


      こどもたちの背中を整体から守るキャンペーン
  ~ 私たちは患者を保護するために整体を規制する法制化を求めます ~

もし趣旨にご賛同いただけましたら、上記の言葉をネット上でご使用いただけます
よう、ご協力を御願いします。

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