特発性側弯症患者さんが適正な治療を受ける権利について

何度か意見を述べさせていただいていますが、私(august03)はすべての民間療法者
がダメと主張しているのではありません。良識があり、法律を遵守した民間療法者
がいる一方で、患者(特発性側弯症患者)に恐怖と、誤解と、正しい情報を与えず
に、意図的に曲解し、誤った情報で誘導している、そのような一部の民間療法者の
存在を指摘しています。彼らの意図的行為は、患者が受けることのできる適正治療
の権利を奪うものです。

法的側面から、資料を集めてみました。

整体師のための法律問題というHPから一部引用させていただきます。
http://homepage3.nifty.com/teate/seitai5.htm

民間療法者が営業すること自体を積極的に否定する法律は存在しません。
そのよりどころが、このHPで掲載されている最高裁昭和35年1月27日大法廷判決です

要旨は、* 国家資格のないことをもって規制されるものではない
　　　　* 医業類似行為は、人の健康に害を及ぼすおそれのある業務行為でなけれ
　　　　　ば禁止処罰の対象とはならない。

ここで理解して欲しいのは、この判決は、

　　「人の健康に害を及ぼすおそれのない行為」の場合は
　　民間療法者が施術することも禁止しない

という意味であって、現在流布されている(特発性)側弯症に対する施術を合法
としたものではない、ということ。

さらに、このHPでは、次の法的規制を提示しています。

　　　医業類似行為に対する取扱について
　～　平成３年６月２８日　医事５８　厚生省健康政策局医事課長通知　～

*医業類似行為の施術が医学的観点から人体に害を及ぼすおそればあれば
禁止処罰の対象となる
*カイロプラクティック療法に対する取り扱いについて
（１）禁忌対象疾患の認識
　カイロプラクティック療法の対象とすることが適当でない疾患としては、一般に
は腫瘍性、出血性、感染症疾患、リュウマチ、筋萎縮性疾患、心疾患等とされて
いるが、このほか徒手調整の手技によって症状を悪化しうる頻度の高い疾患、
例えば、椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症、変形性脊柱症、脊柱管狭窄症、骨粗
しょう症、環軸椎亜脱臼、不安定脊椎、側彎症、二分脊椎症、脊椎すべり症など
と明確な診断がなされているものについては、カイロプラクティック療法の対象と
することは適当ではない

　
ここに、明確に側弯症に対する取り扱い規制が明示されています。

追加資料として、別冊ジュリスト No.183 2006/9 「医事法判例百選」のなかの
「医業類似行為の規制」より引用させていただきます。

　*治療を受ける機会を奪うことを無視することは許されない
　*この弊害は、その後の最高裁判決において次第に認められるようになった。
　最高裁が初めて消極的弊害(治療機会の喪失)を認めたのが、最大判昭和36年
　2.15であった。

「無制限に許容するときは、....虚偽誇大に流れ、一般大衆を惑わすところ
があり、その結果適時適切な医療を受ける機会を失わせる
ような結果を招来する」


　 ...............................................................

(以下はaugust03の意見)

法の存在を知り、かつ、医学的にどういう結果になるかを知りながら、
故意に患者を惑わす宣伝を行うことは、法律違反であるとともに、
その結果生じるであろう、患者の被害に対しては、未必の故意による
刑事罰の対象になると、考えます。

(御願い:本ブログ内で使用している「整体」とは、特発性側弯症を医学的根拠を
示すことなく治療できると宣伝し、特発性側弯症という原因不明の病気で苦しんで
いる患者さんとそのご家族を「ビジネス」のために利用している一部の整体のこと
を示しています。そのような整体のために、多くの良識ある整体の方々が同列で
呼称されることは本意ではないかと思いますが、その点に関しては整体という業界
内で解決されることを期待しております。業界基準と倫理規定を持たれているカイロプラクティックの方々は、もちろん含むものではありません)